Trademark Appeal Case
称呼類似と要部抽出
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2011−24291(T2011−24291/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、別掲のとおりの構成からなり、第16類「紙類,文房具類」を指定商品として、平成23年1月20日に登録出願されたものである。
2 原査定の拒絶の理由(要点)
(1)原査定は、「本願商標は、次の(2)の登録商標と同一又は類似の商標であって、その商標に係る指定商品と同一又は類似の商品について使用するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
(2)登録第3071985号商標(以下「引用商標」という。)
引用商標は、「アイム」の片仮名を横書きしてなり、平成4年9月1日に登録出願、第16類「紙類,文房具類(「昆虫採集用具」を除く。)」を指定商品として、同7年8月31日に設定登録されたものであり、その商標権は現に有効に存続しているものである。
3 当審の判断
(1)本願商標と引用商標との類否について
本願商標は、別掲のとおり、青色と赤色の色彩を施した正三角形状の図形及びやや図案化した「aImu」の欧文字からなるところ、図形部分と文字部分とは、それぞれが明確に把握できるものであって、構成全体として何らかの特定の意味合いを看取させる等の事情は見いだせない。
そうすると、本願商標は、これを構成する図形部分と文字部分とを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているとは認められないものであるから、その構成中「aImu」の欧文字部分を抽出し、この部分だけを他人の商標と比較して商標そのものの類否を判断することが許されるというべきであり、該文字部分が独立して自他商品の識別標識としての機能を果たすものといえる。
してみれば、本願商標は、その構成中「aImu」の文字に相応して「アイム」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
一方、引用商標は、前記2(2)のとおり、「アイム」の片仮名からなるところ、該文字から「アイム」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
そこで、本願商標と引用商標とを比較すると、両者は、外観においては、図形の有無及び文字の種類が異なり相違するものであるが、称呼においては「アイム」の称呼を共通にするものであり、また、観念においては、両者はいずれも特定の観念を生じないから比較することはできないものである。
ところで、商標の構成文字を同一の称呼を生じる範囲内で平仮名、片仮名及びローマ字相互に変更したり、デザイン化したりすることが一般に行われている取引の実情があることからすれば、特定の観念を有しない文字商標においては、観念において商標を記憶することができないため、称呼を記憶し、その称呼を頼りに取引にあたることが少なくないというのが相当であるから、そのような商標の類否判断においては、称呼が重要な役割を果たすといわなければならない。
そうとすれば、本願商標と引用商標の外観、称呼及び観念等によって、取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合し、前記取引の実情を考慮すれば、両者の外観が相違するとしても、観念において区別できず、取引上重要な役割を果たす称呼を共通にする両者は、商品の出所について誤認混同を生じさせるおそれのある類似の商標と判断するのが相当である。
また、本願の指定商品「紙類,文房具類」と引用商標の指定商品「紙類,文房具類(「昆虫採集用具」を除く。)」は、同一又は類似のものである。
したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものである。
(2)請求人の主張等について
請求人は、平成24年7月25日付けの上申書において、「引用商標に対する不使用取消審判の請求をしたので、その結論が出るまで審理の猶予をして欲しい。」旨申し出ていたが、当該審判(取消2012−300598)は、不成立の審決が確定し、審判の確定登録が同25年5月16日になされたことから、本件審理を終結した。
また、請求人は、本願商標の文字部分の称呼類否のみによって、商標全体の類否を決定した手法は誤りであると主張するが、当該文字部分を分離、抽出して比較することが許されることは、前記(1)のとおりであるから、この主張についても採用できない。
(3)まとめ
以上のとおりであるから、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当なものであって取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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