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Trademark Appeal Case

称呼類似と記述性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2013−16492(T2013−16492/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「Ningen Dock」の文字を標準文字で表してなり、第44類「医業,医療情報の提供,健康診断,歯科医業,調剤,栄養の指導,あん摩・マッサージ及び指圧,カイロプラクティック,きゅう,柔道整復,はり,介護,医療用機械器具の貸与,美容,理容,入浴施設の提供」を指定役務として、平成24年4月20日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由

原査定は、「本願商標は、『短期間入院して、全身の精密検査を行い、疾病の早期発見・健康指導などを行うこと、また、その施設。』(広辞苑第6版)を意味する『人間ドック』に通じる『Ningen Dock』を標準文字で表してなるものであるから、これを本願指定役務中、『医業,医療情報の提供,健康診断,栄養の指導』に使用しても、これに接する取引者・需要者は、人間ドックに関する役務であると理解するに止まり、単に、役務の質(内容)を表示するにすぎず、自他役務の識別標識としての機能を果たし得ないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記役務以外の役務に使用するときは、役務の質の誤認を生じさせるおそれがあるので、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断して本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

(1)商標法第3条第1項第3号該当性について

本願商標は、「Ningen Dock」の文字からなるものであるところ、その構成中前半の「Ningen」の文字は、「人間」の語をローマ字で表したものと容易に認識されるものである。同じく後半の「Dock」の文字は、「造船所、埠頭」を意味する英語であり、「ドック」と発音されるものである。よって、本願商標は、「ニンゲンドック」と称呼されるものである。

ところで、「人間ドック」は、「(船がドックに入るように)短期間入院して、全身の精密検査を行い、疾病の早期発見・健康指導などを行うこと。また、その施設」(広辞苑第6版)を意味する語として一般に広く知られているものであり、日本全国の多くの医療機関で行われているものである。

そうとすると、本願商標は、上記のとおり、「ニンゲンドック」と称呼されるものであるから、上記「人間ドック」と同じ称呼であり、加えて、「Ningen」が「人間」を認識させるものであり、「Dock」が上記のとおり「人間ドック」の語源となる語であることから、容易に上記「人間ドック」を表したものと認識させるというべきである。

そうとすれば、本願商標は、これをその指定役務中、「医業,医療情報の提供,健康診断,栄養の指導」に使用したときは、その役務の質(内容)を表示する標章のみからなる商標というべきである。

したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。

(2)請求人の主張について

ア 請求人は、「『Ningen』の文字は、『人間』の英語ではなく、ローマ字書きは通常あり得ず、そして、該文字から『ニンジェン』の称呼が生じる場合、造語と認識されるし、その語には医療行為の意味はないから、総合すると、当該文字から意味内容を特定できない。また、『Dock』の文字は、医療関係に関連する意味を有する語ではない。一方、『人間ドック』の語は、全く特殊な一連の造語として認識されている熟語であり、『人間』と『ドック』を分離してそれぞれの意味内容を把握し、さらに、『ドック』の部分を英単語で記すと『Dock』になると認識する需要者・取引者は少ないと考えられる。よって、『Ningen Dock』は、医療行為と異なる観念を生じ得るものであり、また、『人間ドック』という態様でないことから、意味内容の特定性を欠く造語と理解されるものである」旨主張している。

また、請求人は、「我が国で通用している表記方法は、日本語表示の『人間ドック』であり、『Ningen Dock』と欧文字で表記することは通常行われている例はなく、『Ningen Dock』は、『人間ドック』を欧文字表記されたものと認識されて意味内容を想起するとは考えられない」旨主張している。

しかしながら、「人間ドック」は、前記広辞苑の記載からも明らかなように、短期入院して身体の検査等を行うものであるが、これは、船がドック(dock)に入って点検、整備する様子にたとえて、「人間」と「ドック」の文字を結合した造語であるから、「Ningen Dock」の文字に接した需要者は、「Ningen」の文字部分は「人間」をローマ字で表したものと容易に想起し、「Dock」の文字部分は「ドック」の語の本来の英語表記で表したものと容易に認識するというべきである。

この点について、請求人は、「『ドック』が英単語と認識可能なことから、『人間』の部分は『Human』と訳して表記するのが自然であり、『Ningen』のように記載することで、意味内容が特定できない単語として、これに接する需要者・取引者は認識することになる」旨主張している。

しかしながら、例えば、日本語と外来語として知られている語からなる場合は、日本語の部分をローマ字で表し、外来語の部分を本来の英語で表したとしても何ら不自然とはいえない。

したがって、「人間ドック」の語について、「人間」の部分を「ningen」、「ドック」の部分を「dock」の文字により表示することは、不自然なものではなく、以下のように「NINGEN DOCK」の文字が実際に使用されていることからも認められるところである。

(ア)「沼田脳神経外科循環器科病院」のウェブサイトにおいて、「一般人間ドック」の文字と「NINGEN DOCK」の文字が併記して記載されている。

(http://www.kijoukai-gr.jp/nnhp/ningen_dock/ippan_dock/ippan_dock.html)

(イ)「メディカルガーデン新浦安」のウェブサイトにおいて、「人間ドック」の文字と「NINGEN DOCK」の文字が併記して記載されている。

(http://www.chikumakai.or.jp/menu/)

(ウ)一般財団法人愛知県人間ドック健診協会」は、その英語表示を「The Association for Ningen Dock and Health Evaluation of Aichi」としている。なお、URLにも「ningendock」の文字を使用している。

(http://ningendock-kenshin.jp/index.php)

(エ)株式会社アイテックスが管理運営するウェブサイト「人間ドックネット」の欧文字表記として「ningendock.net」を使用している。

(http://ningendock.net/)

(オ)「人間ドック比較コム」のウェブサイトのURLに「ningendock」の文字を使用している。

(http://www.ningendock-hikaku.com/)

(カ)一般社団法人新居浜市医師会のウェブサイトに掲載されている「人間ドック」を紹介するページ「1日人間ドックへの招待」のURLに「ningendock」の文字を使用している。

( http://www.niihama-med.or.jp/Iishi-Y/ningendock.html)

してみれば、「人間ドック」の文字を欧文字で「Ningen Dock」と表記することは何ら不自然なものではなく、当該欧文字に接する取引者・需要者は、該文字から「人間ドック」の語を容易に認識するというべきである。

イ 請求人は、「『人間ドック』が指し示す施術行為は漠然としていて曖昧であると評価せざるを得ないため、この語より具体的な医療行為が直接的に想起できるとは考えられず、そうである以上、欧文字からなる『Ningen Dock』は意味内容が特定できない識別力のある造語と評価できる」旨主張している。

しかしながら、医療機関によって、人間ドックとして行われる施術行為等が異なっているところがあるとしても、需要者は、「人間ドック」について「短期間入院して、全身の精密検査を行い、疾病の早期発見、健康指導などを行うこと、また、その施設」を意味するものとして十分に理解しているものといえるから、具体的に当該意味合いを認識するというべきである。そして、本願商標「Ningen Dock」の文字から、上記「人間ドック」を認識することは既に述べたとおりである。

したがって、請求人の上記主張はいずれも採用できない。

(3)まとめ

以上のとおりであるから、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するとした原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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