Trademark Appeal Case
称呼・観念の類似性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2013−13887(T2013−13887/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は,別掲のとおりの構成からなり,第30類「あられ,その他の菓子及びパン」,第35類「あられ・その他の菓子及びパンの小売り又は卸売りの業務において行なわれる顧客に対する便益の提供」及び第43類「日本料理を主とする飲食物の提供,茶・コーヒー・ココア・清涼飲料又は果実飲料を主とする飲食物の提供」を指定商品及び指定役務として,平成24年8月10日に登録出願されたものである。
2 引用商標
原査定において,本願の拒絶の理由に引用した登録第4879039号商標(以下「引用商標」という。)は,「ついつい」の文字を標準文字で表してなるものであり,平成16年9月16日に登録出願され,第30類「食品香料(精油のものを除く。),米,脱穀済みのえん麦,脱穀済の大麦,食用粉類,食用グルテン,菓子及びパン,アイスクリーム凝固剤,家庭用食肉軟化剤,ホイップクリーム用安定剤」を指定商品として,同17年7月8日に設定登録され,現に有効に存続しているものである。
3 当審の判断
(1)本願商標について
本願商標は,別掲のとおり,紫色で彩色された,縦長四角形による2重の枠内に,同色で,「つ・い・つ・い」の文字(中黒)を縦書きしてなるものであるから,「ついつい」の文字部分より「ツイツイ」の称呼を生じ,「そうするつもりではないのに。思いに反して。」(「広辞苑 第六版」株式会社岩波書店)程の観念を生ずるものである。
(2)引用商標について
引用商標は,「ついつい」の文字を標準文字で表してなるものであるから,これより「ツイツイ」の称呼を生じ,「そうするつもりではないのに。思いに反して。」程の観念を生ずるものである。
(3)本願商標と引用商標の類否について
本願商標と引用商標の外観は,上記(1)(2)のとおり,全体としては差異を有するものの,共に「つ」「い」「つ」「い」の文字を有していることから,一定程度の類似性があるものといえ,また,本願商標及び引用商標から生ずる称呼及び観念は,「ツイツイ」及び「そうするつもりではないのに。思いに反して。」において共通するから,これらを総合的に勘案すると,本願商標と引用商標は,簡易,迅速を尊ぶ取引の実際において,時と所を異にして接する需要者にとっては,互いに紛らわしい類似の商標というのが相当である。
(4)本願商標の指定商品及び指定役務と引用商標の指定商品との類否について
本願商標の指定商品及び指定役務は,前記1のとおりであり,引用商標の指定商品は前記2のとおりであるところ,本願商標の指定商品「あられ,その他の菓子及びパン」は,引用商標の指定商品中「菓子及びパン」に含まれるものである。
また,本願商標の指定役務中,第35類「あられ・その他の菓子及びパンの小売り又は卸売りの業務において行なわれる顧客に対する便益の提供」(以下「あられ・その他の菓子及びパンの小売等役務」という。)と,引用商標の指定商品中「菓子及びパン」についてみると,商品についての商標は,「業として商品を・・・譲渡する者」(商標法2条)によっても使用されるものであるところ,「あられ・その他の菓子及びパンの小売等役務」が提供される場面と,「菓子及びパン」が販売(譲渡)される場面は,いずれも,菓子及びパンを販売(譲渡)する者によって,菓子及びパンを販売(譲渡)する場所において,菓子及びパンの需要者(顧客)に対して,小売等役務の提供あるいは商品の販売(譲渡)が行われることについて共通する。
そうすると,「あられ・その他の菓子及びパンの小売等役務」と「菓子及びパン」とは,役務の提供と商品の販売(譲渡)が同一の事業者によって行われるものであり,役務の提供が行われる場所と商品の販売(譲渡)が行われる場所が一致し,需要者(顧客)の範囲も一致するものであるから,両者に同一又は類似する商標が使用された場合,その出所について混同を生ずるおそれのある,互いに類似するものというべきである。
(5)小括
以上からすれば,本願商標は,引用商標に類似する商標であり,かつ,引用商標の指定商品と同一の商品及び類似する役務について使用をするものであるから,商標法4条1項11号に該当する。
(6)請求人の主張について
請求人は,本願商標は,「つ・い・つ・い」というように,中黒を介していることにより,「ツ」・「イ」・「ツ」・「イ」とゆっくりとした流れの中で称呼されるが,引用商標は「ツイツイ」のみとしか称呼されないこと,本願商標は,観念上,「つ」・「い」・「つ」・「い」を縦型とし表札をイメージさせているのに対し,引用商標は,「そうするつもりではないのに。思いに反して」の観念を生ずることなどを根拠として,本願商標と引用商標は互いに非類似のものである旨主張する。
しかしながら,簡易,迅速を尊ぶ取引の実際においては,本願商標は,常にゆっくりとした流れの中で称呼されるものとはいい難く,中黒については意識されず,単に「ツイツイ」の称呼を生ずることも決して少なくないというべきである。
また,本願商標中の,紫色で彩色された縦長四角形による2重の枠が常に表札であると看取されるとはいい難い上,請求人から提出された平成25年10月24日付手続補足書及び職権調査によっても,本願商標が,「表札」と共に観念されているというべき事実は,発見できない。
したがって,上記請求人の主張は,採用できない。
その他,請求人は縷々主張するが,いずれも採用の限りではない。
(7)結語
以上の次第であるから,本願商標が商標法4条1項11号に該当するとして本願を拒絶した原審の判断は,妥当であって,原査定を取り消すことはできない。
よって,結論のとおり審決する。
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