Trademark Appeal Case
長音と撥音の称呼類似性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2013−900219(T2013−900219/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第5571704号商標(以下「本件商標」という。)は、「OOCEPT」の欧文字を表してなり、2012年3月12日にアメリカ合衆国においてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張し、平成24年3月30日に登録出願され、第5類「避妊薬,ホルモン補充療法に用いられる薬剤,尿失禁又は過活動膀胱の予防に用いられる薬剤,尿失禁又は過活動膀胱の治療に用いられる薬剤,鉄欠乏及び貧血の治療に用いられる薬剤,鉄欠乏及び貧血の予防に用いられる薬剤,骨粗しょう症の治療に用いられる薬剤,骨粗しょう症の予防に用いられる薬剤,鉄キレート剤,排卵誘発剤」を指定商品として、同25年3月7日に登録査定、同年4月5日に設定登録されたものである。
2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録商標は、以下のとおりであり、その商標権は、いずれも現に有効に存続しているものである。
(1)登録第5428756号商標(以下「引用商標1」という。)は、「ONCEPT」の欧文字を標準文字で表してなり、2011年3月3日にグレート・ブリテン及び北部アイルランド連合王国においてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張し、平成23年3月14日に登録出願され、第5類「癌治療の為の動物用ワクチン,その他の薬剤」を指定商品として、同年7月29日に設定登録されたものである。
(2)登録第5458481号商標(以下「引用商標2」という。)は、「オンセプト」の片仮名を標準文字で表してなり、平成23年7月7日に登録出願、第5類「癌治療の為の動物用ワクチン,その他の薬剤」を指定商品として、同年12月16日に設定登録されたものである。
(以下、まとめていうときは「引用商標」という。)
3 登録異議申立ての理由
本件商標は、「OOCEPT」の欧文字を書してなるものであるから、これより、「オーセプト」の称呼を生ずるものである。
他方、引用商標1は、「ONCEPT」の欧文字を書してなるものであるから、これより、「オンセプト」の称呼を生ずるものである。
また、引用商標2は、「オンセプト」の片仮名を書してなるものであるから、これより、「オンセプト」の称呼を生ずるものである。
しかるところ、本件商標から生ずる称呼「オーセプト」と、引用商標から生ずる称呼「オンセプト」との両称呼を比較すると、両称呼は、語頭の「オ」と後半の「セプト」の音を同じくするものであって、その異なるところは、前者が語頭の「オ」に長音「ー」を伴うのに対し、後者が語頭の「オ」に続く音が「ン」となる点である。
しかして、その差異音である前者の長音「ー」は、語頭の「オ」を発したままの状態で伸ばす音であり、また、後者の「ン」の音は、それ自体弱音に属する通鼻音であり、両者は、ともにそれほど明確に聴取されるものではなく、さらに、強く響く語頭音である「オ」に続く音として位置する関係上、前者の長音「ー」も後者の「ン」も、いずれも前音の「オ」に吸収され易く明瞭に聴き取り難いものであることから、この差異が両称呼の全体に及ぼす影響は決して大きいものとはいい難く、両称呼をそれぞれ一連に称呼するときは、全体の語韻語調が近似し互いに聞き誤るおそれがあるものといわなければならない。
してみれば、本件商標と引用商標とは、上記称呼において紛れ得るものであり、称呼上類似の商標というべきである。
また、本件商標の指定商品と引用商標の指定商品とは、同一又は類似の商品である。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである。
4 当審の判断
(1)本件商標
本件商標は、前記1のとおり「OOCEPT」の欧文字からなり、その構成文字に相応し「オオセプト」又は「オーセプト」の称呼を生じ、特定の観念を生じない造語からなるものといえる。
(2)引用商標
ア 引用商標1は、前記2(1)のとおり「ONCEPT」の欧文字からなり、その構成文字に相応し「オンセプト」の称呼を生じ、特定の観念を生じない造語からなるものといえる。
イ 引用商標2は、前記2(2)のとおり「オンセプト」の片仮名からなり、「オンセプト」の称呼が生じること明らかであり、特定の観念を生じない造語からなるものといえる。
(3)本件商標と引用商標との類否
ア 外観について
(ア)本件商標と引用商標1の外観について比較すると、両者は、共に6文字という少ない文字構成にあって、2文字目において字形の異なる「O」と「N」の差違は、外観上異なる印象を与えるものであり、相紛れるおそれはない。
(イ)本件商標と引用商標2の外観について比較すると、両者は欧文字と片仮名の相違により、外観上相紛れるおそれはない。
イ 称呼について
(ア)本件商標から生ずる「オオセプト」の称呼と引用商標から生ずる「オンセプト」の称呼について比較すると、両者は第2音における「オ」と「ン」の音の差異を有するところ、本件商標は、前音「オ」に同じ音を続けて、「オオ」とより強調されて発音され、「オ」「オ」「セプト」とに区切って称呼されるのに対し、引用商標は、前音「オ」の後に撥音「ン」を伴うことにより、「オン」と比較的強調されて発音され、「オン」と「セプト」との二音節に明瞭に称呼されることから、いずれも5音と比較的短いこととも相俟って、それぞれを一連に称呼しても語調、語感が異なり、互いに相紛れるおそれはないものとみるのが相当である。
(イ)本件商標から生ずる「オーセプト」の称呼と引用商標から生ずる「オンセプト」の称呼について比較すると、両者は第2音における長音「ー」と「ン」の音の差違を有するところ、本件商標は、前音「オ」をそのまま延ばして「オーセプト」と滑らかに発音されるのに対し、引用商標は、前音「オ」の後に撥音「ン」を伴うことにより、「オン」と比較的強調されて発音され、「オン」と「セプト」と二音節に明瞭に称呼されることから、いずれも5音と比較的短いこととも相俟って、それぞれを一連に称呼しても語調、語感が異なり、互いに相紛れるおそれはないものとみるのが相当である。
ウ 観念について
本件商標と引用商標の観念について比較すると、上記のとおり、いずれも特定の観念を生じないものであるから、観念上相紛れるおそれはない。
エ まとめ
以上よりすれば、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれにおいても相紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。
(4)結論
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものではないから、その登録は同法第43条の3第4項の規定に基づき、維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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