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Trademark Appeal Case

包装用袋の材質による商品類否

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2013−900124(T2013−900124/J7)
審判種別異議
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

登録第5563337号商標の商標登録を取り消す。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第5563337号商標(以下「本件商標」という。)は、「詰め放題」の文字を標準文字により表してなり、平成24年10月3日に登録出願、第16類「プラスチック製包装用袋」を指定商品として、同25年2月15日に登録査定、同年3月8日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由(要旨)

登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、登録異議申立ての理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第16号証を提出している、

(1)引用商標

申立人が引用した登録商標は、次のとおりである。

ア 登録第5487374号商標(以下「引用商標1」という。)は、「詰め放題」の文字を標準文字で表してなり、平成23年10月25日に登録出願、第16類「紙製包装用容器,段ボール箱,紙箱,紙袋,包装用紙,表紙,段ボール」及び第35類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定商品及び指定役務として、同24年4月20日に設定登録されたものである。

イ 登録第5569118号商標(以下「引用商標2」という。)は、「入れ放題」の文字を標準文字で表してなり、平成24年5月16日に登録出願、第16類「紙製包装用容器,段ボール箱,紙箱,紙袋,包装用紙,表紙,段ボール,プラスチックフィルム製包装袋,ビニール製の包装用袋,ポリプロピレン製の包装用袋」並びに第18類及び第35類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同25年3月29日に設定登録されたものである。

(2)申立ての理由

ア 本件商標と引用商標1とは、商標が同一であり、かつ、本件商標の指定商品と引用商標1の指定商品中の「紙袋,包装用紙」とは、販売部門、用途及び需要者の範囲が一致している事実があるから類似するものである。

また、本件商標と引用商標2とは、観念上において同一又は類似する商標であり、かつ、本件商標の指定商品と引用商標2の指定商品中の少なくとも「プラスチックフィルム製包装袋」とは、製造、販売部門、用途及び需要者の範囲が一致する事実があるから、同一又は類似するものである。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。

イ 引用商標1は、申立人の業務に係る商標として広く知られているから、これと同一である本件商標がその指定商品に使用された場合、商品又は役務についての用途、需要者の範囲が一致している事実があるから、出所について混同を生ずるおそれがある。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。

ウ 以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号及び同項第15号に違反してされたものであるから、その登録は取り消されるべきものである。

3 本件商標に対する取消理由(要旨)

当審において、商標権者に対して、平成25年11月7日付けで通知した取消理由は、以下のとおりである。

(1)本件商標と引用商標1との類否について

本件商標と引用商標1とは、それぞれ「詰め放題」の文字を標準文字により表してなるものであるから、両商標は、同一の商標といえる。

(2)本件商標の指定商品と引用商標1の指定商品との類否について

ア 本件商標の指定商品は、主として商品の包装に使用されるプラスチック製袋であり、引用商標1の指定商品中の「紙袋」は、紙製包装用容器の範ちゅうに含まれるものであり、主として包装に使用されるもの(「商品及び役務の区分解説[国際分類第10版対応]」特許庁商標課編)である。

イ 商品の包装に使用される袋に関する取引の実情について

(ア)申立人の提出した証拠によると、包装用袋の分野において、「プラスチック製」と「紙製」の区別がつきにくくなっており、プラスチック(ポリエチレン)製と紙製の判定がつきにくい包装用袋やプラスチックと紙とを併用した物、表と裏で「プラスチック」と「紙」とを合わせている物が販売・流通している実情がある(甲6ないし甲11)。

(イ)当審においてした職権調査によれば、以下のとおり、商品の包装に使用される袋を製造、販売する業者においては、紙製の物とプラスチック製の物の双方を取り扱う場合が少なからずあるというのが実情である。

(a)株式会社熊谷のウェブサイトにおいて、「米袋」の見出しの下、「特長 ポリエチレン素材、ラミネート、和紙等を包装資材に使用可能です。熊谷の自社開発フィルム加工技術により、虫やほこり等の異物混入を防ぐ米袋を製造可能です。」及び「材質 ポロエチレン(PE) 米袋、ラミネートフィルム米袋、和紙米袋」との記載がある。

(http://www.kumagai-co.com/product/food/rice.html)

(b)「株式会社マルタカ」のウェブサイトにおいて、「お米のおいしさそのまま新鮮包装! マルタカの真空包装用米袋 各種」の見出しの下、「真空パック」、「スタンダードな真空パック米袋です。」として、「雲龍和紙真空パック」、「アルミ真空パック」及び「ラミ真空パック」との記載並びに「真空ガゼット袋」、「アルミ・クラフト・和紙、目的にあわせて3種の材質から選べます。」として、「真空ガゼットアルミ無地」、「真空ガゼットクラフト無地」及び「真空ガゼット和紙無地」との記載がある。

(http://www.marutaka-pax.co.jp/productsandservice/products/liberty/liberty_base/index.html)

(c)「アーバングラビア株式会社」のウェブサイトにおいて、商品カテゴリ一覧として、「IPPパン袋」、「パン袋オーダーIPP」、「OPPパン袋」、「食パン袋」、「紙袋」などの記載があり、「OPPパン袋」として、「OPPパン袋をお探しのお客様はこちらです。」及び「紙袋」として、「ベーカリー用紙袋の販売をしています。」などの記載がある(審判注:「OPP」は「Oriented polypropylene」(延伸ポリプロピレン)の略語。以下同じ。)。

(http://www.pansizai.jp/product-list/49)(http://www.pansizai.jp/product-list/47)

(d)「包装市場」のウェブサイトにおいて、「≪2013 バレンタインデー・ホワイトデー≫」の見出しの下、「角底袋 バレンタイン・ホワイトデー柄の角底タイプの紙袋」、「OPP袋 バレンタイン・ホワイトデー柄のOPP袋」及び「ポリ袋 持ち手部分が抜きのなったカラーポリ袋」との記載がある。

(http://www.housou.co.jp/seasons/vtday/index.shtml)

(e)「有限会社ヤギヒロ」のウェブサイトにおいて、「会社概要」に係る「営業品目」の項目中、「● フレキシブルパッケージ(軟包装材料)/高機能包材、ラミネート袋、スパウトパウチ、アルミ袋、チャック付パウチ、スタンドパック、多層チューブ袋、ポリプロピレン袋、ポリエチレン袋、チャック付袋、ヘッダー付袋、不織布袋、シュリンク、環境対応フィルム。」及び「● 紙製品/手提げ紙袋、トムソン箱、シール、その他。」との記載がある。

(http://www.yagihiro.co.jp/?page_id=149)

(f)「株式会社シロ産業」のウェブサイトにおいて、「専用袋、真空袋、シュリンク袋、ビニール袋、ポリエチレン袋、プチプチ袋、保冷袋、透明封筒、フイルム封筒、お茶袋」の見出しの下、「酒瓶用手提げ紙袋」や「クラフトパック(角底窓付き)」などが、「ナイロン規格袋ガゼット袋」や「OPP規格袋#59(ガゼット袋)」などとともに表示されている。

(http://www.webshiro.com/housou-03.htm)

ウ 小括

以上によれば、本件商標の指定商品と引用商標1の指定商品中の「紙袋」とは、いずれも商品の包装に用いられることから、用途を同じくするものであり、また、商品の製造及び販売部門並びに需要者の範囲においても少なからず共通するといい得るものであるから、これらを総合勘案すれば、上記両商品は、互いに類似する商品というのが相当である。

(3)まとめ

上記(1)及び(2)において述べたとおり、本件商標と引用商標1とは、同一のものであり、かつ、本件商標の指定商品は、引用商標1の指定商品中の「紙袋」と類似するものと認められるから、本件商標は、その登録査定時において、商標法第4条第1項第11号に該当するものであったというべきである。

したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものと認める。

4 商標権者の意見

前記3の取消理由に対して、商標権者は、次のように意見を述べている。

(1)商品の販売業者から注文を受けた印刷業者は、無地の紙袋やプラスチック製袋を専門業者から仕入れ、通常1万枚単位で印刷し、ケースに詰め、発注者(小売業者)に納品しており、また、小売業者は、それらに商品を詰めて販売している。

(2)商標法施行規則の別表(以下「別表」という。)の備考「一」の「(五)」には、「容器は、その収容する商品と同一の類に分類する。」との記載があり、別表には、各類に属する商品又は役務として、以下の記載がある。

ア 第40類の「九 印刷」には、「オフセット印刷 グラビア印刷 スクリーン印刷 石版印刷 デジタル印刷 凸版印刷」との記載がある。

イ 第7類の「十一 包装用機械器具」には、「こん包機 バンド締付機 ひも自動結束機 封かん機 包装機」との記載がある。

ウ 第20類の「五 木製、竹製又はプラスチック製の包装用容器」の「(三)」には、「プラスチック製の包装用容器(『プラスチック製栓及びふた』を除く。)」との記載がある。

エ 第22類の「六 布製包装用容器」には、「麻袋 化学繊維袋 綿袋」との記載がある。

オ 第16類の「一 紙類」の「(一) 洋紙」には、「印刷用紙 ... 新聞用紙 ... 包装用紙 ...」との記載、同じく、「二 紙製包装用容器」には、「紙箱 紙袋 段ボール箱 ファイバー箱」との記載、同じく、「三」には、「家庭用食品包装フィルム 紙製ごみ収集袋 プラスチック製ごみ収集用袋 プラスチック製包装用袋」との記載、同じく、「八 文房具類」の「(一)紙製文房具」には、「... 封筒 ...」との記載がある。

(3)未印刷の紙袋やプラスチック製包装用袋は、1枚当たりの単価が安いので、最低10枚単位で、別なケースに入れて販売される。この別なケースが包装で、内蔵物には商標はついていない。

(4)申立人の提出に係る甲第6号証及び甲第7号証は、生産地・材料を表示した菓子や雑貨用の袋で、単位も1枚31円50銭である。同じく、甲第8号証及び甲第9号証は、菓子用の袋で、1枚42円のものであり、また、甲第10号証及び甲第11号証は、封筒やCDを送るための特殊封筒であって、1枚80円以上のものであり、第16類に属する「封筒」の範ちゅうに属するものである。

(5)前記3の取消理由通知において、商品の包装に使用される袋に関する取引の実情として提示されたもの((2)イ(イ)の(a)ないし(f))について、そのうちの(a)及び(b)は、第30類に属する米袋、(c)は、第30類に属するパン袋、(d)は、第20類に属するプラスチック製の包装用容器である。また、(e)は、上記(1)で述べた印刷業者であり、(f)は、特定の商品を入れる特殊袋と、大量の袋をセットにして販売する袋を取り扱っている。

同一紙類・サイズの袋を一度に大量に取引する業者間においては、その営業内容からして、プラスチック製袋と紙袋を誤認混同することはない。

(6)第16類に属する「プラスチック製包装用袋」と「紙袋」とは、別表の備考「一」の「(五)」の趣旨からしても、誤認混同するおそれはなく、非類似の商品である。

5 当審の判断

(1)本件商標の商標法第4条第1項第11号該当性について

本件商標についてした前記3の取消理由は妥当なものであって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものといわざるを得ないものである。

(2)商標権者の意見について

商標権者は、別表を挙げて、そこに例示された商品及び役務や、その備考の記載を引用しつつ、本件商標の指定商品と引用商標の指定商品中の「紙袋」(以下「両指定商品」という。)とは、非類似である旨を主張している。

しかしながら、指定商品が類似のものであるかどうかは、「商品自体が取引上誤認混同のおそれがあるかどうかにより判定すべきものではなく、それらの商品が通常同一営業主により製造又は販売されている等の事情により、それらの商品に同一又は類似の商標を使用するときは同一営業主の製造又は販売に係る商品と誤認を生ずるおそれがあると認められる関係にある場合には、たとえ、商品自体が互いに誤認混同を生ずるおそれがないものであっても、類似の商品に当たると解するのが相当である。」(最高裁昭和36年6月27日第三小法廷判決・民集15巻6号1730頁参照)と判示がされているところ、両指定商品は、いずれも包装用の袋として、その用途を同じくするものであり、また、製造及び販売部門並びに需要者の範囲においても少なからず共通するものであるから、これに同一又は類似の商標を使用するときは、需要者をして、同一営業主の製造又は販売に係る商品と誤認を生ずるおそれがあるといわなければならない。

そうすると、両指定商品は、類似するものであるから、商標権者の上記主張を採用することはできない。

なお、両指定商品が非類似であるとして引用する別表の備考は、その「一」に記載のとおり、別表に掲げられていない商品又は役務の分類に際しての考え方について記載したものであり、商品(役務)の類否を定めるものではない。

(3)まとめ

以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものであるから、同法第43条の3第2項の規定により、取り消すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

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