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Trademark Appeal Case

巡回監査の識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2013−16054(T2013−16054/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「巡回監査」の文字からなり、第35類「経営の診断又は経営に関する助言,財務書類の作成又は監査若しくは証明に関する情報の提供」、第36類「税務相談・税務代理に関する情報の提供」を指定役務として、平成24年7月24日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由

原査定は、「本願商標は、『巡回監査』の文字を書してなるところ、その構成中『巡回』の文字部分は、『見まわること。ある目的のために、各地をめぐりあるくこと。』を意味するものであり、また、『監査』の文字部分は、『企業などの特定の行為、またはその行為を示す情報が適性か否かを、第三者が検証し報告すること。』を意味するものであって、本願指定役務を取り扱う分野において、『巡回監査』の語が『定期的にクライアントを訪問し、会計資料や会計記録等を検証し報告すること』ほどの意味を表すものとして、多数使用されている実情にある。そうすると、本願商標は、これをその指定役務について使用するときは、『定期的にクライアントを訪問し、会計資料や会計記録等を検証し報告することに関する役務の提供』であるという、単に役務の質を普通に用いられる方法で表示したにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記照応する役務以外の役務に使用するときは、役務の質の誤認を生じさせるおそれがあるので、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

(1)商標法第3条第1項第3号について

本願商標は、「巡回監査」の文字からなるところ、その構成中「巡回」の文字は、「見まわること。ある目的のために、各地をめぐりあるくこと。」の意味を有し、「監査」の文字は、「しらべて適否・優劣をめききすること。」の意味を有するものであって、それぞれ親しまれた語であるから、これよりは、全体として「見まわって、しらべて適否・優劣をめききすること。」程の意味合いを理解させるものというのが相当である。

そして、該「巡回監査」の文字は、別掲1のとおり、会計学に関する辞典等に掲載されている用語であって、例えば「支店、工場、場合によっては子会社や関連会社を監査人が順に回り、監査を行っていくという監査業務の進め方の一つであり、主として内部監査で用いられる。」と記載されるなど、監査手法の一つであることが理解される。また、本願の指定役務との関係においては、「巡回監査」の文字は、例えば、「定期的に依頼人を訪問し、会計資料等について、会計的、税務的に誤りがないかを検証する作業」という程の監査方法として普通に使用されているものであって、その実情については、別掲2のインターネット情報からも窺えるものである。

そうすると、本願商標は、これをその指定役務について使用しても、これに接する取引者、需要者をして、「定期的に依頼人を訪問し、会計資料等について、会計的、税務的に誤りがないかを検証する作業に関する役務の提供」という程の意味合いを理解させるものであって、その役務の質を表示するものとして認識されるに止どまるものであるから、自他役務の識別標識として認識し得ないものである。

したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。

(2)請求人の主張について

請求人は、「巡回監査」の文字が、請求人及びその設立者が創作、提唱、啓蒙してきた概念であって、請求人の自他役務の識別標識として機能し、認識されている旨を述べている。

しかしながら、請求人から提出された証拠によれば、請求人の顧客である税理士及び公認会計士で構成されたTKC全国会は、税理士が、独立公正な立場で関与先企業に法令に基づく適正な税の実施を指導し、租税正義の実現を図る、という使命を果たす上で、「巡回監査」の実践が不可欠であると説明し、活動を続けてきたことが認められる。

そして、「巡回監査」の文字は、会計学の辞典類にも掲載されている用語であり、会計監査や税務監査などとの関係においては、「定期的に依頼人を訪問し、会計資料等について、会計的、税務的に誤りがないかを検証する作業。」の意味合いで、請求人及びTKC全国会会員を含む多くの税理士事務所等でも普通に使用されていることが認められる。

してみれば、本願商標に接する取引者、需要者は、本願商標を請求人の自他役務の識別標識として認識するものではなく、役務の質を表示するものとして認識するものである。

したがって、請求人の主張は、採用することができない。

(3)まとめ

以上のとおり、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当なものであって、取り消すことはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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