Trademark Appeal Case
称呼類似判断と母音の差異
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2013−900191(T2013−900191/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
登録第5567421号商標(以下「本件商標」という。)は、「ボクシー」の片仮名を標準文字で表示してなり、平成24年10月16日に登録出願、第1類「化学品」及び第5類「薬剤」を指定商品として、平成25年3月22日に設定登録されたものである。
2 引用商標
登録異議申立人が引用する登録第4712629号商標(以下「引用商標」という。)は、「BOXER」の欧文字と「ボクサー」の片仮名を上下2段に横書きしてなり、平成14年1月11日に登録出願、第5類「除草剤,その他の薬剤」を指定商品として、平成15年9月26日に設定登録され、その商標権は、現に有効に存続しているものである。
3 登録異議申立ての理由
本件商標は、「ボクシー」の称呼を生ずるのに対し、引用商標は、「ボクサー」の称呼を生ずるものである。
しかして、両称呼は、「シ」音と「サ」音とが相違するにすぎず、しかも、その相違音は子音「s」を共通にする音であって、その音質が共通するから、両称呼が全体として称呼されたときには、音感において近似し相紛れるものとなる。
よって、本件商標は、引用商標と称呼上相紛らわしい類似のものである。
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものであるから、第5類の商品についての登録は、同法第43条の2第1号により取り消されるべきである。
4 当審の判断
本件商標は、「ボクシー」の文字からなるところ、当該文字に相応して「ボクシー」の称呼を生ずること明らかであり、また、該語は、特定の意味を有しない造語であるから、特定の観念は生じないものである。
これに対して、引用商標は、「BOXER」の欧文字と「ボクサー」の片仮名よりなるところ、これらの文字に相応して「ボクサー」の称呼を生ずるものであり、また、「ボクシングの選手」の観念を生ずるものといえる。
そこで、本件商標と引用商標との類否について検討するに、本件商標と引用商標とは、外観構成において、欧文字「BOXER」の有無及び片仮名における第3字目の「シ」と「サ」の文字に顕著な相違があるから、外観上相紛れるおそれはない。
また、称呼においては、本件商標より生ずる「ボクシー」の称呼と引用商標より生ずる「ボクサー」の称呼とは、前半部の「ボク」の音を共通にするものの、長音を伴う第3音における「シ(ー)」と「サ(ー)」において差異を有するものである。
しかして、該差異音は、子音「s」を共通にするとしても、その母音は、口の開き方及び音質を異にする「i」と「a」であって、さらに、共に長音を伴うことによって、音が引きのばされて、それぞれの音の差異が強く印象づけられるものといえる。
そうしてみると、両称呼は、共に4音と比較的短い音構成において、該差異音が両称呼の全体に及ぼす影響は小さいものとはいえず、それぞれを一連に称呼するときには、その音調、音感が異なり、両者は十分に聴別し得るものである。
さらに、観念においては、本件商標は、特定の観念を生じないのに対し、引用商標は、「ボクシングの選手」の観念を生ずるものであるから、両者は、比較することができず、類似するものではない。
してみれば、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点からみても相紛れるおそれのない非類似の商標ということができる。
その他、本件商標と引用商標とが類似するというべき理由は見あたらない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものでないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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