Trademark Appeal Case
品質表示と識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2013−12300(T2013−12300/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、別掲1のとおりの構成からなり、第29類「肉製品」を指定商品として、平成24年7月3日に登録出願されたものである。
2 当審において通知した拒絶の理由
請求人に対して、平成25年11月8日付けで通知した拒絶の理由は、要旨次のとおりである。
本願商標は、普通に用いられる方法で表した「牛肉のロースト」の文字と「鮑醤油仕立て」(「鮑」の文字の上に「あわび」の振り仮名が付してある。以下同じ。)の文字を2段に表してなるところ、その構成中の「ロースト」の語は、「肉などをオーブンあるいは串に刺して直火であぶり焼きにすること。また、その料理。」の意味を有するものであり、また、「仕立て」の語は、「作り上げること」の意味を有するものであって、それぞれ食品を取り扱う業界において一般に広く使用されているものである。
そして、本願商標の構成中の「鮑醤油」に関しては、別掲2(1)に示す事実が認められるところ、これらの事実に照らせば、魚類や貝類を使用した魚醤油が調味料の一として存し、様々な魚や貝類を使用したものが広く製造、販売されており、その中には、鮑を使用した魚醤油を「鮑醤油」と称して製造、販売されている実情も認められる。
また、別掲2(2)に示す事実によれば、あぶり焼きにした牛肉を醤油で漬け込むなどして仕立てた商品が一般に広く販売されている。
そうとすると、本願商標の構成中「鮑醤油」の文字は、看者をして、「鮑を使用した魚醤油」を容易に認識させるといい得るものであるから、本願商標は、全体として、「あぶり焼きにした牛肉であって、鮑を使用した魚醤油で作り上げたもの」の意味合いを容易に認識するものというのが相当である。
したがって、本願商標を、その指定商品中、「あぶり焼きにした牛肉であって、鮑を使用した魚醤油で作り上げた商品」に使用するときは、単にその商品の品質を表示するにすぎないというべきであるから、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、また、上記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。
3 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号該当性について
本願商標は、別掲1のとおりの構成からなるところ、前記2の認定のとおり、その構成中の「牛肉のロースト」の文字部分及び「鮑醤油仕立て」の文字部分は、各構成文字の意味及び別掲2に示す商品を取り扱う業界における取引の実情を総合勘案すれば、全体として、「あぶり焼きにした牛肉であって、鮑を使用した魚醤油で作り上げたもの」の意味合いを容易に認識するものというのが相当であるから、これをその商品に使用した場合、単にその商品の品質を表示するにすぎず、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものである。また、上記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるものである。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する。
(2)請求人の主張について
ア 請求人は、本願商標の構成中の「鮑醤油」の語そのものは、用例が少なく、また、それらも知られているものではないため、自他商品の識別性を否定するのは妥当ではない旨主張するが、別掲2(1)に示したとおり、鮑を使用した「あわび醤油」と称される魚醤油が存するほか、様々な魚類や貝類を使用した魚醤油が、「○○(○○の部分は、魚類や貝類を表す文字)醤油」と称して広く製造、販売されている実情に照らせば、「鮑醤油」の文字に接する取引者、需要者は、これを、「鮑を使用した魚醤油」であると理解、認識するにとどまるというのが相当であり、ほかに、上記認定を左右する特段の事情は見当たらない。
イ 請求人は、「仕立て」の語を含む登録例を挙げ、本願商標も同様に自他商品の識別性を有する旨主張するが、登録出願に係る商標が商品の自他識別標識として機能しうるか否かは、該商標の構成態様と指定商品との関係や商品の取引の実情をも踏まえて個別具体的に判断されるべきものであるところ、本願商標は、その指定商品との関係では、「あぶり焼きにした牛肉であって、鮑を使用した魚醤油で作り上げたもの」であること、すなわち、単にその商品の品質を表示するにすぎず、自他商品の識別標識としての機能しないものであること、上記(1)のとおりであるから、該登録例をもってその判断が左右されることはない。
ウ 請求人は、本願商標を冠した肉製品が、2013年度モンドセレクションにおいて最高金賞を受賞したことも、本願商標が自他商品識別性を有していることの傍証となる旨を主張するが、該事実を考慮してもなお、本願商標が商品の自他識別標識として機能しているものと認めることはできず、ほかに、これを左右する特段の事情は見当たらない。
エ したがって、上記アないしウの請求人の主張は、いずれも採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものであり、本願を拒絶した原査定を、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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