Trademark Appeal Case
普通名称と地名の結合の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 平成10年審判第4913号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「インターネット堺」の文字を横書きしてなり、第38類「移動体電話による通信,テレックスによる通信,電子計算機端末による通信,電報による通信,電話による通信,ファクシミリによる通信,無線呼出し,テレビジョン放送,有線テレビジョン放送,ラジオ放送,報道をする者に対するニュースの供給,電話機・ファクシミリその他の通信機器の貸与」を指定役務として平成8年6月5日に登録出願され、その後、指定役務については同9年11月17日付の手続補正書により「電子計算機端末による通信」に補正されたものである。
2 原査定の拒絶理由
原査定は、「本願商標は、世界的規模のコンピュータ通信網を指称する『インターネット』の文字と大阪府在の市の名称に通じ、役務の提供の場所を表示するものと認められる『堺』の文字を普通に用いられる方法で書してなるものであるから、これをその指定役務中、例えば『電子計算機端末による通信』に使用しても、需要者が何人かの業務に係る役務であることを認識することができないものと認める。したがって、本願商標は商標法第3条第1項第6号に該当し、前記役務以外の役務に使用するときは役務の質の誤認を生じさせるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。」として本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標が自他役務の識別標識としての機能を果たし得るものであるかどうかについて判断するに、本願商標は、上記のとおりの構成からなるところ、その構成中の「インターネットの文字は「世界規模のコンピューターネットワーク。アメリカ国防総省が構築した実験的な軍事用ネットワークから発展し、大学・研究機関等のコンピューターの相互接続により、全世界を網羅するネットワークに成長。パソコン通信のように一台のホストコンピューターがサービスを提供するのではなく、全世界に分散するサーバーにより運用・管理される。」(岩波書店発行「広辞苑」第5版)を意味する語として一般に知られているものである。また、「堺」の文字は、大阪府下第2の工業都市名として知られているものである(三省堂発行「コンサイス日本地名事典」)。
ところで、例えば、集英社発行「imidas’99」の「インタ
ーネット接続サービス」の項の記載によれば、インターネットに接続するサービスを「インターネット接続サービス」と称し、そのサービスを提供する者を「プロバイダー(インターネットプロバイダー、接続業者)」と称すること、インターネットの利用者数は1997年で1155万人(郵政省調べ)と急増し、プロバイダーの数も届け出ベースで2500社あまり (98年2月現在)にのぼることが認められる。そして、請求人の提出に係る甲第1ないし第3号証によれば、請求人の子会社の株式会社インターネット堺は上記プロバイダーと認められ、同社が現に行っている役務は「電子計算機端末による通信ネットワークへの接続の提供」といえるものである。また、同じく甲第4及び第5号証によれば、インターネットを通じて地域の情報が発信され、当該地域
の名称がインターネットの文字と共に用いられていることが認められる。更に、インターネットの利用者が様々な情報を容易に入手できることは一般に知られているところであり、インターネットに地名が表示されていれば、利用者がその地名に係る情報を入手できるものと考えることは極く自然である。
請求人は、「インターネット」は本願商標の指定役務である「電子計算機端末による通信」そのものの普通名称ではない旨主張している。確かに、インターネットと電子計算機端末による通信とは、厳密にいえば異なるところがあるとしても、両者とも電子計算機を利用した通信に係るものであって、密接な関係を有するものである。
このような実情の下において、本願商標をその指定役務について使用しても、本願商標は、インターネットを通じて堺市で提供される通信ないしはインターネットを通じて堺市に関連した情報を提供する通信の如き意味合いを看者に認識せしめるに止まり、需要者が何人かの業務に係る役務であることを認識することができず、結局、自他役務の識別標識としての機能を果たし得ないものというのが相当である。
したがって、本願商標が商標法第3条第1項第6号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当なものであって、これを取り消すべき限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
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