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Trademark Appeal Case

一字違いの商標類否判断

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2013−900240(T2013−900240/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第5576363号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

登録第5576363号商標(以下「本件商標」という。)は、「一般社団法人 日本IFP協会」の文字及びその下部に該文字の横幅に収まるように小さく「JAPAN INDEPENDENT FINANCIAL PLANNERS ASSOCIATION」の欧文字を上下2段に書してなり、平成24年11月9日に登録出願、第41類「ファイナンシャルプランニングに関する知識の教授,ファイナンシャルプランニングに関するセミナーの企画・開催及び運営,ファイナンシャルプランニングに関する書籍の制作,ファイナンシャルプランニングに関する電子出版物の提供,ファイナンシャルプランナーの養成及び教育」を指定役務とし、同25年4月5日に登録査定され、同月19日に設定登録されたものである。

2 登録異議申立ての理由

登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標は商標法第4条第1項第11号及び同項第15号に違反してなされたものであるから、同法第43条の2第1号により、その登録は取り消されるべきであるとして、登録異議の申立ての理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第5号証を提出した。

(1)引用商標

申立人が引用する登録第3068484号商標(以下「引用商標」という。)は、「日本FP協会」の文字を横書きしてなり、平成4年9月25日に登録出願、第41類「金融・税務・法務等に関する知識の教授,ファイナンシャルプランナ―に関する検定及び認定」を指定役務として、同7年8月31日に設定登録され、その後、同17年5月31日に商標権の存続期間の更新登録がされ、現に有効に存続しているものである。

(2)具体的理由

ア 商標法第4条第1項第11号該当性について

本件商標は、その構成における上段と下段とは、文字の種類やサイズが異なることから、上段の「一般社団法人 日本IFP協会」と下段の「JAPAN INDEPENDENT FINANCIAL PLANNERS ASSOCIATION」とは、分離して観察されるべきである。

そして、上段の「一般社団法人 日本IFP協会」における「一般社団法人」の部分は、自他役務識別力を有しないものとみなされるため、「日本IFP協会」の部分が商標としての要部である。

その場合、「日本IFP協会」と引用商標の「日本FP協会」とでは、「I」の一字が入るか否かの相違にすぎず、かつ、本件商標の構成中「IFP」の欧文字部分は、半角文字であること、また、後述するように「日本FP協会」が本件商標に係る役務分野に関して極めて著名であることを考慮すると、離隔観察を常とする商標の類否判断においては、本件商標に係る「日本IFP協会」の部分と引用商標とは、相紛らわしく看取され、類似している。

したがって、本件商標の指定役務中の「ファイナンシャルプランニングに関する知識の教授,ファイナンシャルプランナーの養成及び教育」に関しては、商標法第4条第1項第11号に該当する。

イ 商標法第4条第1項第15号該当性について

申立人は、ファイナンシャルプランニングの理念の確立と啓発・普及のため、その担い手となるファイナンシャル・プランナーの育成・組織化を図り、もって日本国経済並びに国民生活の向上に寄与することを目的とした非営利組織であり、1987年11月に創立され、2001年6月に特定非営利活動法人に認証され、2012年10月1日時点での個人会員数は、189,632名、法人賛助会員数81社(認定教育機関数48社)であり、この分野では、国内で最大の組織となっている。

また、ファイナンシャル・プランナーに関する世界共通水準の資格であるCFP資格を認定する唯一の国内機関であることもあって、「日本ファイナンシャル・プランナーズ協会」及びその略称である「日本FP協会」の名称は、ファイナンシャル・プランニングに係る分野において極めて著名である。

ちなみに、申立人は、「ファイナンシャル・プランナーズ協会」及び「FP協会」の商標についても商標登録を受けており(甲第4号証及び甲第5号証)、また、特定非営利活動法人日本ファイナンシャル・プランナーズ協会のウェブサイトからも、各事業内容が広範に実施されていることが確認できる。

以上の実情から、本件商標は、その指定役務について使用された場合には、「日本FP協会」と「日本IFP協会」の類似性や、「日本ファイナンシャル・プランナーズ協会」と「JAPAN INDEPENDENT FINANCIAL PLANNERS ASSOCIATION」」の観念的な共通性により、該指定役務が申立人の役務に係るものであるかの如く誤信されるおそれがあり、また、該指定役務が申立人との間に密接な事業上又は組織上の関係がある事業主の業務に係る役務であると誤信させるおそれがある。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。

3 当審の判断

(1)商標法第4条第1項第11号該当性について

本件商標は、前記1のとおり、「一般社団法人 日本IFP協会」の文字及び「JAPAN INDEPENDENT FINANCIAL PLANNERS ASSOCIATION」の欧文字を上下2段に書してなるところ、下段の欧文字は、上段の「日本IFP協会」を英文表記したものと容易に認識され、全体として法人の名称を表したものと看取されるといえる。 そして、上段の文字の構成中、「一般社団法人」の文字は、法人の種類を表すものであるから、これに接する取引者、需要者は、該文字を略して取引に資されることが多いものといえる。

そうとすると、本件商標は、その構成中、「日本IFP協会」の文字に着目して取引されるとみるのが相当であって、該構成文字から、「ニホンアイエフピイキョウカイ」の称呼が生じ、また、「日本IFP協会」の観念を生じるものである。

一方、引用商標は、「日本FP協会」の文字を書してなるところ、その構成文字から、「ニホンエフピイキョウカイ」の称呼を生じ、「日本FP協会」の観念を生じるものである。

そこで、本件商標と引用商標との類否についてみると、本件商標と引用商標とは、2段に表された本件商標において明確に区別し得るばかりでなく、本件商標の要部として抽出される「日本IFP協会」においても「I」の文字の有無について容易にその差異を認識できるものであるから、両者は、外観上、判然と区別し得るものといえる。

次に、本件商標から生じる「ニホンアイエフピイキョウカイ」の称呼と引用商標から生じる「ニホンエフピイキョウカイ」の称呼とは、構成音数及び音構成において「ニホン」に続く「アイ」の音の有無という顕著な差異を有するものであるから、明確に聴別することができ、本件商標から生じるその余の称呼について比較すべくもなく、引用商標とは、称呼上、区別し得るものである。

さらに、本件商標は、その全体の文字から、法人の名称としての「日本IFP協会」の観念が生じるのに対し、引用商標からは「日本FP協会」の観念を生じるものであるから、本件商標と引用商標とは、観念において類似しない。

以上からすると、本件商標と引用商標とは、指定役務の類否について判断するまでもなく、外観、称呼及び観念のいずれの点においても互いに紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。

(2)商標法第4条第1項第15号該当性について

ア 引用商標の著名性

申立人の提出した甲第1号証ないし甲第5号証は、本件商標の商標公報写し(甲第1号証)、引用商標の商標公報及び登録原簿写し(甲第2号証及び甲第3号証)、申立人の登録商標「ファイナンシャル・プランナーズ協会」及び「FP協会」の商標公報写し(甲第4号証及び甲第5号証)であって、また、職権をもって調査しても、引用商標が著名であることを裏付ける証拠は見いだせない。

そうとすると、引用商標が申立人役務を表示するものとして、本件商標の登録出願日(平成24年11月9日)及び登録査定日(同25年4月5日)の時点において、需要者の間に広く認識されていたものと認めることは、困難であるといわざるを得ない。

イ 出所の混同

前記アのとおり、引用商標は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、需要者の間に広く認識されていたものと認めることはできない。加えて、前記(1)認定のとおり、本件商標と引用商標とは、非類似の商標である。

してみると、本件商標に接する需要者が引用商標を想起又は連想することはないというべきであるから、本件商標は、これをその指定役務について使用した場合、申立人又は申立人と何らかの関係を有する者の業務に係る役務であるかのように、役務の出所について混同を生ずるおそれのある商標ということはできない。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。

(3)むすび

以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号及び同項第15号のいずれの規定にも違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、維持すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

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