Trademark Appeal Case
品質表示の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2013−11007(T2013−11007/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、別掲1のとおり、上方の線の一部を短く太い曲線に置き換えた円状輪郭図形(以下「本願輪郭部分」という。)と3段に表示された「水分」「たっぷり」「純水99%以上使用」の文字を組み合わせたものからなり、第16類に属する願書に記載のとおりの商品を指定商品として、平成24年7月17日に登録出願、その後、指定商品については、原審における同年12月26日付けの手続補正書により、第16類「ウェットティッシュペーパー,衛生手ふき,紙製又は不織布製手ふき(紙製品に属するものに限る。),おしり拭き」と補正されたものである。
2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、湯気(水分)を表示したと思しき図形部分及び円状輪郭図形部分並びに『水分たっぷり純水99%以上使用』の文字を未だ普通に用いられる域を脱しない程度に表示したものであるところ、本願の指定商品を取り扱う業界において、水分をたっぷり含んだ商品や純水を使用した商品などが販売されている実情がうかがえることからすると、本願商標を、その指定商品中例えば『ウェットティッシュペーパー』に使用するときには、これに接する取引者・需要者は、その商品が『純水を99%以上使用し、水分をたっぷり含んでいるものであること』を表示したものと理解するにすぎない。そうすると、本願商標は、単に商品の品質(内容、構造)を普通に用いられる方法で表示したものといえるから、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号について
本願商標は、別掲1のとおり、本願輪郭部分内に「水分」「たっぷり」「純水99%以上使用」の文字を3段に表示した構成(「水」の文字は輪郭線に跨がっている。)よりなり、該文字部分からは「水分がたっぷりで純水を99%以上使用している」程度の意味合いを容易に理解できるといい得るところ、指定商品中の「ウェットティッシュペーパー,おしり拭き」などの分野において、別掲2(1)ないし(14)に示した例のように、「商品が水分をたっぷり含んでいること」や「パラベンやアルコールなど未使用であり、含浸されている水分が主に『水』であること」を、「水分(を)たっぷり」や「水99%(以上)」「99.9%純水使用」などと表している実情がうかがえることからすると、本願商標をその指定商品に使用した場合、これに接する取引者、需要者は、構成中の「水分たっぷり純水99%以上使用」の文字から、当該商品が「水分をたっぷり含み、かつ、純水を99%以上使用している。」ものであることを容易に看取し、当該文字部分を商品の品質表示として理解するといい得るものである。
また、本願の指定商品は、包装容器等に収納されて販売されるのが一般的であり、その包装容器には商品の出所を表示する標章のほか、商品の性状や機能などを表示する場合も少なくないところ、これら表示の視認性を高めるため、別掲2(12)ないし(21)のように、文字のレタリングや文字を図形で囲んで表示する方法(以下「囲み表示」という。)が一般に行われている実情がうかがわれることからすると、通常書体の文字を異なる大きさで複数の段に表示した本願商標の文字部分は、視認性を高めるために用いられるレタリングの一類型にとどまるというのが相当であり、本願輪郭部分も、上記の囲み表示の一類型として看取、理解されるというのが相当である。このほかに、本願商標の文字の構成態様及び輪郭部分が、普通に用いられる方法の域を脱しているほど特殊なものというべき事情は見いだせない。
そうすると、本願商標は、全体として、商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなるものといわなければならないから、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。
(2)請求人の主張について
請求人は、本願商標の文字「水分たっぷり純水99%以上使用」は、商品の品質ではなく、「豊潤」「柔らかさ」「やさしさ」「ピュア」等の商品イメージを把握するものであり、文字「水」の右上図形は、「水」を修飾して「水」と有機一体的に配置され、文字部分も特殊で独創性に富んだ文字配列・表現態様としており、本願商標は、強烈な商品イメージを与えるべく、複雑で特殊かつ独創的な表現態様を採用していることから、商標の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみではない旨を主張している。
しかしながら、上記(1)のとおり、本願商標の文字部分は通常書体の文字を異なる大きさで3段に表示した構成態様で特段の顕著性を有するとはいい難いものであり、本願輪郭部分における文字「水」の右上にある短く太い曲線図形にしても、通常書体で表された「水」の文字と有機一体的とする特段の事情も見いだせない。むしろ、商品の包装容器には、別掲2の事例のように、楕円の一部を変化させたものや囲み図形からはみ出て文字を表示するものがあることからすると、本願輪郭部分も特段の顕著性を有するというよりも、視認性を高めるための囲み表示として一般に用いられる円状図形の一類型と理解されるにとどまるというのが相当である。
そうすると、本願商標は、商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標というべきであるから、請求人の主張を採用することはできない。
(3)まとめ
以上のとおりであるから、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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