Trademark Appeal Case
包装形状の識別力判断
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2013−8058(T2013−8058/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、別掲1のとおりの構成からなる立体形状であり、第30類「麺つゆ」を指定商品とし、平成24年6月20日に立体商標として登録出願されたものである。
2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、商品の包装形状として、通常容易に取り得る立体形状に指定商品を表す『麺つゆ』の文字を通常の域を脱しない書体で表したものからなり、その立体形状並びにそこに記載された模様及び文字は、いずれも自他商品識別標識として機能し得る特徴を有しているとはいい難く、通常取り得る包装の域を出ない形状に商品名を記したものといわざるを得ない。また、かかる態様を4年ほど前から使用していると主張するが、添付された資料において、本願商標が、請求人の商標として需要者に認識されていることを認めることはできない。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審においてした証拠調べ
当審において、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するか否かについて、職権に基づく証拠調べをした結果、別掲2に示す事実を発見したので、同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき、請求人に対して、平成25年12月9日付け証拠調べ通知書によってこれを開示し、期間を指定して、意見を述べる機会を与えた。
4 請求人の意見
前記3の証拠調べに対し、請求人は、何ら意見を述べていない。
5 当審の判断
(1)本願商標について
本願商標は、別掲1のとおり、上部の曲面部分で閉じて使用される商品の包装形状の一と認識される立体的形状からなり、上部面には、「麺つゆ」の文字が表され、これを閉じたときに下の地模様が見えるよう切り込みを入れた構成からなるものである。
(2)商標法第3条第1項第3号該当性について
本願商標は、上記(1)のとおりの構成からなるところ、本願の指定商品を取り扱う業界においては、別掲2(1)アに示すとおり、商品を個別包装したものが複数個まとめて包装され、これを麺とともに詰め合わせた商品が、一般に取引されている事実が認められる。
また、商品の包装の形状については、別掲2(1)イ及びウに示すとおり、上部面が曲面であるものや切り込みを有するものが広く使用されている事実が認められる。
さらに、本願商標の上部面に表された「麺つゆ」の文字は、格別特徴的な書体をもって表したともいい難いものであって、また、これを閉じたときに見える地模様についても、別掲2(2)に示すとおり、古くから用いられているありふれた模様の一といえるものである。
ところで、立体商標における商品等の形状は、多くの場合、商品等に期待される機能をより効果的に発揮させたり、商品等の美観をより優れたものとするなどの目的で選択されるものであって、商品の出所を表示し、自他商品を識別する標識として用いられるものは少ないといえるものである。また、商品等の形状を見る需要者の観点からしても、商品の形状は、文字、図形、記号等により平面的に表示される標章とは異なり、商品の機能や美観を際立たせるために採択されたものと認識し、出所表示識別のために選択されたものとは認識しない場合が多いといえる。そうすると、商品の形状は、多くの場合に、商品等の機能又は美観に資することを目的として採用されるものであり、そのような目的のために採用されると認められる形状は、特段の事情のない限り、商品等の形状を普通に用いられる方法で使用する標章のみからなる商標として、商標法第3条第1項第3号に該当すると解するのが相当である。(知的財産高等裁判所 平成18年(行ケ)第10555号 同19年6月27日判決参照)
そこで、上記判示及び別掲2に示すとおりの事実を踏まえて検討するに、本願商標は、その指定商品の包装形状の一を表したものと容易に認識するというのが相当であり、切り込みを入れた曲面を閉じて使用される形状は、これに接する取引者、需要者をして、商品の包装形状の機能や美観を際立たせるために選択されたものと認識するにとどまるというのが相当であるから、自他商品の識別標識として機能するものとは認め難いものである。
してみれば、本願商標は、これをその指定商品に使用した場合、商品の包装の形状の一として容易に認識されるものであって、ほかに、該形状に表された文字及び地模様をみても、商品の出所識別標識として機能し得る部分があるとは認め難く、かつ、これを左右する特段の事情は見当たらないから、本願商標は、商品の包装の形状を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標といわなければならない。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。
(3)請求人の主張について
請求人は、本願商標を付した商品を4年ほど前から販売しており、その結果、出産内祝いのギフト商品の分野においては需要者・取引者の間で広く認識されるようになり、本願商標は同種の商品等の形状から十分に区別し得るものである旨主張し、第1号証ないし第11号証を提出するが、上記各号証によれば、請求人の商品が、出産の内祝いのための商品として販売されていることはうかがえるものの、本願商標が、その指定商品に使用をされた結果、取引者、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができるものと認めるに足る事実を見いだすことはできない。
また、請求人は、本願商標の文字及び模様の一部からなる平面商標についての登録(登録第55080129号)及び商品又はその容器の形状に模様が付された立体商標の登録例を挙げ、本願商標についても自他商品の識別性を有する旨主張するが、登録出願に係る立体商標において、表された文字や模様が商品の出所識別標識として機能しうるか否かは、該文字や模様そのものの自他商品の識別性や、それらの構成態様について、指定商品との関係及び商品の取引の実情をも踏まえて個別具体的に判断されるべきものであるところ、本願商標における文字及び地模様はそれ自体、かつ、その構成においても、商品の出所識別標識としての機能を有するものとはいい難いこと、上記(2)のとおりであるから、該登録例をもってその判断が左右されることはない。
したがって、上記の請求人の主張は、いずれも採用することができない。
(4)まとめ
以上のとおり、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当なものであり、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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