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結論

敗訴(請求棄却)

商標「POSTEX」と「POST−IT」の称呼・外観の要部類似(第4条第1項第11号|審判異議2013−900347(T2013−900347/J7))

審判番号
異議2013−900347(T2013−900347/J7)
審判種別
異議

本文で言及されている区分

事件のポイント・要約

対象商標
本件商標「POSTEX」引用商標「POST−IT」
争点(論点)
称呼・外観の要部類似
適用条文
第4条第1項第11号
指定商品・役務の区分
第16類
最終結論
登録維持(敗訴(請求棄却))

この審決(審判異議2013−900347(T2013−900347/J7)・異議)は、本件商標「POSTEX」と引用商標「POST−IT」について、商標法第4条第1項第11号への該当性が争われた事例です。主な争点は「称呼・外観の要部類似」です。指定商品・役務は第16類に属します。特許庁は「登録第5606358号商標の商標登録を維持する」と判断しました(登録維持)。類似する商標を出願する際は、本件の判断枠組みを踏まえて称呼・外観・観念や指定商品の重なりを事前に確認することが重要です。

※ 上記は審決公報の本文から自動で整理した要約です。正確な内容は下記の公報原文をご確認ください。

結論テキスト

登録第5606358号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第5606358号商標(以下「本件商標」という。)は、「POSTEX」の欧文字と「ポステックス」の片仮名とを上下二段に横書きしてなり、平成25年3月21日に登録出願、第16類「紙類,文房具類,印刷物,圧着はがき用原紙,はがき圧着機,事務用又は家庭用ののり及び接着剤」を指定商品として、同年6月28日に登録査定、同年8月9日に設定登録されたものである。

2 引用商標

登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、登録異議の申立ての理由として引用する登録商標は、以下の6件であり、いずれも現に有効に存続しているものである。

(1)登録第第2081504号商標(以下「引用商標1」という。)は、「POST−IT」の文字を横書きしてなり、昭和54年10月15日に登録出願、第25類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、同63年6月30日に設定登録され、その後、平成20年10月8日に、指定商品を第16類「文房具類,紙類」とする指定商品の書換登録がされたものである。

(2)登録第3200996号商標(以下「引用商標2」という。)は、「ポスト・イット」の文字を横書きしてなり、平成5年6月3日に登録出願、第16類「一部には接着剤を有してなる付箋,その他の文房具類,事務用又は家庭用ののり及び接着剤」を指定商品として、同8年9月30日に設定登録されたものである。

(3)登録第3251867号商標(以下「引用商標3」という。)は、「POST−IT」の文字を横書きしてなり、平成5年12月10日に登録出願、第9類に属する別掲1のとおりの商品を指定商品として、同9年1月31日に設定登録されたものである。

(4)登録第3338554号商標(以下「引用商標4」という。)は、別掲2のとおりの構成からなり、平成7年5月25日に登録出願、第16類に属する別掲3のとおりの商品を指定商品として、同9年8月8日に設定登録されたものである。

(5)登録第4206827号商標(以下「引用商標5」という。)は、「ポスト・イット」の文字を標準文字で表してなり、平成9年6月27日に登録出願、第9類に属する別掲4のとおりの商品を指定商品として、同10年10月30日に設定登録されたものである。

(6)登録第4505271号商標(以下「引用商標6」という。)は、別掲5のとおりの構成からなり、平成12年11月13日に登録出願、第16類に属する別掲6のとおりの商品を指定商品として、同13年9月7日に設定登録されたものである。

以下、引用商標1ないし6をまとめていうときには「引用商標」という。

3 登録異議申立ての理由

申立人は、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであるから、同法第43条の2第1号により取り消されるべきであるとして、その理由を次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第7号証を提出した。

(1)引用商標が本件商標の先願先登録の商標であることは明らかである。また、本件商標の指定商品と引用商標の指定商品とが同一又は類似することは明らかである。

(2)本件商標と引用商標との比較

ア 外観上の類否

本件商標の欧文字部分と引用商標1、3、4及び6はその前半部分の「POST」を共通にしている。需要者は、商標に基づいて商品の選択する際に冒頭部に注意を払うものであるため、この「POST」が強く印象に残り記憶されるものである。そのため、本件商標と引用商標1、3、4及び6とを時と処を異にして離隔的に観察した場合、外観印象において近似するものといえる。したがって、本件商標は引用商標1、3、4及び6と外観において相紛れるおそれがある。

イ 称呼上の類否

本件商標と引用商標は、需要者の注意を惹くその前半部分の称呼「ポス」が共通している。そのため、両商標をそれぞれ一連に称呼した場合、両者は全体の語感・音調において近似し、彼此聞き誤るおそれがあるといわなければならないから、本件商標は引用商標と称呼上類似のものとなる。

(3)まとめ

以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものであるから、取り消されるべきものである。

4 当審の判断

本件商標の商標法第4条第1項第11号の該当性について、以下検討する。

(1)本件商標について

本件商標は、「POSTEX」の欧文字と「ポステックス」の片仮名とを上下二段に横書きしてなるところ、その構成中の片仮名部分は欧文字部分の読みを表すものと認められ、該文字はいずれも我が国において特定の意味を有する語として知られているものではなく、造語と認められるものであるから、構成全体として、その構成文字に相応して「ポステックス」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。

(2)引用商標について

引用商標は、引用商標1及び3が「POST−IT」の文字、引用商標2及び5が「ポスト・イット」の文字、引用商標4及び6が「Post−it」の文字と図形との結合商標からなるところ、文房具関連の分野の需要者、取引者においては、「Post−it」及び「ポスト・イット」の各文字は、申立人又は申立人の許諾を得た者が商品「糊付き付箋」に使用するものとして広く知られた商標と認められるから、「申立人の糊付き付箋(ポスト・イット)」の観念が生ずるものである。

(3)本件商標と引用商標との類否について

ア 外観の類否について

本件商標の外観と引用商標の外観とを比較すると、両者は、構成文字又は図形の有無において顕著な差異を有するものであるから、時と所を異にして離隔的に観察したとしても、外観において互いに相紛れるおそれはないものである。

なお、申立人は、本件商標と引用商標は、冒頭部分の「POST」を共通にしており、需要者は商品を選択する際に商標の冒頭部に注意を払うものであり、この「POST」が強く印象に残り記憶されるため、時と処を異にして離隔的に観察した場合、外観印象において近似する旨主張する。

しかしながら、本件商標は、「POSTEX」の欧文字と「ポステックス」の片仮名とを上下二段にまとまりよく一体的に横書きしてなるものであり、その構成中の「POST」の部分が取引者、需要者に対し商品の識別標識として強く支配的な印象を与えるものと認められる事由は見いだせないから、この点に関する申立人の主張は採用することはできない。

イ 称呼の類否について

本件商標から生ずる称呼「ポステックス」と引用商標から生ずる称呼「ポストイット」とを比較すると、両者は、いずれも比較的短い構成音数の5音構成であり、語頭部分において「ポス」の2音を共通にするが、その余の部分「テックス」と「トイット」とにおいて構成音の相違があるばかりでなく、本件商標が、促音を伴うことから「テ」の音が強く発音されるため、「ポス」「テックス」のように音節を区切って発音されるのに対し、引用商標は、「ポスト/POST/Post」と「イット/IT/it」の二つの語からなるため、「ポスト」「イット」のように音節を区切って発音されるものであるから、称呼において語調、語感が異なり、互いに相紛れるおそれはなく十分聴別し得るものである。

なお、申立人は、本件商標と引用商標は、需要者の注意を惹くその前半部分の称呼「ポス」が共通しているのため、両商標をそれぞれ一連に称呼した場合、両者は全体の語感、音調において近似し、彼此聞き誤るおそれがある旨主張するが、上述した理由により、その主張を採用することはできない。

ウ 観念の類否について

本件商標と引用商標から生ずる観念を比較すると、本件商標からは観念が生じないが、引用商標からは前記(2)のとおり、「申立人の糊付き付箋(ポスト・イット)」の観念が生ずるから、観念においても相紛れるおそれはない。

(4)小括

そうすると、本件商標と引用商標は、外観、称呼及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標である。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。

(5)結論

以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

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