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Trademark Appeal Case

称呼の類似性と周知商標

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2013−900197(T2013−900197/J7)
審判種別異議
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

登録第5565555号商標の商標登録を取り消す。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第5565555号商標(以下「本件商標」という。)は、「TIFFANIA」の文字を標準文字により表してなり、第3類「せっけん類,化粧品,化粧用マスク」を指定商品として、平成24年10月24日に登録出願、同25年2月19日に登録査定、同年3月15日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由(要旨)

本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反してされたものであるから、その登録は取り消されるべきものである。

3 本件商標に対する取消理由(要旨)

商標権者に対して、平成25年11月7日付けで通知した本件商標の取消理由(要旨)は、次のとおりである。

(1)登録異議申立人(以下「申立人」という。)の業務に係る商標の周知・著名性について

ア 申立人の主張及び提出に係る証拠によれば、次の事実が認められる。

(ア)申立人であるティファニー,アンド,カンパニー(Tiffany & Co.)は、1837年に創業、申立人の作品がパリとロンドンで万国博覧会賞を受賞するなど、1870年代までに申立人のジュエリーデザインに対する名声と人気は広がった。申立人は、ニューヨーク五番街にジュエリー、銀食器などを取り扱う本店を構えているところ、1961年には、ティファニーのニューヨークスタイルを表現した、パラマウント社制作、オードリー・ヘップバーン主演の映画「ティファニーで朝食を」が公開され、同映画においては、ニューヨーク本店のショーウィンドウの前で撮影されたシーンも登場している。また、申立人は、南北戦争時代には式典用の剣を製作し、米国の議会勲章や米ドル紙幣のデザインのほか、大統領の依頼を受け、ホワイトハウスで使用される陶器、要人たちへの贈物やファーストレディのためのジュエリーのデザインも行ってきた。

さらに、1世紀以上にわたり、上記「ティファニーで朝食を」に主演したオードリー・ヘップバーンを始め、エリザベス・テイラーやジャッキー・ケネディ・オナシスなどの著名人が申立人のアクセサリーを選び、今日でも、ケイト・ウィンスレットやアンジェリーナ・ジョリーなどメディアや映画等に登場する著名人が申立人のアクセサリーを身につけていることが、申立人のウェブサイトに掲載されている。

申立人は、ジュエリー、銀食器のほか、時計、文房具、数々のスポーツトーナメントのためにトロフィーなどの製作も行っている(以上甲3ないし甲6)。

(イ)我が国においては、1972年、三越日本橋店を第1号店とし、現在では、日本全国に60以上の店舗を展開するに至っており(甲7)、申立人の取り扱う商品は、貴金属、宝石などのアクセサリーをはじめ、香水、時計、被服、かばん類、食器、文房具類など幅広い分野におよび、これらの商品が、「Tiffany(ティファニー)」の表示とともに、「日本で買える世界の特選品(昭和52年発行)」(甲8)、「世界の特選品’89」(甲9)、「同’93」(甲10)、「世界のブランド大全集’95」(甲11)、「世界の特選品情報’95」(甲12)に掲載されている。また、これら雑誌における商品の紹介欄に、「(宝石の紹介欄において)1837年、チャールズ・L・ティファニーが設立したといいますから、合衆国の伝統ある店の代表といえましょう。」(甲8)、「(カフリンク、タイピンの紹介欄において)ニューヨーク、マンハッタンのこの店で買い物をすることは夢、という男女が世界中に。150年の歴史。」(甲9)、「(銀器の紹介欄において)...ホワイトハウスのVIP用ディナーセットもティファニー製。」(甲9)及び「(ネックレス等の紹介欄において)...女性たちのステイタスシンボルでもあります。妥協のない美と品質の追求が、150年にわたり国際的評価を得てきました。」(甲10)との記載が見受けられるほか、一般的な辞書においても、「ティファニー【Tiffany】ニューヨークにある貴金属・宝石店」(甲14 広辞苑)、「Tiffany ...3〔商標〕ティファニー(NewYork市Manhattanの5番街に本店がある宝飾店Tiffany&Co.のブランド;同店は1837年...が創業」(甲15 リーダーズ英和辞典)及び「ティファニー[Tiffany] 米国ニューヨークの貴金属・宝石店。1837年にC.L.ティファニーが開いた。」(甲16 コンサイスカタカナ語辞典)のように掲載されている。

(ウ)申立人の業務に係る商品や包装並びに店舗、ウェブサイト及びパンフレットには、申立人の名称を表す「TIFFANY & Co.」のほか、「Tiffany」(音表記である「ティファニー」の文字を含む。)」の文字(以下「申立人商標」という。)が表示されている。

イ 上記(ア)ないし(ウ)からすると、申立人商標は、申立人の社名「Tiffany & Co.」の略称といい得るものであり、日本において、申立人の商品「貴金属、宝石」等が申立人商標とともに、昭和52年(1977年)には日本で買える世界の特選品として雑誌に紹介され、その後も世界の特選品として雑誌に紹介され、現在、申立人の店舗が北海道から沖縄まで60以上展開されていることからすると、日本において、申立人商標は、遅くとも1972年の第1号店開店から現在に至るまで、継続して使用されてきたと推認されるものであり、申立人及び申立人の業務に係る商品を表示するものとして、長年にわたり使用されてきていることが認められる。

そうすると、申立人商標は、申立人により長年使用されてきた結果、本件商標の登録出願時及び登録査定時には、申立人の業務に係る「貴金属、宝石」等の出所を表すものとして、一般の需要者に広く知られていたといえるものである。

(2)本件商標と申立人商標の類似の程度について

ア 本件商標について

本件商標は、「TIFFANIA」の文字を標準文字により表してなるところ、辞書等に掲載されていない造語といえるものであって、特定の観念を生じるものではなく、構成文字に相応した「ティファニア」の称呼を生じる。

イ 申立人商標について

申立人商標「Tiffany」は、その構成文字に相応して「ティファニー」の称呼を生じ、上記3のとおり、「ニューヨークにある貴金属・宝石店。」あるいは当該宝石店に係る貴金属や宝石等の出所を表すものとしてよく知られているといえるものであるから、「ニューヨークにある貴金属・宝石店」の観念を生じる。

ウ 本件商標と申立人商標の類否について

本件商標は、構成する8文字中の6文字を申立人商標と共通にし、その差異は、大文字と小文字及び末尾にある「IA」と「y」のみであることから、両商標は、外観上近似した印象を与えるものといえ、本件商標から生じる「ティファニア」の称呼と申立人商標から生じる「ティファニー」の称呼は、聴く者の記憶にとどまり易い語頭を含む3音までを共通にし、末音の「ア」と「(前音『ニ』の)長音」の音に差異を有するのみであることから、称呼においても紛らわしい場合があるといえるものである。また、本件商標は、特定の観念を生じるものでないことから、申立人商標と観念において比較することはできない。

以上を総合的に考察すると、本件商標と申立人商標とは、外観及び称呼において近似した印象を与えるといえるものである。

(3)本件商標の指定商品と申立人の業務に係る商品との関連性の程度

本件商標の指定商品は、「せっけん類,化粧品,化粧用マスク」であるところ、これらの相当部分の商品の主な需要者は、おしゃれやファッションに関心の高い女性であり、その用途は女性を装飾するものといえるものである。他方、申立人の業務に係る貴金属や宝石なども、女性を装飾するファッション関連商品であり、その主な需要者もまたおしゃれやファッションに関心の高い女性といえる。

そうすると、本件商標の指定商品と申立人の業務に係る商品とは、相当な部分において女性の装飾という用途及び需要者を共通にするといえることから、互いに密接な関連性を有する商品といえるものである。

(4)出所の混同のおそれ

以上のとおり、申立人商標は、申立人が貴金属や宝石を始めとするファッション関連商品などに、申立人及び申立人の商品を表示するものとして長年使用されてきた結果、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、一般の需要者に広く知られていたものであり、本件商標と外観及び称呼において近似するものである。

そして、本件商標の指定商品と申立人の業務に係る商品とが密接な関連性を有するものであることに加え、申立人は、貴金属や宝石のほか、本件指定商品に属する「香水」を始め、スカーフ、食器、文房具、時計など幅広い分野の商品に申立人商標を使用していることを考慮するならば、本件商標をその指定商品について使用した場合、これに接する需要者は、申立人商標又は申立人を想起、連想し、これらの商品が申立人又は申立人と経済的、組織的に何等かの関係がある者の業務に係る商品であるかのごとく、その出所について混同を生ずるおそれがあると判断するのが相当である。

したがって、本件商標は、その登録出願時及び登録査定時において、商標法第4条第1項第15号に該当するものであったというべきである。

4 商標権者の意見

本件商標について、前記3の取消理由を通知し、相当の期間を指定して意見書を提出する機会を与えたが、商標権者は、何ら意見を述べていない。

5 当審の判断

本件商標についてした前記3の取消理由は、妥当なものと認められるものである。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものであるから、同法第43条の3第2項により、その登録を取り消すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

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