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Trademark Appeal Case

不使用取消と使用権者の使用

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2013−300117(T2013−300117/J2)
審判種別取消
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第4486454号商標(以下「本件商標」という。)は、「TMOS」の欧文字を標準文字で表してなり、平成11年2月1日に登録出願、第9類「理化学機械器具,測定機械器具,配電用又は制御用の機械器具,電池,電気磁気測定器,電線及びケーブル,写真機械器具,映画機械器具,光学機械器具,眼鏡,加工ガラス(建築用のものを除く。),救命用具,電気通信機械器具,レコード,コンピュータプログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・磁気テープ・その他のデータ記憶媒体,その他の電子応用機械器具及びその部品,コンピュータソフトウエア,オゾン発生器,電解槽,ロケット,遊園地用機械器具,スロットマシン,運動技能訓練用シミュレーター,乗物運転技能訓練用シミュレーター,回転変流機,調相機,電気アイロン,電気式ヘアカーラー,電気ブザー,鉄道用信号機,乗物の故障の警告用の三角標識,発光式又は機械式の道路標識,火災報知機,ガス漏れ警報器,事故防護用手袋,消火器,消火栓,消火ホース用ノズル,消防車,消防艇,スプリンクラー消火装置,盗難警報器,保安用ヘルメット,防火被服,防じんマスク,防毒マスク,磁心,自動車用シガーライター,抵抗線,電極,溶接マスク,映写フィルム,スライドフィルム,スライドフィルム用マウント,録画済みビデオディスク及びビデオテープ,ガソリンステーション用装置,自動販売機,駐車場用硬貨作動式ゲート,金銭登録機,計算尺,硬貨の計数用又は選別用の機械,作業記録機,写真複写機,手動計算機,製図用又は図案用の機械器具,タイムスタンプ,タイムレコーダー,電気計算機,パンチカードシステム機械,票数計算機,ビリングマシン,郵便切手のはり付けチェック装置,ウエイトベルト,ウエットスーツ,浮袋,エアタンク,水泳用浮き板,潜水用機械器具,レギュレーター,アーク溶接機,家庭用テレビゲームおもちゃ,金属溶断機,検卵器,電気溶接装置,電動式扉自動開閉装置,メトロノーム」を指定商品として、平成13年6月29日に設定登録、現に有効に存続しているものである。

第2 請求人の主張

請求人は、本件商標の指定商品中、第9類「電気通信機械器具,コンピュータプログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・磁気テープ・その他のデータ記憶媒体,その他の電子応用機械器具及びその部品,コンピュータソフトウエア」についての登録を取り消す。審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、請求の理由、答弁に対する弁駁及び口頭審理における陳述(口頭審理陳述要領書を含む。)において、要旨以下のように述べた。

1 請求の理由

請求人は、本件商標の使用の有無を調査したが、本件商標は、審判請求に係る指定商品について、継続して3年以上日本国内において使用された事実が存しないから、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。

2 弁駁の理由

本件商標権者である「セミコンダクター・コンポーネンツ・インダストリーズ・リミテッド・ライアビリティ・カンパニー」(以下「SCILLC」という場合がある。)の通常使用権者である「オン・セミコンダクター・コーポレーション」(以下「オン・セミコンダクター」という。)により、標章「TMOS」が商品「トランジスター」に使用されてきたと主張している。しかしながら、被請求人より提出された証拠書類からは、オン・セミコンダクターが日本国内における通常使用権者であることが何ら明確にされていないし、商標法第2条第3項各号に定める商標の使用行為は何ら明らかにされていない。

(1)「商標の使用者」についての主張

ア 被請求人にはオン・セミコンダクターが日本国内における通常使用権を所有していたあるいは所有していることを示す契約書の提出を求める。被請求人が提出した証拠書類は、ほとんど英文記載のものであり、オン・セミコンダクターが日本国内において通常使用権を有していたことあるいは有していることを窺わせるものは見出せない。

イ 被請求人は、本件商標が商標権者から本件商標の使用許諾を受けたオン・セミコンダクター及びその傘下にある海外支社・営業所等により使用されていると主張する。そして、オン・セミコンダクターの会社情報や商標権者の2012会計年度における企業リサーチに関する英文の会社概要及びその翻訳文(乙1及び乙2)を提出しているが、何を主張されようとしているのか不明である。

ウ また、オン・セミコンダクターが商標権者から本件商標の使用許諾を受けていることを証明するとして、乙第3号証の1〜3を提出している。しかしながら、これらの証拠書類においてオン・セミコンダクターが本件商標「TMOS」の通常使用権を所有していることなど何ら明らかにされていない。

エ 乙第4号証の1及び2は、単に、「Rev.12,June-2011」の日付と、「TMOS」が商標権者の登録商標であると述べられているにすぎず、どこの国の商標権とも明らかにされていない。ただそれだけの主張であり、オン・セミコンダクターが日本における商標権「TMOS」の通常使用権者であるなどとは一切述べられていない。

オ 乙第7号証の1〜乙第13号証の2には、本件商標の使用権者である「オン・セミコンダクター」、「ON Semiconductor」又は「ON Semionductor」が表示されていると主張する。このような記載があるからといって「オン・セミコンダクター(ON Semiconductor)」に通常使用権が存在するということを示しているものではない。このような表記は、同一系列の、特に親会社・子会社との関係においてはよくみられるところである。商標権者が著作権を有することが「各仕様書の左下欄外」に表示されているから、「同社が『オン・セミコンダクター』に本件商標の使用を許諾していることは明らかである。」との主張は、何を言っているのか理解することはできない。

なお、乙第7号証の1、乙第8号証の1、乙第9号証の1、乙第10号証の1、乙第11号証の1、乙第12号証の1及び乙第13号証の1のウェブサイトの写し(以下、これらを「本件製品検索ウェブサイト」という場合がある。)は、2013年6月の日付になっているので要証期間(平成22年3月4日〜平成25年3月3日)内の証拠書類とは認められない。また、乙第7号証の2、乙第8号証の2、乙第9号証の2、乙第10号証の2、乙第11号証の2、乙第12号証の2及び乙第13号証の2の仕様書(以下、これらを「本件英文仕様書」という場合がある。)は、要証期間よりはるか以前の書類であるから、要証期間における「商標の使用者」について証拠能力はない。

カ 請求人は、要証期間内において、SCILLCがオン・セミコンダクターの子会社であることを示す書類の提出を求める。また、乙第3号証の2及び3において、「TOMS」について多くの国々で商標登録された「TOMOS」のなかで、特に日本における登録商標が対象となっていることは明言されていない。この点を明確にした文書の提出を求める。

(2)「使用に係る商品」についての主張

ア 被請求人は、英文からなる乙第5号証の1及びその翻訳文(乙5の2)を提出して、「Description」において、本件商標に係る商品である「MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transister 金属酸化膜半導体電界トランジスター)」が記載されていると主張する。しかし、わが国の需要者を対象としたものならば日本語で説明されていてしかるべきである。

また、英文においても「High Cell Density MOSFET Die」(ハイセルデンシティー酸化膜シリコン[半導体]電界効果トランジスター)のダイ《材料の成形やくぼみをつけるために用いる工具,鋳型》であってトランジスターについていっている訳ではない。

被請求人が主張する「トランジスター」に使用されてきたということは間違った主張であり、しかもこの英文の証拠書類は、特に日本の取引者・需要者を対象としたものでもなく、受け入れることはできない。

被請求人はまた、英文の説明からなる2005年5月の「ON Semiconductor New Product News」(乙6の1)を提出して、その中に「Power MOSFET」の記載があるから、「パワー金属酸化膜半導体電界効果トランジスター」が記載されていると主張する。しかし該書面は、英文の説明書であり、しかもドル表示からして日本の一般の取引者・需要者を対象としたものとは思わない。ましてや、これは「May 2005」のものであり、要証期間外のものであるから証拠力はないと考える。

イ 本件製品検索ウェブサイトには、「MTP10N60E7」,「MTP8N50E」,「MTP6N60E」等の製品番号が記載されていて、本件英文仕様書には「Power Field Effect Transister」の記載があるから、「トランジスター」について使用していると主張している。しかし、本件英文仕様書は、要証期間のはるか以前の印刷物であって証拠能力はない。ましてや、英文で記載されたこれらの仕様書は、日本の取引者・需要者を対象としたものではないことは明らかである。仮にこれらが要証期間内のものであるとしても、英文の印刷物の記載の説明をもってわが国で「トランジスター」を使用していたことにはならない。

(3)「使用に係る商標」についての主張

ア 被請求人は、乙第5号証の1の「製品変更通知」の「Description (説明)」の欄に「TMOS」の言葉がでてくると主張している。乙第5号証の1や乙第6号証の1の英文説明書のなかに「TMOS」という言葉がでてくるからといって、商標「TMOS」が商品との関係で具体的に使用されていることにはならない。

イ 本件英文仕様書は、英文の印刷物の記載の説明中に、「TMOS」という言葉がでてくるからといって、わが国で商標「TMOS」が使用されていたことにはならない。

また、前記仕様書中の、商標であることを示すマークを付した「TOMS」は、米国の登録商標の使用であり、本件商標の使用ではない。

(4)「使用時期」についての主張

ア 本件英文仕様書は、それぞれ、「October,1999-Rev.0」、「March,2001-Rev.3」、「March,2001-Rev.5」、「August,2006-Rev.1」、「August,2006-Rev.3」、「June,2006-Rev.3」及び「March,2004-Rev.2」の印刷物であり、要証期間よりはるか以前の書類であるから、証拠能力はないと考える。

イ 乙第7号証の1〜乙第13号証の2は、要証期間外の証拠書類であって、本件商標を商品「トランジスター」についてわが国で要証期間内に使用したことにはならない。被請求人による使用時期の説明は何ら意味をなさない。

乙第12号証の3及び乙第13号証の3も2013年6月にウェブサイトをコピーしたものであって要証期間外のものであるから、証拠能力はない。仮に2012年11月2日の登録日に「MTD10N10ELT4,ON SEMICONDUCTOR 56(在庫個数)」、2012年11月7日の登録日に「MTD6N15T4 ON SEMI 2365(在庫個数)」、等の表記があるからといって、本件商標「TMOS」が商品「トランジスター」に実際に使用され販売されていたという証明にはならない。

乙10号証の4及び5、及び乙第11号証の4及び5は、要証期間内については何らの記載がなく、また、本件商標の使用との関係で何らの根拠のない書類であると考える。

(5)「使用場所」についての主張

ア 英文記載の説明書は、特別な事情でもない限り、日本の取引者・需要者を対象としたものではありない。したがって、提出にかかる書類は、わが国では証拠力がないと考える。

イ 被請求人は、乙第5号証の1について、「オン・セミコンダクターの日本語ウェブサイトに掲載されていることから」と主張しているが、その中における日本文の説明と英文の説明は別個であり、英文の記載が日本の取引者・需要者を対象としているとする特段の理由はない。また、このウェブサイトは、英文による説明においても和文による説明においても商標の使用場所とは全く別個の内容を示すものである。なお、乙第6号証の1は、英文記載のものであって「May2005」の記載からすると要証期間外のものであるから証拠力はない。

本件商標「TMOS」を商品「トランジスター」について日本国内で具体的に使用された事実が提出書類によって明らかにされていない以上、商標の使用の場所は主張しえないと考える。

ウ 被請求人は、「使用場所」との関係で「本件英文仕様書は、・・・各製品の品番、供給状況等に関する情報と共に提出されていることから、『日本国内』における使用であることは明らかである」と主張するが、これらの証拠書類は、要証期間のはるか以前のものであって、本件の証拠能力はなく、これらの書類に基づく議論は適切ではない。仮に先の仕様書が要証期間内のものであったとしても、当該仕様書は、我が国の取引者・需要者を対象としたものとは考えられない。被請求人の主張する「トランジスターの需要者・取引者は、電気・電子機器の製造・販売者、電気・電子機器の分野の技術者・研究社等」であるから、英文の仕様書は容易に理解できるとする議論は、取引者・/需要者を極めて狭く把握した上での極論である。

エ 被請求人は、「トランジスター等に関する仕様書は、世界の技術者に情報を提供する必要があるために、世界共通の言語である英語で記載されるのが一般的であるとして日本の企業の例(乙14の1〜3)を証拠書類として提出している。

しかし、ウェブサイトにおいて日本語でトランジスター製品について説明され、その中で参考資料(Datasheet)としての書面を英文で見られるようにしているから(乙14の1〜3)といって、英文の仕様書が日本の取引者・需要者がそこまでトランジスターの内容に立ち入って英文による説明を読むか否かの問題と英文の関係文書がすべての日本国内の取引者・需要者を前提として用いられているという問題は全く別個のものと考える。したがって、請求人の主張は、説得力に欠けている。

オ 被請求人は、乙第15号証を提出して、日本国内の営業所であるオン・セミコンダクターの問い合わせ先が日本語のウェブサイトに示されているから、「万一、仕様書の内容について不明な点があったとしても、日本国内の取引者・需要者が日本語で問い合わせることができるサポート体制が考えられている」と主張しているが、英文による文書理解が日本の取引者・需要者にも当然の前提とするか否かの議論とこのサポート体制とは全く別個のものである。

(6)まとめ

以上の次第であるので、被請求人の主張する商標法第2条第3項第8号に該当する商標の使用は存在せず、本件商標「TMOS」は、本件審判請求の3年以内に日本国内において、通常使用権者を介して指定商品について使用されてきたということは何ら明らかにされていない。

したがって、本件商標は、取り消されるべきものと考える。

第3 被請求人の主張

被請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を審判事件答弁書、上申書及び口頭審理における陳述(口頭審理陳述要領書を含む。)において、要旨以下のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第16号証(枝番を含む。)を提出した。

1 本件商標の使用者

(1)商標の使用者

本件商標は、商標権者であるSCILLCから使用許諾を受けた、米国 アリゾナ州所在のオン・セミコンダクター及びその傘下にある海外支社・営業所等により使用されている。オン・セミコンダクターは、日本国内にも複数の工場、営業所等を所有している(乙1)。

(2)商標権者と使用者との関係

ア SCILLCは、オン・セミコンダクターの子会社であり、本件商標の所有者であると共に、自身もまたオン・セミコンダクターの一員として業務を行っている。その事実を証明するために、米国の出版社「Bloomberg」が提供する「BusinessWeek」電子版(主に企業の株式・投資情報を提供)から印刷した、2012会計年度におけるSCILLCの企業リサーチに関する記事(乙2の1)を提出する。

上記記事に、SCILLCが、2004年現在、オン・セミコンダクターの子会社であること、また、同記事に、SCILLC自体も「オン・セミコンダクター」(この場合の「オン・セミコンダクター」は、オン・セミコンダクター・コーポレーション及びその参加の子会社、海外支社から構成される企業体を意味する。)として業務を行っていることが記載されている。

オン・セミコンダクターの本社所在地は、SCILLCと同一である。

イ 次に、オン・セミコンダクターがSCILLCから本件商標の使用許諾を受けていることを証明するために、オン・セミコンダクターの日本語ウェブサイト中、「知的所有権」に関するサイトから印刷したもの(乙3の1)を提出する。ここには、「オン・セミコンダクターの登録商標と慣習法上の商標、及びその他一般的に使用される商標の一覧は、次のリンクから参照できる。」と記載されている。さらに、その「商標」というリンクを開くと、SCILLCが商標「TMOS」を所有していることが記載されている(乙3の2)

なお、このサイトは毎月更新されるため、日付が「2013年5月1日現在」となっている。そこで、少なくとも本審判請求の予告登録日前から、両社が上記のような関係にあったことを証明するために、2011年6月にオン・セミコンダクターから発行された「Master Components Selector Guide」の抜粋写し(乙4の1〜2)を提出する。この文献の最終頁に、本件商標と同じ構成からなる「TOMOS」がSCILLCの登録商標であることが記載されている。

2 本件商標の使用

(1)乙第5号証の1(乙5の2は訳文)は、オン・セミコンダクターの日本語ウェブサイトに掲載されている本件商標「TMOS」に係る製品に関する変更通知を印刷したものである。この「製品変更通知」の「Description (説明)」の欄に、本件商標に係る商品である「MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor:金属酸化膜半導体電界効果トランジスター)」が記載されている。

(2)乙第6号証の1(乙6の2は訳文)は、オン・セミコンダクターのウェブサイトに掲載されている「ON Semiconductor New Product News」を印刷したものである。本件商標に係る商品である「Power MOSFET」(Power Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor:パワー金属酸化膜半導体電界効果トランジスター)が記載されている。

(3)乙第7号証の1〜乙第13号証の2(乙第12号証の3を除く。)は、いずれも本件商標の使用権者であるオン・セミコンダクターの日本語ウェブサイトに掲載されている、製品検索サイトにおける検索結果を印刷したものである。

本件製品検索ウェブサイト(乙第13号証の1を除く。)は、現在オン・セミコンダクターが取り扱っている商品のうち、製造を終了(obsolete)した商品であるが、まだ在庫がある商品を検索できるサイトである。このサイトの中程の項目欄は、左から右へ「Base Part」(シリーズ商品の基礎となる商品の製品番号)、「Orderable Part」(注文可能な商品の製品番号)、「Status」(商品の製造状況)、「Datasheet」(商品の仕様書)、「Check Availability」(在庫状況の問合せ先)等が記載されている。例えば、乙第7号証の1の場合は、「Base Part」の下に製品番号「MTP10N60E7」、「Orderable Part」の下に製品番号「MTP10N60E7」、「Status」の下に「Obsolete」、「Datasheet」の下にこの製品の仕様書のPDFファイル、「Check Availability」の下に「Rochester」が、それぞれ記載されている。すなわち、オン・セミコンダクターの製品番号「MTP10N60E7」は、添付の仕様書(乙7の2)に記載された商品であり、現在製造を終了しているが注文可能であり、在庫の問合せ先は「Rochester」であることを示している。

乙第13号証の1は、オン・セミコンダクターの別の製品検索サイト(現在製造販売中の製品に関する検索サイト)における検索結果を印刷したものである。この検索結果には、オン・セミコンダクターの製品番号「MTD6N15T4G(MTD6N15のシリーズ商品の1つ)」は、現在製造されている(Active)こと、ならびに、輸出される際のパッケージ、コンテナ、価格、在庫状況等が記載されている。

(4)乙第12号証の3、乙第13号証の3は、インターネットを介して日本国内で電子部品・半導体等を販売している「CleverWorldNet.com」の検索サイトにおける検索結果を印刷したものである。この検索結果には、同社が需要者に供給可能な商品の型番、メーカー、在庫個数、当該情報の登録日、及び最終更新日が記載されている。

3 商標の使用者

(1)本件製品検索ウェブサイトは、オン・セミコンダクターの日本語ウェブサイトの「製品紹介」サイトを印刷したものであり、そのウェブサイトの左上には、本件商標の使用権者である「オン・セミコンダクター」「ON Semiconductor」が表示されている。

上記ウェブサイトがオン・セミコンダクターにより管理・運営されていることは、当該ウェブサイトの「会社概要」サイト内に添付されている会社情報(乙1)からも明らかである。

(2)本件英文仕様書は、いずれも上記ウェブサイト内の各製品に関する情報提供欄の「Datasheet」(仕様書)欄にPDFファイルとして添付されており、あるいは、「製品」欄の各製品番号が仕様書のPDFファイルとリンクしている。当該仕様書の右上には、本件商標の使用権者である「ON Semiconductor」が表示されている。

なお、各仕様書の左下欄外には、商標権者であるSCILLCが著作権者を有することが表示されていることから、同社がオン・セミコンダクターに本件商標の使用を許諾していることは明らかである。

したがって、インターネットを介して仕様書を提供している主体、すなわち登録商標「TOMS」の使用者は、オン・セミコンダクターであることは明らかである。

4 使用に係る商品

本件検索ウェブサイトには、それぞれ製品番号「MTP10N60E7」(乙7の1)、「MTP8N50E」(乙8の1)、「MTP6N60E」(乙9の1)、「MTB9N25E」(乙10の1)、「MTB15N06V」(乙11の1)、「MTD10N10EL」(乙12の1)、「MTD6N15T4G(MTD6N15のシリーズ商品の1つ)」(乙13の1)が記載され、これに添付された各仕様書(本件英文仕様書)には、本件商標の使用に係る商品「Power FET(パワー電界効果トランジスター)」(乙7の1、乙10の2)、「Power Field Effect Transistor (パワー電界効果トランジスター)」(乙8の2、乙9の2、乙11の2、乙12の2、乙13の2)が記載されている。

使用に係る上記商品「トランジスター」は、本件審判の請求に係る指定商品中「電子応用機械器具及びその部品」に含まれる。

5 使用に係る商標

(1)乙第5号証の1の「製品変更通知」の「Description (説明)」の欄の第8行目に、本件商標「TMOS」が記載されている。

「TMOS」は、オン・セミコンダクターの特定タイプのトランジスター製品群(特にMOSFET)の商標として使用されている。商標「TMOS」は、トランジスターの種類・性能を表わす数字又は欧文字と共に「TMOS 7」、「TMOS V」のように使用される場合がある。

(2)本件英文仕様書には、本件商標と同一の文字と認められる「TMOS」の文字が他の説明文の文字から独立して、各仕様書の冒頭等に、大きな文字のゴシック体等で目立つように記載されている。

上記「TOMS」の直下又は右横等に、「パワー電界効果トランジスター』という商品名が記載されている。したがって、「TOMOS」が上記商品に使用する商標であることは容易に認識できる。

なお、「TOMOS」は、オン・セミコンダクター製の特定タイプのトランジスター(パワー電界効果トランジスター)の製品群に付された、いわゆるシリーズ商標である。この下位の製品群は、製品の種類や機能により、数字や欧文字を組み合わせて「TMOS 7」、「TMOS V」、「TMOS E-FET」のように表記される。

6 使用時期

(1)乙第5号証の1には、この製品変更通知の発行日が、「2011年12月05日」であることが記載されている。

乙第6号証の1には、「ON Semiconductor New Product News」という題号の下に、「2005年5月」と記載されている。また、乙第6号証の1は「2013年6月2日」に、オン・セミコンダクターの日本語ウェブサイトから印刷したものである。

したがって、「ON Semiconductor New Product News」は、「2005年5月」から「2013年6月2日」までの期間内、少なくとも審判請求の予告登録日前3年以内に、オン・セミコンダクターの日本語ウェブサイトに掲載されていたことは明らかである。

(2)乙第7号証の1には、このウェブサイトを印刷した「2013年6月11日」の日付が記載されている。乙第7号証の2には、この仕様書が作成された「1999年10月」の日付が記載されている。

したがって、この仕様書は、「1999年10月」から「2013年6月11日」までの期間内、少なくとも本審判請求の予告登録日前3年以内に、オン・セミコンダクターの日本語ウェブサイトに掲載されていたことは明らかである。

同様に、乙第8号証の2の仕様書は、当該仕様書が作成された「2001年3月」から乙第8号証の1のウェブサイトを印刷した「2013年6月10日」までの期間、オン・セミコンダクターの日本語ウェブサイトに掲載されていたことは明らかである。

同様に、乙第9号証の2の仕様書は、「2001年3月」から乙第9号証の1のウェブサイトを印刷した「2013年6月3日」までの期間、オン・セミコンダクターの日本語ウェブサイトに掲載されていたことは明らかである。

同様に、乙第10号証の2の仕様書は、「2006年8月」から乙第10号証の1のウェブサイトを印刷した「2013年6月10日」までの期間、オン・セミコンダクターの日本語ウェブサイトに掲載されていたことは明らかである。

同様に、乙第11号証の2の仕様書は、「2006年8月」から乙第11号証の1のウェブサイトを印刷した「2013年6月10日」までの期間内、少なくとも本審判請求の予告登録日前3年以内に、オン・セミコンダクターの日本語ウェブサイトに掲載されていたことは明らかである。

同様に、乙第12号証の2の仕様書は、「2006年6月」から乙第12号証の1のウェブサイトを印刷した「2013年6月3日」までの期間、オン・セミコンダクターの日本語ウェブサイトに掲載されていたことは明らかである。

加えて、乙第12号証の3には、「2012年11月2日」現在、オン・セミコンダクターの製品番号「MTD10N10ELT4」の在庫が56個あることが表示されている。パワー電界効果トランジスターは微小な商品であるため、一般に商品上には製品番号のみが付される。このような商品を需要者が注文するときは、その製品番号とリンクするオン・セミコンダクターが作成した仕様書を見て製品の内容を確認する必要がある。したがって、上記商品の仕様書は、少なくとも「2012年11月2日」現在、インターネットを介して提供されていたことは明らかである。

また、前記同様に、乙第13号証の2の仕様書は、「2004年3月」から「2013年6月11日」までの期間、オン・セミコンダクターの日本語ウェブサイトに掲載されていたことは明らかである。

加えて、乙第13号証の3には、「2012年11月5日」現在、オン・セミコンダクターの製品番号「MTD6N15」の在庫が7750個、「MTD6N15T4」の在庫が85個であること、また、「2012年11月7日」に「MTD6N15T4」の在庫が2365個であること等が表示されている。したがって、前記のとおり、注文するときは、仕様書を見て製品の内容を確認する必要があるから、上記商品の仕様書は、少なくとも「2012年11月」現在、インターネットを介して提供されていたことは明らかである。

以上のとおり、本件英文仕様書は、いずれも、少なくとも本審判請求の予告登録日前3年以内にオン・セミコンダクターの日本語ウェブサイトに掲載されていた。

(3)請求人は、要証期間内の日付を有する証拠が提出されていないから、要証期間における使用が認められないと主張しているので、仕様書を管理している米国のオン・セミコンダクターから提供された、仕様書に関するログファイルの写し(乙10の4(乙10の5は訳文)、乙11の4(乙11の5は訳文)を提出する。

ア 「MTB9N25E」の仕様書(乙10の2)に関するログファイル(乙10の4)

「MTB9N25E」のPDFファイルと、前記オン・セミコンダクターの日本語ウェブサイト内の製品番号「MTB9N25E」の仕様書欄との関係を示すログファイル(乙10の4)には、2003年10月24日午後3時2分29秒に接続したことが記録され、2006年8月10日午後12時25分14秒〜26分4秒及び同月15日午前7時7分〜8分32秒に一時的に削除したことが記録されているが、それ以降の記録はない。すなわち、当該PDFファイルの内容を変更した記録も、オン・セミコンダクターの日本語ウェブサイトとの間の接続を解除した記録もない。

以上のログファイルの記録から、乙第10号証の2の仕様書(2006年8月改訂第1版)のPDFファイルは、2006年8月15日から、2013年6月2日(乙10の1のウェブサイトの出力時点)までの間、継続してオンセミコンダクターのウェブサイト内の製品番号「MTB9N25E」に関する仕様書欄に添付されて、インターネットを介して何人も閲覧し得る状態に置かれたことは明らかである。

イ 「MTB15N06V」の仕様書(乙11の2)に関するログファイル(乙11の4)

「MTB15N06V」のPDFファイルと、前記オン・セミコンダクターの日本語ウェブサイト内の製品番号「MTB15N06V」の仕様書欄との関係を示すログファイル(乙11の4)には、2003年10月24日午後3時2分21秒に接続したことが記録され、2006年8月8日午前11時44分25秒〜45分27に一時的に削除したことが記録されている。そして、あるウェブサイトと当該仕様書のPDFファイルとの接続が解除された場合には、2013年4月15日午後2時44分52秒の記録のように接続が解除された記録がされるので、上記ログファイルの記録から、乙第11号証の2の仕様書(2006年8月改訂第3版)のPDFファイルは、2006年8月8日から、2013年6月10日(乙11の1のウェブサイトの出力時点)までの間、継続してオンセミコンダクターのウェブサイト内の製品番号「MTB15N06V」に関する仕様書欄に添付されて、インターネットを介して何人も閲覧し得る状態に置かれたことは明らかである。

7 使用場所

乙第5号証の1〜乙第13号証の2(乙12の3を除く。)は、いずれもオン・セミコンダクターの日本語ウェブサイト上に掲載され、本件英文仕様書は、オン・セミコンダクターの日本語ウェブサイトの「製品紹介」に関するサイト内において、各製品の品番、供給状況等に関する情報と共に提供されていることから、「日本国内」における使用であることは明らかである。

この点について、請求人は、仕様書が英文で記載されているため、日本の取引者・需要者を対象としておらず、日本国内における使用とはいえないと主張している。

しかしながら、トランジスターの需要者・取引者は、電気・電子機器等の製造者、販売者、電気・電子分野の技術者・研究者等(以下「当業者」という。)であり、いわゆる一般大衆ではない。仕様書は、非常に容易括明瞭な英語で記載されているため、当業者であれば、日本人であっても容易に内容を理解することができる。また、トランジスター等の仕様書は、世界中の技術者に情報を提供する必要があるために、英語で記載されるのが一般的である。例えば、ローム株式会社の日本語ウェブサイトのトランジスターに関する製品情報に添付されている仕様書は英文のみで記載されているが(乙14の1〜3)、当該仕様書が日本国内の取引者・需要者に提供されていることは明白である。

さらに、オン・セミコンダクターの日本語ウェブサイトには、当該サイト内に掲載されている製品の問い合わせ先として日本国内の販売代理店の電話番号が掲載されている(甲15)。したがって、日本国内の需要者・取引者が日本語で問い合わせることができるサポート体制が整えられている。

以上の理由から、仕様書が単に英語で記載されているという理由のみをもって、日本国内の使用ではないという請求人の主張は当を得ていない。

8 使用の態様

本件英文仕様書には、各製造番号に対応する「パワー電界効果トランジスター」の機能、構成、寸法等が詳細に記載されていることから、需要者が商品を取引又は購入する際の重要な手がかりとなるものである。したがって、各仕様書は、商品に関する取引書類の一種である。

また、各仕様書には、オン・セミコンダクターが管理運営する上記日本語ウェブサイトの「製品紹介」サイト内の各製品に関する情報提供欄の「仕様書」欄のPDFファイルとして添付され、インターネットを介して何人も閲覧できる状態に置かれている。

本件英文仕様書には、標章「TOMOS」及び商品「パワー電界効果トランジスター」が明記されていることから、通常「商品に関する取引書類を内容とする情報に標章を付して電磁的方法により提供する行為」(商標法第2条第3項第8号)に該当する。

9 むすび

以上のとおり、本件商標は、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において、通常使用権者により、その請求に係る指定商品中「トランジスター」について使用されていることは明らかである。

第4 当審の判断

1 事実認定

被請求人の提出した証拠及びその主張によれば以下の事実が認められる。

(1)乙第2号証の1(乙2の2は、その訳文。)は、米国の出版社「Bloomberg」が提供する「BusinessWeek」電子版(主に企業の株式・投資情報を提供)に係るSCILLCに係る会社概要のウェブサイトを、2013年5月31日に印刷した写しであると推認できるものであり、2004年12月14日現在、SCILLCがオン・セミコンダクターの子会社であること、2012会計年度の役員、役員報酬等が記載されている。

乙第3号証の1は、オン・セミコンダクターの日本語ウェブサイトの知的所有権に係るサイトの写しであり、「オン・セミコンダクターの登録商標と慣習法上の商標およびその他一般的に使用される商標の一覧は、次のリンクから参照できます。」と記載され、接続ボタンがある。

乙第3号証の2は、上記サイトに接続されたサイトの写しと推認できるものであり、「2013年5月1日現在、セミコンダクター・コンポーネンツ・インダストリーズ・リミテッド・ライアビリティ・カンパニーは、米国および/または多くの外国において登録された、ON、ON Semiconductorの文字、および下記のロゴを含む商標を所有します。」、「オン・セミコンダクターは、商標及び登録商標の一覧を定期的に更新し、管理しています。」として、記載された商標の中に「TOMS」がある。

(2)乙第10号証の1は、 2013年6月2日に印刷されたオン・セミコンダクターの日本語ウェブサイトの「廃品の検索」のサイトであり、ベースの製品「MTB9N25E」について、注文可能な製品番号として、「MTB9N25ET4」が掲載されており、仕様書に接続していることを示すマークが記載されている。

乙第10号証の2(乙10の3は訳文)は、上記サイトに接続されているものと認められる、2006年8月に作成された、商品「Power FET」(電界効果トランジスター)に係る「MTB9N25E」の英文仕様書であり、「TMOS E−FET」の商標が記載され、トランジスターの図が掲載されている。

乙第10号証の4(乙10の5は訳文)は、左上に「CollateralDocument MTB9N25E/D」と書してなる書面であり、被請求人が「MTB9N25E」の仕様書に関するログファイルと述べるものである。

そして、当該ログファイルには、2003年10月24日午後3時2分29秒に附帯書類をMTB9N25Eのウェブパートに接続したことが認められ、2006年8月10日に修正された記録が記載されていることが認められる。

(3)乙第11号証の1は、 2013年6月10日に印刷されたオン・セミコンダクターの日本語ウェブサイトの「廃品の検索」のサイトであり、ベースの製品「MTB15N06V」について、注文可能な製品番号として、「MTB15N06V」、「MTB15N06VT4」が掲載されており、仕様書に接続していることを示すマークが記載されている。

乙第11号証の2(乙11の3は訳文)は、上記サイトに接続されているものと認められる、2006年8月に作成された、商品「商品「Power Field Effect Transistor」(電界効果トランジスター)に係る「MTB15N06V」の英文仕様書であり、「TMOS V」の商標が記載され、トランジスターの図が掲載されている。また、当該仕様書の下部に「Semiconductor Components Industries,LLc」の表示がある。

乙第11号証の4(乙11の5は訳文)は、左上に「CollateralDocument MTB15N06V/D」と書してなる書面であり、被請求人が「MTB15N06V」の仕様書に関するログファイルと述べるものである。

そして、当該ログファイルには、2003年10月24日午後3時2分21秒に附帯書類を「MTB15N06V」のウェブパートに接続した記録が記載されていることが認められ、2006年8月8日に修正された記録が記載されていることが認められる。なお、当該ログファイルには、2013年4月15日までの記録が記載されているが、その間に上記接続を解除した記録の掲載はない。

(4)乙第12号証の1は、2013年6月3日に印刷されたオン・セミコンダクターの日本語ウェブサイトの「廃品の検索」のサイトであり、ベースの製品「MTD10N10EL」について、注文可能な製品番号として、「MTD10N10EL」、「MTD10N10ELT4」「MTD10N10ELT4G」が掲載されており、仕様書に接続していることを示すマークが記載されている。

乙第12号証の2は、被請求人が、上記サイトから接続されているものであるとする、2006年6月に作成された、商品「Power FET」(電界効果トランジスター)に係る「MTD10N10EL」の英文仕様書であり、「TMOS E−FET」の商標が記載され、トランジスターの図が掲載されている。また、当該仕様書の下部に「Semiconductor Components Industries,LLc」の表示がある。

乙第12号証の3は、半導体ICの在庫に係るウェブサイトであり、「2012-11-02」を登録日として、メーカー名を「ON SEMICONDUCTOR」とし、型番を「MTD10N10ELT4」について、在庫個数を「56」として掲載されていることが認められる。

2 以上によれば、以下の事実が認められる。

(1)通常使用権者について

前記1(1)によれば、投資情報に係る、商標権者であるSCILLCの会社概要(乙2の1)において、同社は、2004年12月において、オン・セミコンダクターの子会社であることを記載しており、また、当該会社概要が印刷された2013年5月31日時点においてもそのことが掲載されていたことからすると、商標権者は、少なくとも2004年12月以降から要証期間後である2013年5月において、オン・セミコンダクターの子会社であることが推認でき、さらに、要証期間内において、商標権者に係る「TMOS」の商標を含む知的所有権について、オン・セミコンダクターが管理していること、乙10号証の2等の仕様書において、オン・セミコンダクターの名称(On Semiconductor Corporation)の一部である「On Semiconductor」の商標を記載していること、また、後述のとおり、オン・セミコンダクターが、その日本語ウェブサイト(乙10の1ほか)において上記仕様書を使用して製品を取り扱っていたことが推認できることからすると、商標権者は、オン・セミコンダクターの子会社として密接な関係を有するものと認められ、親会社であるオン・セミコンダクターに対し、本件商標について通常使用権を許諾していると認定するのが相当である。

(2)本件商標の使用について

ア 乙第10号証の1及び2による使用について

前記1(2)によれば、オン・セミコンダクターは、電界効果トランジスター「MTB9N25E」について、同商品に係る2006年8月作成の仕様書(PDFファイル)を同時期以降、要証期間後まで継続して自己の日本語ウェブサイトに接続し掲載していることが認められ、当該仕様書には、「TMOS E−FET」の商標を使用していることが認められる。

イ 乙第11号証の1及び2による使用について

前記1(3)によれば、オン・セミコンダクターは、電界効果トランジスター「MTB15N06V」について、同商品に係る2006年8月作成の仕様書(PDFファイル)を同時期以降、要証期間後まで継続して自己の日本語ウェブサイトにおいて、接続し掲載していることが認められ、当該仕様書には、「TMOS V」の商標を使用していることが認められる。

ウ 乙第12号証の1及び2による使用について

前記ア及びイのとおり、オン・セミコンダクターは、電界効果トランジスターについて、その仕様書を作成し、自己の日本語ウェブサイトに掲載していたことが認められる。そうとすると、前記1(4)によれば、オン・セミコンダクターは、電界効果トランジスター「MTD10N10EL」について、2006年6月に仕様書を作成したことから、当該仕様書を同時期から要証期間後まで自己の日本語ウェブサイトに掲載していたものと推認することができ、加えて、要証期間内である2012年11月2日には、電界効果トランジスター「MTD10N10ELT4」の在庫56があることが認められることからすると、上記仕様書を使用して要証期間中の継続して当該商品の情報を提供してきたものと推認できるものであり、当該仕様書には「TMOS E−FET」の商標を使用していることが認められる。

エ 上記ア〜ウによれば、通常使用権者(オン・セミコンダクター)は、我が国において要証期間内に電界効果トランジスターについて「TMOS E−FET」、「TMOS V」の商標(以下、これらを「使用商標」という。)を取引書類(仕様書)に使用し、電磁的方法により提供する行為を行っていたもの(商標法第2条第3項第8号)と認めることができる。

そして、「電界効果トランジスター」は、本件審判請求に係る商品の範ちゅうの商品であり、使用商標は、いずれも「TMOS」の部分が要部と認められるから、本件商標と社会通念上同一の商標と認められるものである。

(3)請求人の主張について

ア 通常使用権者に関する主張について

請求人は、通常使用権に係る契約書、要証期間内において商標権者がオン・セミコンダクターの子会社であることの証拠及びオン・セミコンダクターの管理する「TMOS」の商標(乙3の2)が日本における登録商標が対象であることを明確にした文書を求めるなどと主張している。

しかしながら、前記(1)のとおり、少なくとも、オン・セミコンダクターは「TOMOS」の商標を管理していたことは明らかであり、(1)において認定した事実に照らすならば、商標権者は、オン・セミコンダクターに対し、本件商標について通常使用権を許諾しているものと評価し得るものである。

したがって、被請求人の上記主張は、採用できない。

イ 本件商標の使用について

(ア)請求人は、本件検索ウェブサイトは、2013年6月に印刷されたものであり、本件英文仕様書は、要証期間よりはるか以前の書類であることからこれらの証拠能力はない、と主張している。

しかしながら、前述のとおり、本件英文仕様書は本件検索ウェブサイトに添付(接続)して要証期間中も掲載されていたものと認められるから、請求人の上記主張は採用できない。

(イ)請求人は、本件英文仕様書は、英語であることから、我が国の需要者を対象としているものとはいえず、本件商標が我が国において使用されているということはできないと主張している。

しかしながら、本件英文仕様書は、通常使用権者の日本語ウェブサイトに接続して使用しているものであるから、我が国の取引者・需要者を対象として我が国において宣伝広告がなされていたものというべきである。

なお、請求人は、本件英文仕様書における「TMOS」に係る商標は、米国における登録商標の使用であり、本件商標の使用ではない、と主張している。

しかしながら、本件英文仕様書には、前記のとおり、「TMOS E−FET」、「TMOS V」等の商標が使用されていることは明らかであり、これらの使用商標は、本件商標と社会通念上同一のものであるから、その使用は、本件商標に係る使用と見て差し支えない。

3 まとめ

以上のとおりであるから、被請求人は、本件審判の請求の登録(平成25年3月4日)前3年以内に日本国内において、通常使用権者が本件請求に係る指定商品中の「トランジスター」に本件商標の使用をしたことを証明したと認め得るところである。

したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、取り消すことができない。

よって、結論のとおり審決する。

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