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Trademark Appeal Case

ePTFEの識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2013−15595(T2013−15595/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「ePTFE」の欧文字を標準文字で表してなり、第7類「化学機械器具及びその部品,半導体製造装置及びその部品」を指定商品として、平成23年6月30日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由(要点)

原査定は、「本願商標は、『ePTFE』の欧文字を標準文字で書してなるところ、該文字は、刊行物等提出書にも記載があるとおり、『expanded PolyTetraFluoroEthylene』の略語であり、フッ素樹脂の一種であるポリテトラフルオロエチレンを延伸加工することにより多孔質にした高分子材料(多孔質フッ素樹脂)といった意味を有する語であって、その素材・材質を表す語として、本願の指定商品の分野に限らず、広く使用されているものであり、また、本願指定商品を取り扱う業界においては、液体のろ過などのために『ePTFE』(多孔質フッ素樹脂)が用いられている事実が認められる。そうとすれば、本願商標をその指定商品中、前記文字に照応する商品(例えば、「『ePTFE』(多孔質フッ素樹脂)製の材料を使用してなる化学機械器具・半導体製造装置及びその部品」など)について使用しても、これに接する取引者、需要者は、単に商品の品質、原材料を普通に用いられる方法で表示したものと理解するにとどまり、自他商品の識別標識とは認識し得ないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるので、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

本願商標は、「ePTFE」の欧文字を標準文字で表してなるところ、該語は、「expanded polytetrafluoroethylene」の略語(「略語大辞典 第2版」丸善出版)であり、「延伸加工して多孔質化されたPTFE」の意味を有するものである。

また、別掲1ないし3のインターネット情報等によれば、ePTFE(延伸加工して多孔質化されたPTFE)は、耐熱性・耐薬品性等に優れたPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)を延伸多孔質化することで、柔軟性、防水透湿性等の特性を与えたフッ素樹脂の一種であるところ、その特性が着目され、医療分野を始め、幅広い商品分野において、商品やその部品の素材として現に使用され、「ePTFE」の文字も取引上普通に使用されているものといえる。

そして、別掲2からすれば、本願の指定商品との関係においても、化学機械器具の部品として「ePTFEのフィルターを用いたろ過器」等が、半導体製造装置の部品として「外装にePTFEのフィルターを用いたケーブル」等が使用され得るというのが相当である。

以上からすれば、本願商標を、その指定商品中、延伸加工して多孔質化されたPTFE(ePTFE)が使用された商品について使用しても、これに接する取引者、需要者は、単に商品の品質、原材料を表したものと理解するにとどまるものであるから、自他商品の識別標識とは認識し得ず、また、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがある。

なお、請求人は、本願の指定商品である化学機械器具や半導体製造装置の取引者、需要者にとっては、化学物質の素材名はそもそもなじみが薄いものであり、「ポリテトラフルオロエチレン」を表す語としては、「テフロン」の方が遙かに認識されており、本願商標構成中の「PTFE」からは、その語義すら理解できず、本願商標を意味のない文字の羅列又は一種の造語であると認識する旨、また、「延伸」を意味する「expanded」を省略して「e」と小文字で表すことは一般的でなく、取引者、需要者は、本願商標の構成中の「e」をインターネットに関連した語であると理解する旨、原査定で引用されている「ePTFE」の語の使用例は、特定の業者が使用し始めたにすぎない特殊な略語の表記をその取引先等が使用している例を示しているにすぎない旨、本願商標を登録したとしても、第三者は、「延伸ポリテトラフルオロエチレン」や「延伸PTFE」との表現を使用することができるものであるから、本願商標は独占適応性を有する商標であるといえる旨主張している。

しかしながら、「テフロン」又は「TEFLON」の文字については、「フッ素樹脂」等を指定商品とする他人の登録商標(登録第466348号、登録第1644721号)であり、該商標が、本願の指定商品に係る取引者、需要者に認識されているとしても、別掲1ないし3のとおり、本願商標の構成全体からなる「ePTFE」の語は、それ自体が「延伸加工して多孔質化されたPTFE」を指称するものとして取引上普通に使用されており、かつ、該素材は、本願の指定商品を含む幅広い商品分野で現に使用され、あるいは、今後、使用される可能性があるものといえるから、請求人の主張は、いずれも採用することができない。

さらに、請求人は、過去の登録例を挙げ、本願商標も登録されるべき旨主張しているが、商標が識別力を有するか否かの判断は、査定時又は審決時において、取引の実情を勘案し、その指定商品の取引者、需要者の認識を基準として、商標ごとに個別具体的に判断すべきであるところ、請求人が挙げた登録例は、いずれも本願商標とは構成を異にし、あるいは、その指定商品が本願の指定商品と相違するものであり、かつ、本件の審決時に職権により調査した取引の実情は、別掲1ないし3のとおりであるから、この点についての請求人の主張も採用することができない。

以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものであるから、本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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