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Trademark Appeal Case

称呼の類似性と要部抽出

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2013−14781(T2013−14781/J1)
審判種別不服
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

原査定を取り消す。
本願商標は,登録すべきものとする。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は,別掲1のとおりの構成からなり,第30類及び第43類に属する願書に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として,平成24年8月9日に登録出願,その後,指定商品及び指定役務については,当審における同25年8月1日付けの手続補正書により,第43類「うなぎ料理を主とする飲食物の提供,その他の日本料理を主とする飲食物の提供」と補正されたものである。

2 引用商標

原査定において,本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するものとして,拒絶の理由に引用した登録商標は,以下のとおりであり,現に有効に存続しているものである。

(1)登録第3156978号商標(以下「引用商標1」という。)は,別掲2のとおりの構成からなり,平成4年9月27日に登録出願,第42類「会席料理・懐石料理・しゃぶしゃぶ・ふぐ料理・瓦そば・てんぷら料理・刺し身料理・その他の日本料理の提供,ステ―キ・焼肉・ハム・その他の肉料理の提供,定食を主とする飲食物の提供(一般食堂が提供するもの),サラダの提供,オ―ドブルの提供,ケ―キ・アイスクリ―ム・その他のデザ―トの提供,茶・コ―ヒ―・ココア・清涼飲料及び果実飲料を主とする飲食物の提供,ビ―ル・ワイン・ウイスキ―・その他のアルコ―ル飲料の提供」を指定役務として,平成8年5月31日に特例商標及び重複商標として設定登録されたものである。

(2)登録第3189872号商標(以下「引用商標2」という。)は,別掲3のとおりの構成からなり,平成4年9月29日に登録出願,第42類「日本料理を主とする飲食物の提供,アルコ―ル飲料を主とする飲食物の提供」を指定役務として,平成8年8月30日に特例商標及び重複商標として設定登録されたものである。

(以下、引用商標1及び引用商標2をまとめていうときは,単に「引用商標」という。)

3 当審の判断

(1)本願商標

本願商標は,別掲1のとおり,筆書き風に縦書きされた「志津可」の文字(このうち「可」の文字は「津」の文字の右下に書されている。),その右側に縦書きで「江戸流鰻料理」の文字を配し,前記「志津可」の「津」の文字の下部を頭部とし,「可」の文字の下部と尾の部分が重なるように,青色の線でうなぎと思しき図形が円状に描かれ,これら文字の右上方に朱色の横長矩形を配した構成からなるものである。

そして,本願商標は,上記のとおり図形と文字とを組み合わせたものであるところ,当該図形部分と文字部分は容易に分離して看取される上,両者が一体となって特定の観念を生ずるものでもない。また,「江戸流鰻料理」の文字部分は,「江戸(東京)流の鰻を使用した料理」ほどの意味合いを容易に理解させ,本願の指定役務との関係においては,役務の質を認識させるものであるから,自他役務識別力はないか,あったとしても極めて弱いものである。

そうすると,本願商標は,中央に顕著に書された「志津可」の文字部分のみをもって取引に資されることも決して少なくないものであるから,文字部分全体から生ずる「エドリュウウナギリョウリシズカ」の一連の称呼のほかに,該文字部分に相応して「シズカ」の称呼をも生じ,「志津可」は,辞書等に載録が認められない一種の造語と認められるから,特定の観念を生じないものである。

(2)引用商標1について

引用商標1は,別掲2のとおり,黒塗り正方形に内接した白抜き円図形の中に植物と思しき絵図を配し,その右側に,筆書き風の書体で「しずか」の文字(「し」の文字と「ず」の文字は交差している。)を配し,これら平仮名文字の右上部に,小さく「ステーキ&しゃぶ」の文字を配した態様よりなるものであるところ,その図形部分と文字部は分離して看取される上,両者が一体となって特定の観念を生ずるものでもないから,引用商標1は,図形部分と文字部分がそれぞれ独立して役務の出所識別標識として機能し得るものといえる。

そして,「ステーキ&しゃぶ」の文字部分は別掲4に示すとおり,「しゃぶ」の語が,「しゃぶしゃぶ」を表すものとして普通に使用されていることからすれば,提供に係る料理名を表すものであって,自他役務識別力を有しないものである。さらに,該部分が極めて小さく書されている一方で,「しずか」の文字部分は,特徴的な構成態様で顕著に大きく書されているから,役務の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものと認められる。

そうすると,引用商標1は,「しずか」の文字部分から「シズカ」の称呼を生じ,「静かであるさま」ほどの観念を生ずるものである。

(3)引用商標2について

引用商標2は,別掲3のとおり,筆書き風に書された「しづか」の文字を横書きしてなるものであるから,「シズカ」の称呼を生じ,「しづか」は,辞書等に載録が認められない一種の造語と認められるから,特定の観念を生じないものである。

(4)本願商標と引用商標との類否について

本願商標と引用商標は,外観上,一見して判然と区別し得る顕著な差異を有するものであり,構成や色合いなど,取引者,需要者が両者から受ける印象は明らかに異にするというべきである。また,本願商標と引用商標は,「シズカ」の称呼を共通にする。さらに,引用商標1は「静かであるさま」ほどの観念を生じるが,本願商標及び引用商標2は観念を生じないから,本願商標と引用商標は,観念上,相紛れるおそれはない。

してみれば,本願商標と引用商標とは,その称呼を共通にするとしても,外観において顕著な差異を有し,観念についても相紛れるおそれはないものであるから,取引者,需要者に与える印象,記憶,連想等を総合的に勘案すれば,両者を同一又は類似の役務に使用したとしても,役務の出所について混同を生ずるおそれがない,非類似の商標というのが相当である。

(5)まとめ

以上のとおり,本願商標と引用商標とは非類似の商標であるから,本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は,取消しを免れない。

その他,本願について拒絶をすべき理由を発見しない。

よって,結論のとおり審決する。

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