Trademark Appeal Case
外来語称呼の認定と類似性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2013−16117(T2013−16117/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は,「Feliz」の文字を標準文字で表してなり,第3類「化粧品」を指定商品として,平成24年11月30日に登録出願されたものである。
2 引用商標
原査定において,本願商標が商標法4条1項11号に該当するとして,本願の拒絶の理由に引用した登録第1132859号商標(以下「引用商標」という。)は,「フエリス」の文字を横書きしてなり,昭和46年6月11日に登録出願,第4類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として,同50年7月17日に設定登録され,その後,3回にわたり商標権の存続期間の更新登録がされ,さらに,指定商品については,平成17年9月14日に,第3類「せっけん類,歯磨き,化粧品,植物性天然香料,動物性天然香料,合成香料,調合香料,精油からなる食品香料,薫料」及び第30類「食品香料(精油のものを除く。)」に指定商品の書換登録がされたものであり,現に有効に存続しているものである。
3 当審の判断
(1)本願商標について
本願商標は,前記1のとおり,「Feliz」の文字を標準文字で表してなるものであるところ,「Feliz」は,スペイン語で「フェリス」と読まれ,「幸福な」等の意味を有する(「現代スペイン語辞典(改訂版)」白水社)ものであるが,スペイン語が,我が国において,一般にはもとより,本願商標の指定商品の分野においても,なじまれているとはいい難いことから,本願商標が上記観念を生ずるとはいえないものの,「Feliz」(feliz)の文字が,「フェリス」の読みで使用されている事実が,以下のとおり見受けられることからすると,本願商標は,その構成文字に応じて「フェリス」と称呼されることも決して少なくないものといえるから,「フェリス」の称呼を生ずるものというのが相当である。
ア 「ナチュラルメイクサロンフェリス」のウェブサイト
「愛知県岡崎市にあるアートメイクより自然なナチュラルメイクサロン『Feliz』(フェリス)」と記載されている(http://feliz-beauty.com/)。
イ 「Salon de Feliz −サロン・ド・フェリス−」のウェブサイト
「アートメイク&まつげエクステ専門店。」「Salon de Feliz −サロン・ド・フェリス−」と記載されている(http://www.3d-make.com/)。
ウ 「Feliz HAIR&MAKE フェリス」のウェブサイト
「坂井市の美容室/ヘアサロン ヘアーアンドメイクフェリス (HAIR&MAKE Feliz)」と記載されている(http://www.fukui-salon.com/feliz/)。
エ 「ファインメイクサロン『la fuente feliz』のファインメイク施術例」のウェブサイト
「お問い合わせ」「北海道江別市 la fuente feliz(ラ フエンテ フェリス)」と記載されている(http://lafuentefeliz131.blog116.fc2.com/)。
オ 「いいもの見つけた! Online Shop」のウェブサイト
「限定化粧筆4本セットFeliz(フェリス) 」「Feliz(フェリス) 」と記載されている(store.shopping.yahoo.co.jp/emonostore/feliz101.html)。
カ 「Kirei Style」のウェブサイト
「フェリス Feliz(フェリス)」「フェリス Felizのネイルサロンのおすすめポイント」と記載されている(http://kirei.woman.excite.co.jp/t_salon/relax/salon/H000195853)。
キ 「ホットペーパービューティー」のウェブサイト
「ebata feliz 一之江店 エバタ フェリス イチノエテン」「オフィスネイルからブライダルネイルまでこなす実力派ネイリストがあなたの“なりたい”を叶えてくれます」と記載されている(http://beauty.hotpepper.jp/kr/slnH000196670/)。
(2)引用商標について
引用商標は,「フエリス」の文字を横書きしてなるものであるから,これより「フエリス」の称呼を生じ,「フエリス」は,辞書等に掲載の見受けられない一種の造語と認められるから,特段の観念を生じないものである。
(3)本願商標と引用商標の類否について
本願商標と引用商標は,外観上は,上記(1)及び(2)のとおり,差異を有するものであり,観念上は,両商標共に特段の観念を生じないから,比較することができない。
また,本願商標から生ずる称呼「フェリス」と引用商標から生ずる称呼「フエリス」を比較するに,両者は,語頭において「フェ」と「フエ」に差異を有し,他の構成配列音を共通にするものである。
そして,簡易,迅速を尊ぶ取引の実際にあっては,「フエ」の音は,「フ」,「エ」と1音ずつ明確に発音されるというより,「フ」の母音(ウ)とこれに続く「エ」(e)とが二重母音となり,「フェ」の音に近似した音として発音,聴取される場合が少なくないものといえるから,この差異が本願商標と引用商標の両称呼に与える影響は決して大きいものとはいえず,両称呼をそれぞれ一連に称呼するときは,語感,語調が極めて近似したものとなり,称呼上互いに聞き誤るおそれがあるものといわなければならない。
してみれば,本願商標と引用商標は,その外観においては差異を有し,観念においては比較できないとしても,称呼において極めて近似するものであるから,これらを総合的に勘案すれば,互いに類似の商標というのが相当である。
(4)本願商標の指定商品と引用商標の指定商品との類否について
本願商標及び引用商標の指定商品は,前記1及び2のとおりであり,本願商標の指定商品は,引用商標の指定商品中「化粧品」と同一のものである。
(5)小括
以上からすれば,本願商標は,引用商標に類似する商標であり,かつ,引用商標の指定商品と同一の商品について使用をするものであるから,商標法4条1項11号に該当する。
(6)請求人の主張について
請求人は,「Feliz」はスペイン語・ポルトガル語で「幸せな」の意味を有する語であり,「フェリース」の称呼を生じ,「幸せな」ほどの観念を生ずる一方,引用商標は,「株式会社フエリス」の略称との観念を生ずることなどを根拠として,本願商標と引用商標は互いに非類似である旨主張する。
しかしながら,「Feliz」の語がスペイン語・ポルトガル語で「幸せな」の意味を有し,「フェリース」と発音される場合があり,また,引用商標が引用商標権者の略称であるとしても,請求人は,これらが需要者に理解,把握されているという証拠を何ら提出していないし,職権調査によっても,「Feliz」の語が,スペイン語やポルトガル語として,直ちにその意味等を把握させるほど,広く知られているというに足る事実及び引用商標が引用商標権者の略称として需要者に理解されているというべき事実は見いだせない。
一方,「Feliz」(feliz)が「フェリス」と読まれて使用されている事実は,原審で示した事実のほか,上記(1)のとおり見受けられるものである。
そうすると,本願商標は,「フェリス」の称呼を生じ,特段の観念を生じないものであり,引用商標は,「フエリス」の称呼を生じ,特段の観念を生じないものというのが相当であるから,請求人の上記主張は採用できない。
(7)結語
以上のとおりであるから,本願商標が商標法4条1項11号に該当するとして本願を拒絶した原審の判断は,妥当であって,原査定を取り消すことはできない。
よって,結論のとおり審決する。
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