Trademark Appeal Case
複合商標の要部と称呼
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2011−7459(T2011−7459/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、別掲1のとおりの構成よりなり、第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品として、平成14年12月27日に登録出願され、その後、原審における同18年3月29日付けの補正書により、本願指定商品が第25類「被服」に補正されたものである。
2 引用商標
原査定において、本願の拒絶の理由に引用した登録商標は、以下のとおりであり、その商標権は、いずれも現に有効に存続しているものである。
(1)登録第2634277号商標(以下「引用商標1」という。)は、「インディアンモーターサイクル」の片仮名を横書きしてなり、平成3年11月5日に登録出願、第17類「被服、その他本類に属する商品」を指定商品として、平成6年3月31日に設定登録され、その後、商標権の存続期間の更新登録がされたものである。そして、指定商品については、平成17年7月13日に指定商品を第5類「失禁用おしめ」、第9類「事故防護用手袋,防じんマスク,防毒マスク,溶接マスク,防火被服」、第10類「医療用手袋」、第16類「紙製幼児用おしめ」、第17類「絶縁手袋」、第20類「クッション,座布団,まくら,マットレス」、第21類「家事用手袋」、第22類「衣服綿,ハンモック,布団袋,布団綿」、第24類「布製身の回り品,かや,敷布,布団,布団カバー,布団側,まくらカバー,毛布」及び第25類「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,水泳帽,和服,エプロン,えり巻き,靴下,ゲートル,毛皮製ストール,ショール,スカーフ,足袋,足袋カバー,手袋,布製幼児用おしめ,ネクタイ,ネッカチーフ,バンダナ,保温用サポーター,マフラー,耳覆い,ずきん,すげがさ,ナイトキャップ,ヘルメット,帽子」とする書換登録がされたものである。
(2)登録第4751422号商標(以下「引用商標2」という。)は、別掲2のとおりの構成よりなり、平成6年9月21日に登録出願、第25類「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着」を指定商品として、平成16年2月27日に設定登録されたものである。
(3)登録第4751423号商標(以下「引用商標3」という。)は、別掲3のとおりの構成よりなり、平成6年9月21日に登録出願、第25類「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着」を指定商品として、平成16年2月27日に設定登録されたものである。
(4)登録第4751425号商標(以下「引用商標4」という。)は、別掲4のとおりの構成よりなり、平成9年1月14日に登録出願、第25類「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,和服,エプロン,えり巻き,靴下,ショール,スカーフ,手袋,ネクタイ,ネッカチーフ,マフラー」を指定商品として、平成16年2月27日に設定登録されたものである。
3 当審の判断
(1)本願商標について
本願商標は、別掲1のとおり、羽根飾りを冠した右向きのインディアンの図形及び該図形中に「Indian」の欧文字を表してなる部分(以下「本願ヘッドドレスロゴ」という。)と、さらにその下部に「Indian Motocycle Co.,Inc.」の欧文字を表した構成よりなるものである。
そして、上段の本願ヘッドドレスロゴと下段の「Indian Motocycle Co.,Inc.」の文字とは、その構成から視覚上、明確に分離して看取されるものであり、また、これらを常に一体不可分のものとして認識しなければならない格別の事情も見当たらないから、それぞれが独立して自他商品の識別機能を果たし得るものと認められる。
してみると、本願商標は、上段の本願ヘッドドレスロゴに表された「Indian」の欧文字より、「インディアン」の称呼が生じるものである。
さらに、下段の「Indian Motocycle Co.,Inc.」の文字中の「Co.,Inc.」の文字部分は、我が国における英語普及度から、これに接する一般の取引者、需要者は、株式会社等の法人組織を表す「Company Incorporated」の略語として認識し得るものであるから、「Indian Motocycle Co.,Inc.」を全体として把握し、認識し、称呼するとともに、「Co.,Inc.」を除く、「Indian Motocycle」の部分を一まとまりの語句として把握し、認識し、称呼することが十分あり得るものというべきである。
そうすると、本願商標からは、上段の「Indian」の欧文字より、「インディアン」の称呼が生じ、「下段の「Indian Motocycle Co.,Inc.」の文字に相応して、「インディアンモトサイクルシーオーインク」、「インディアンモトサイクルカンパニーインク」の称呼が生じるほか、「インディアンモトサイクル」の称呼をも生じるものと認められる。
次に、観念については、本願商標の構成中、上段の本願ヘッドドレスロゴから、「インディアン(アメリカの先住民)」の観念が生じるものである。
また、「オートバイで、舗装されていない山道や野原などを走るレース」が「モトクロス」と一般に称され、「moto」「モト」が「motor」「モーター」と同義でその略語として一般に使用されていること、「モーターサイクル」は、英語の「motorcycle」を語源とする、「オートバイ」「自動二輪車」を意味する外来語として一般的に認識、理解されていることが認められ、このような実情にかんがみれば,下段の「Indian Motocycle Co.,Inc.」の文字からは、「インディアンのオートバイ(自動二輪車)」及び「『インディアンモトサイクル』という名称のオートバイ(自動二輪車)を扱う会社」の観念が生じるものというべきである。
(2)引用商標1について
引用商標1は、「インディアンモーターサイクル」の片仮名を横書きしてなるから、「インディアンモーターサイクル」の称呼が生じること明らかである。
次に、観念については、その構成の前半部分「インディアン」からは「インディアン(アメリカの先住民)」の、後半部分「モーターサイクル」からは「オートバイ」「自動二輪車」の観念が生じることは前記(1)のとおりであるから、引用商標1全体としては、「インディアンのオートバイ(自動二輪車)」の観念が生じるものというべきである。
(3)引用商標2について
引用商標2は、別掲2のとおり、羽根飾りを冠した右向きのインディアンの黒塗り図形及び該図形中に「Indian」の欧文字を白抜きで表してなる部分(以下「引用2ヘッドドレスロゴ」という。)と、さらにその下部に「MOTOCYCLE」の欧文字を表した構成よりなるものである。
そして、引用2ヘッドドレスロゴと下段の「MOTOCYCLE」の文字とは、その構成から視覚上、明確に分離して看取されるものであり、また、これらを常に一体不可分のものとして認識しなければならない格別の事情も見当たらないから、それぞれが独立して自他商品の識別機能を果たし得るものと認められる。
さらに、インディアンの図形と「Indian」の文字は、ともに「インディアン(アメリカの先住民)」の観念を共通にするものであるから、引用商標2に接した取引者、需要者は、一般によく知られているインディアン(アメリカの先住民)を表した商標という印象を受けるものというべきである。
そうすると、その構成中の上段に表示された引用2ヘッドドレスロゴから、「インディアン」の称呼が生じるものであり、また、「インディアン(アメリカの先住民)」の観念が生じるものといわなければならない。
(4)引用商標3について
引用商標3は、別掲3のとおり、黒塗りの円形図形を背景として、その内側中央に、頭部の羽根飾りを前方に突出させた左向きのインディアンの図形(以下「引用3インディアン図形」という。)を配し、該図形の外側に配した白抜きの三重の円弧図形外周に沿って、「WORLDS FINEST MOTORCYCLE」の欧文字を表し、その下方に、黒塗りの長方形図形を背景として、「Indian」の欧文字を表し、さらに、その下に白抜きで「MOTOCYCLE」の欧文字を配した構成からなるものである。
そして、その構成において「Indian」の文宇と「MOTOCYCLE」の文字とは、常に一体不可分のものとして認識しなければならない格別の事情も見当たらないから、それぞれが独立して自他商品の識別機能を果たし得るものと認められる。
また、その構成中、「Indian」の文字は、「MOTOCYCLE」の文字と比して、その書体が大きく異なること、そして、文字の大きさも「Indian」の方がかなり大きいこと、さらに、「Indian」の文字と、その上部にあって、看者の注意を引く引用3インディアン図形は、ともに「インディアン(アメリカの先住民)」の観念を共通にするものであるから、引用商標3に接した取引者、需要者は、一般によく知られているインディアン(アメリカの先住民)を表した商標という印象を受けるものというべきである。
そうすると、その構成中の「Indian」の文字部分から、「インディアン」の称呼が生じるものであり、また、「Indian」の文字部分と引用3インディアン図形から、「インディアン(アメリカの先住民)」の観念が生じるものといわなければならない。
(5)引用商標4について
引用商標4は、別掲4のとおり、黒塗りの円形図形を背景として、その内側中央に、頭部の羽根飾りを前方に突出させた左向きのインディアンの図形(以下「引用4インディアン図形」という。)を配し、該図形の外周に沿って、「INDIAN MOTORCYCLE」の欧文字を表した構成からなるものである。
そうすると、その構成中の「INDIAN MOTORCYCLE」の文字部分より、「インディアンモーターサイクル」の称呼が生じるものである。
次に、観念については、その構成の前半部分「INDIAN」からは「インディアン(アメリカの先住民)」の、後半部分「MOTORCYCLE」からは「オートバイ」「自動二輪車」の観念が生じることは上記(1)のとおりであって、引用商標4全体としては、「インディアンのオートバイ(自動二輪車)」の観念が生じるものというべきである。
(6)本願商標と引用各商標との類否について
ア 本願商標と引用商標1及び引用商標4との類否について検討すると、上記のとおり、外観において、両者は、差異を有するものである。
次に、本願商標から生じる「インディアンモトサイクル」の称呼と引用商標から生じる「インディアンモーターサイクル」の称呼を比較すると、前部の「インディアン」及び後部の「サイクル」は共通であり、その中間において、前者の「モト」が、後者では「モーター」となっている点が相違するにすぎない。
そして、相違する称呼のうち、「モ」と「モー」の音は、単に長音を伴っているかどうかで相違するにすぎず、「ト」と「ター」の音も、長音を伴っているかどうかで相違し、「ト」と「タ」は母音において相違するが、いずれもタ行に属する同質音である。
そうすると、本願商標と引用商標を、それぞれ一連に称呼するときは、両者は、全体の音感、音調が近似した紛らわしいものとなることが明らかである。
したがって、本願商標と引用商標1及び引用商標4とは、称呼において類似するというべきである。
そして、観念において、両者は、ともに「インディアンのオートバイ(自動二輪車)」の観念が生じるものであるから、その観念を共通にするものである。
さらに、本願商標の指定商品と引用商標1及び引用商標4の指定商品とは、同一又は類似の商品と認められるものである。
そうすると、本願商標と引用商標1及び引用商標4とは、外観上の差異を考慮したとしても、観念を共通にし、称呼において類似するものであるから、互いに相紛らわしい類似の商標というのが相当である。
イ 本願商標と引用商標2との類否について検討すると、上記のとおり、外観において、本願商標構成中の本願ヘッドドレスロゴと引用商標2構成中の引用2ヘッドドレスロゴが線書きか黒塗りかに差異を有するものであるが、両者は、全体として構成の軌を一にするといえるものである。
次に、称呼において、両者は、ともに「インディアン」の称呼が生じるものであるから、その称呼を共通にするものである。
そして、観念において、両者は、ともに「インディアン(アメリカの先住民)」の観念が生じるものであるから、その観念を共通にするものである。
さらに、本願商標の指定商品と引用商標2の指定商品とは、同一又は類似の商品と認められるものである。
そうすると、本願商標と引用商標2とは、外観上の差異を考慮したとしても、称呼及び観念を共通にするものであるから、互いに相紛らわしい類似の商標というのが相当である。
ウ 本願商標と引用商標3との類否について検討すると、上記のとおり、外観において、両者は、差異を有するものである。
次に、称呼において、両者は、ともに「インディアン」の称呼が生じるものであるから、その称呼を共通にするものである。
そして、観念において、両者は、ともに「インディアン(アメリカの先住民)」の観念が生じるものであるから、その観念を共通にするものである。
さらに、本願商標の指定商品と引用商標3の指定商品とは、同一又は類似の商品と認められるものである。
そうすると、本願商標と引用商標3とは、外観上の差異を考慮したとしても、称呼及び観念を共通にするものであるから、互いに相紛らわしい類似の商標というのが相当である。
(7)請求人の主張について
ア 請求人は、本願商標は、請求人が衣類等の商品に使用する商標として需要者間に周知であること、また、「Indian Motocycle」、「インディアンモトサイクル」は、請求人の略称として需要者間に周知であることなどを縷々主張する。
しかしながら、本願の拒絶の理由は、商標法第4条第1項第11号に該当し、登録できないとするものであるから、それらの主張は、本願と引用各商標との類否判断に影響しない。
イ 請求人は、「本願商標を付した商品も引用商標2及び引用商標3を付した商品も、需要者は等しく請求人を出所として認識するのであり、引用商標2及び引用商標3の商標権者を出所として認識することはないから、引用商標2及び引用商標3の出所表示機能は害されることはなく、本願商標と引用商標2及び引用商標3は非類似であり、本願商標を商標法第4条第1項第11号の規定により拒絶すべき理由は一切存しない。」旨主張する。
しかしながら、商標法第4条第1項第11号は、他人の先願に係る登録商標と同一又は類似の商標であって、その登録商標に係る指定商品又は指定役務と同一又は類似の商品又は役務について使用をする商標は登録を受けることができない旨定めているのであるから、上記(6)のとおり、本願商標が有効に存続している引用各商標に類似するものであり、その指定商品も同一又は類似するものである以上、同条項により、後願である本願商標については、商標登録できないといわなければならない。
(8)むすび
以上のとおりであるから、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願を拒絶した原査定は、妥当なものであって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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