sokuhyo

Trademark Appeal Case

造語の称呼外観類似

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2013−13187(T2013−13187/J1)
審判種別不服
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

原査定を取り消す。
本願商標は、登録すべきものとする。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「エルミン」の片仮名を標準文字で表してなり、第1類「化学品」を指定商品として、平成24年8月29日に登録出願されたものである。

2 引用商標

原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するものとして、拒絶の理由に引用した登録商標は、以下のとおりであり、現に有効に存続しているものである。

(1)登録第537909号の2商標(以下「引用商標1」という。)は、「エリミン」の片仮名及び「ERIMIN」の欧文字を上下二段に横書きしてなり、昭和33年6月24日に登録出願、第1類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同34年6月29日に設定登録された登録第537909号商標の商標権の分割に係るものであって、第1類「化学品」を指定商品として、同60年12月23日に商標権の分割移転の登録がされたものである。その後、該指定商品については、平成21年6月3日に指定商品を第1類「化学品(ただし界面活性剤及び化学剤を除く。),イオン交換樹脂,イオン交換樹脂膜,化学用試剤,還元剤,酸化剤,漂白剤(洗濯用のものを除く。)」とする指定商品の書換登録がされたものである。

(2)登録第4168776号商標(以下「引用商標2」という。)は、「ELIMIN−OX」の欧文字を横書きしてなり、平成9年3月6日に登録出願、第1類「ボイラー用水の酸素除去剤,金属不動態化剤,その他の化学品」を指定商品として、同10年7月17日に設定登録されたものである。

(以下、引用商標1及び引用商標2をまとめていうときは、単に「引用商標」という。)

3 当審の判断

(1)本願商標

本願商標は、前記1のとおり、「エルミン」の片仮名を標準文字で表してなるところ、該文字は、辞書類に「オコジョ。また、その毛皮。」程の意味を有する英語「ermine」(アーミン)に照応する仏語「hermine」の読みを片仮名表記したものとして載録されていることがうかがわれるものの、我が国における仏語の普及の程度及び辞書類における載録の仕方に照らせば、我が国において一般に知られたものとはいい難い。

そうとすれば、本願商標は、これに接する者をして、上記仏語の読みを片仮名表記したものとして看取、理解されるというよりは、むしろ特定の意味を有しない造語の一種として認識されるとみるのが相当である。

してみれば、本願商標は、その構成文字に相応する「エルミン」の称呼を生じ、特定の観念を生じることのないものである。

(2)引用商標

ア 引用商標1は、前記2(1)のとおり、「エリミン」の片仮名及び「ERIMIN」の欧文字を上下二段に横書きしてなるところ、該各文字の配置に照らせば、上段に位置する片仮名は、下段の欧文字の読みを特定したものと無理なく認識できるものであり、また、該各文字は、いずれも辞書類に載録されている成語とは認められず、かつ、特定の意味合いを有する語として一般に親しまれたものともいえないものである。

してみれば、引用商標1は、その構成文字に相応する「エリミン」の称呼を生じ、特定の観念を生じることのないものである。

イ 引用商標2は、前記2(2)のとおり、「ELIMIN」の欧文字と「OX」の欧文字とを「−」(ハイフン)で結合して「ELIMIN−OX」と横書きしてなるところ、その構成中の「ELIMIN」の欧文字は、辞書類に載録されている成語とは認められず、かつ、特定の意味合いを有する語として、一般に親しまれたものともいえないものである。

また、引用商標2の構成中の「OX」の欧文字は、「雄牛」の意味を有する英語である一方、欧文字2字の組合せからなる標章が、様々な業界分野において、自己の製造、販売に係る各種製品についての管理又は取引の便宜性等の観点から、商品の品番又は規格等を表示するための記号、符号として、取引上普通に採択、使用されているという実情が存することをも併せ考慮した場合、上記のとおり、特定の意味合いを有しない「ELIMIN」の欧文字と「−」(ハイフン)で結合し、同じ書体及び大きさで等間隔に表してなる構成態様からなる引用商標2にあっては、該欧文字部分は、上記英語を表したものとして認識されるというよりは、むしろ上記記号、符号の一類型として看取、理解されるとみるのが相当である。

そうとすると、引用商標2は、これに接する者をして、「ELIMIN」の欧文字に品番等を表示する記号等としての「OX」の欧文字を「−」(ハイフン)を用いて結合してなるものと認識され得るから、その構成中の「ELIMIN」の欧文字部分が、自他商品の識別に当たり、より強い印象を与えるものといえる。

してみれば、引用商標2は、その構成全体に相応する「エリミンオーエックス」の称呼を生じるほか、その構成中の「ELIMIN」の欧文字部分に相応する「エリミン」の称呼をも生じ、特定の観念を生じることのないものである。

(3)本願商標と引用商標の類否について

ア 外観

本願商標と引用商標とは、それぞれ上記(1)及び(2)に記載のとおりの構成からなるものであって、その文字構成において、明らかな差異を有するものであるから、外観上、両商標が相紛れるおそれはない。

イ 称呼

(ア)本願商標から生じる「エルミン」の称呼と引用商標1から生じる「エリミン」の称呼とを比較すると、両称呼は、いずれも4音という短い音構成からなるものであって、その第2音目において、「ル」の音と「リ」の音との差異を有するものであるところ、該差異音は、いずれも有声の弾音であって、響きが強く、明瞭に聴取され得るものである上、それぞれの調音の方法の違いにより、聴者に対し、少なからず異なった印象を与え得るものであることからすれば、該差異音が称呼全体に与える影響は少なくなく、それぞれを一連に称呼するときは、語調、語感が相違し、互いに聴き誤るおそれはない。

(イ)本願商標から生じる「エリミン」の称呼と引用商標2から生じる「エリミンオーエックス」の称呼とを比較すると、両称呼は、その音の構成及び数において、差異を有するものであるから、それぞれ一連に称呼するときは、容易に聴別し得るものである。

また、本願商標から生じる「エルミン」の称呼と引用商標2から生じる「エリミン」の称呼との比較については、その対比する称呼が上記(ア)における場合と同じであることから、それと同様に、互いに聴き誤るおそれはない。

ウ 観念

本願商標と引用商標とは、いずれも観念を生じることのないものであるから、観念上、両商標を比較することはできない。

エ 小括

上記アないしウによれば、本願商標と引用商標とは、外観及び称呼において相紛れるおそれはなく、観念においては比較することができないものであって、ほかに、両商標を同一又は類似の商品に使用したときに相紛れるおそれがあるとみるべき特段の事情も見いだし得ないから、両商標は、非類似の商標であるといわなければならない。

(4)まとめ

したがって、本願商標と引用商標とが称呼において類似する商標であるとし、本願商標を商標法第4条第1項第11号に該当するとした原査定は、取消しを免れない。

その他、本願について拒絶の理由を発見しない。

よって、結論のとおり審決する。

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