Trademark Appeal Case
結合商標の称呼・観念
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2013−900300(T2013−900300/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第5592152号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおりの構成からなり、平成25年1月28日に登録出願、第33類「ワイン,日本酒,洋酒,果実酒,酎ハイ,中国酒,薬味酒」を指定商品として、同年5月7日に登録査定、同年6月21日に設定登録されたものである。
2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、登録異議の申立ての理由として引用する登録商標は、以下の2件であり、いずれも現に有効に存続しているものである。
(1)登録第2658397(以下「引用商標1」という。)は別掲2のとおりの構成からなり、昭和58年7月13日に登録出願、第28類「酒類」を指定商品として、平成6年5月31日に設定登録され、その後、平成16年3月31日に、指定商品を第32類「ビール」及び第33類「日本酒,洋酒,果実酒,中国酒,薬味酒」とする指定商品の書換登録がされたものである。
(2)登録第2642385号商標(以下「引用商標2」という。)は、「Kay」の欧文字と「ケイ」の片仮名を二段に横書きしてなり、平成3年9月12日に登録出願、、第28類「酒類」を指定商品として、平成6年3月31日に設定登録され、その後、平成17年9月28日に、指定商品を第32類「ビール,ビール風味の麦芽発泡酒」及び第33類「日本酒,洋酒,果実酒,中国酒,薬味酒」とする指定商品の書換登録がされたものである。
以下、引用商標1及び引用商標2をまとめていうときは「引用商標」という。
3 登録異議申立ての理由
申立人は、本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当するから、同法第43条の2第1号により、その登録は取り消されるべきであると申立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第4号証を提出した。
(1)具体的理由
本件商標は、別掲1のとおり、横書きの特定な観念を表さない「k e i」の欧文字と、顕著な観念を有する「京」の漢字を上下二段に配した構成よりなり、一見して視別認識できる異なる文字種の欧文字と漢字が、上下に分断して配された構成よりなるから、まず、視覚上、各部分が分離・独立して看取され、それぞれの部分についての観念が認識されるとみられるものである。
したがって、本件商標は、上段と下段のそれぞれの部分は独立して自他商品識別標識としての機能を果たす部分と認められ、欧文字で表された上段の「k e i」の文字は、これに照応した「ケイ」の称呼を生ずる文字とみられるとともに、下段の漢字で表された「京」の文字からは、「キョウ」または「ケイ」の称呼とともに、「みやこ。小高い丘。数の名。」等の観念を生ずるものである。
一方、引用商標1は、別掲2のとおり、大きく表された「京」の文字の下に、小さく「松竹梅」の文字を縦書きした構成よりなり、上に大書で配された「京」の文字と、その下に配された「松竹梅」の文字とは、文字の大きさ、書体が顕著に異なり、それぞれの部分が分離・独立して看取されるものである。
したがって、引用商標1は、「京」の文字部分より、これに照応した「キョウ」または「ケイ」の称呼と、「みやこ。小高い丘。数の名。」等の観念を生ずるものである。
また、引用商標2は、「Kay」の欧文字と、「ケイ」の片仮名を上下二段に横書きした構成よりなり、上段の「Kay」及び下段の「ケイ」の文字より、これに照応した「ケイ」の称呼を生ずるものである。
してみれば、本件商標は、引用商標1について、「キョウ」または「ケイ」の称呼と「みやこ。小高い丘。数の名。」等の観念を共通にし、かつ、顕著に表された「京」の構成文字も共通にする類似の商標である。
また、本件商標は、引用商標2について、「ケイ」の称呼を共通にする類似の商標である。
そして、本件商標の指定商品は、引用商標の指定商品と抵触する。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(2)むすび
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当し、商標登録を受けることができないものであるから、同第43条の2第1号によりその登録は取り消されるべきものである。
4 当審の判断
申立人は、本件商標が商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであると主張しているので、以下、本件商標と引用商標の類否について検討する。
(1)本件商標について
本件商標は、別掲1に示すように、「k e i」の欧文字と「京」の漢字一文字とを上下二段に表した構成よりなり、上段の「k e i」の欧文字が、下段の「京」の漢字の読みを特定したものと無理なく認識し得るものであるから、これより「ケイ」の称呼を生じ、「数の単位」の観念を生ずるものである。
(2)引用商標について
ア 引用商標1は、別掲2に示すように、大きく表した「京」の漢字と筆書き風の「松竹梅」の漢字を縦書きした構成よりなり、その構成中の「京」の漢字は、「松竹梅」の漢字より、大きく顕著に表されてなることから、視覚上、独立して看取されるものである。
そうとすれば、これに接する取引者、需要者は、該商標の構成中の顕著に表された「京」の漢字部分に着目して取引に当たる場合が少なくないというのが相当である。
してみれば、その構成中の「京」の漢字は、「東京(トウキョウ)」、「京都(キョウト)」など「キョウ」と称呼するのが自然であることから、「京」の漢字部分からは、「キョウ」の称呼を生じ、「みやこ」の観念を生ずるものである。
イ 引用商標2は、「kay」の欧文字と、「ケイ」の片仮名を上下二段に横書きした構成よりなり、下段の「ケイ」の片仮名が、上段の「kay」の欧文字の読みを特定したものと無理なく認識し得るものであるから、これより「ケイ」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
(3)本件商標と引用商標との類否
ア 本件商標と引用商標1との類否
(ア)外観
本件商標と引用商標1とは、それぞれの構成からして外観上大きく異なり、相紛れるおそれはない。
(イ)称呼
本件商標から生ずる「ケイ」の称呼と引用商標1から生ずる「キョウ」の称呼とは、互いに構成音が明らかに相違し、両商標を一連に称呼した場合であっても、十分に聴別し得るものである。
(ウ)観念
本件商標から生ずる「数の単位」の観念と引用商標1から生ずる「みやこ」の観念とは、それぞれ観念上、相紛れるおそれはない。
(エ)小括
以上のとおり、本件商標と引用商標1とは、外観、称呼及び観念のいずれの点からしても、相紛れるおそれのない非類似の商標である。
イ 本件商標と引用商標2との類否
(ア)外観
本件商標と引用商標1とは、それぞれの構成からして外観上大きく異なり、相紛れるおそれはない。
(イ)称呼
本件商標から生ずる称呼と引用商標2から生ずる称呼とは、「ケイ」の称呼を共通にするものである。
(ウ)観念
本件商標は「数の単位」の観念を生じ、引用商標2は特定の観念を生じないから、本件商標と引用商標2とは、観念上、相紛れるおそれはない。
(エ)小括
以上のとおり、本件商標と引用商標2とは、たとえ「ケイ」の称呼を共通にするとしても、外観において大きく異なり、観念においても、互いに相紛れるおそれのない商標であり、そして、両商標を同一又は類似の商品に使用した場合において、商品の出所について誤認混同を生じさせるおそれがあるとみるべき特段の事情は見いだせないから、本願商標と引用商標2とは、非類似の商標とみるのが相当である。
(4)まとめ
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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