Trademark Appeal Case
「プラス鉄分」の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2013−8264(T2013−8264/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「プラス鉄分」の文字を標準文字で表してなり、第5類「薬剤(農薬に当たるものを除く。),サプリメント,食餌療法用食品,食餌療法用飲料」及び第32類「飲料用青汁,粉末状の飲料用青汁のもと,清涼飲料,果実飲料,飲料用野菜ジュース,乳清飲料」を指定商品として、平成24年8月6日に登録出願されたものである。
2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、『プラス鉄分』の文字を書してなるところ、これは、『鉄分をプラスした』という意味を容易に理解させるものであり、また、鉄分を配合した薬剤、サプリメント、食品等が存在することに照らせば、本願商標を、その指定商品中、『鉄分を配合した商品』に使用するときは、これに接する取引者、需要者は、単にその商品が『鉄分をプラスした商品』であることを表したものと理解するにとどまるものであるから、結局、本願商標は、商品の品質、原材料を表示してなるにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、上記商品以外の商品に使用するときは、鉄分を配合した商品であるかのように商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるので、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審においてした証拠調べ
当審において、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するか否かについて、職権に基づく証拠調べをした結果、別掲に示す事実を発見したので、同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき、請求人に対して、平成25年10月8日付け証拠調べ通知書によって、これを開示し、期間を指定して、意見を述べる機会を与えた。
4 請求人の意見
前記3の証拠調べに対し、請求人は、何ら意見を述べていない。
5 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号該当性について
本願商標は、「プラス鉄分」の文字を標準文字で表してなるところ、本願の指定商品を取り扱う業界においては、原審における拒絶査定において示した例並びに別掲1及び2に示すとおり、体内の鉄分を補給するための商品が少なからず取引されており、そのような鉄分補給のための商品について、「鉄分プラス」又は「+鉄分」の文字が、「鉄分を加えた」程の意味合いで広く使用されている実情が認められる。また、別掲3に示すとおり、体内において必要な成分を補給するための商品について、「プラス○○」(○○は成分の名称)の文字が、「○○を加えた」程の意味合いで、例えば「プラスカルシウム」や「プラスビタミン」のように一般に広く使用されている実情が認められる。
そうとすれば、本願商標は、これに接する取引者、需要者をして、「鉄分を加えた」程の意味合いを容易に認識するものというのが相当であるから、本願商標を、その指定商品中、「鉄分を加えた商品」に使用するときは、単にその商品の品質を普通に用いられる方法で表示するにすぎず、また、上記以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるものというべきである。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する。
(2)請求人の主張について
請求人は、本件審判の請求に当たり、本願商標の「プラス鉄分」の文字を使用している事例は見いだせず、また、「鉄分をプラスした」という意味合いで用いる場合は、「鉄分プラス」が一般的であるから、本願商標は、特定の内容を直接的、具体的に表示するものとは認め難く、商品の品質、原材料を表示したものと認識されるとはいい難い旨主張する。
しかしながら、商標法第3条第1項第3号の商品の品質に該当するというには、我が国の取引者、需要者が商品の品質を表示するものとして認識するものであれば足りるといえるものであり、実際に商品の品質を表示するものとして使用されていることまでは必要としないと解される(東京高裁平成12年(行ケ)第76号、同年9月4日判決参照)ところ、本願商標については、その構成態様及びその指定商品に係る取引の実情を踏まえれば、これに接する取引者、需要者をして、商品の品質を表示するものとして認識されること、上記(1)のとおりであり、ほかにこれを左右する特段の事情も見いだせないから、請求人の上記主張は採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標が、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものとして本願を拒絶した原査定は、妥当なものであり、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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