Trademark Appeal Case
地名・品質表示の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2013−15639(T2013−15639/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は,別掲1のとおりの構成からなり,第32類「島根県産のミネラルウォーター」を指定商品として,平成24年8月28日に登録出願されたものである。
2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は,「本願商標は,『島根のおいしい天然水』,『非加熱・弱アルカリ性』の文字を縦書きに書し,それらの文字列の背景に西日本の地図を淡色で,かつ,島根県の県域に相当する部分を濃色で表し,同県浜田市付近は円輪郭を付してなるものであるところ,本願商標の構成中の『おいしい天然水』は,自然の湧水や地下水を水源とするミネラルウォーターの商品の風味・品質を需要者に端的に訴求するものとして取引上一般に使用されており,『非加熱・弱アルカリ性』の文字は,本願の指定商品の製造方法及び品質を表示するものであり,『島根の』は,本願の指定商品の採水地・製造地が島根県内であることを認識させ,上記の地図部分についても,本願の指定商品の採水地・製造地である島根県の位置を需要者にわかりやすく図示したものであり,付記された上記の円輪郭から商品の製造地をさらに特定したものというべきである。その結果,本願商標は,『製造工程で加熱処理されていない弱アルカリ性の島根県産の天然水』の意味合いを需要者に認識させるにとどまるものというべきであり,本願商標は,その全体としても普通に用いられる方法で表示したものというのが相当である。してみれば,本願商標は,本願の指定商品の品質を普通に用いられる方法で表示したものであるから,商標法3条1項3号に該当する。」旨認定,判断し,本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
(1)本願商標について
本願商標は,別掲1のとおり,西日本の地図を淡い青色で表し,そのうち島根県に該当する部分を青色とし,同県西側の一部に青色リング状の図形を配した絵図(以下これらをまとめて「図形部分」という。)を背景として,「島根の」「おいしい天然水」の青色文字を2行に縦書きし,「島根の」の文字の下に,2本の縦線の間に「非加熱・弱アルカリ性」の青色文字を縦書きしてなるものである。
(2)本願商標の文字部分について
本願商標を構成する文字のうち,「島根の」「おいしい天然水」の文字は,「島根県産のおいしい天然水」であることを理解させ,2本の縦線の間に書された「非加熱・弱アルカリ性」の文字は,本願商標の指定商品との関係において,「加熱処理されずに製造された弱アルカリ性」のミネラルウォーターであること程度を理解させるにすぎないものであるから,これらに接する取引者,需要者は,本願商標が使用される商品が,「島根県産のおいしい天然水であって,加熱処理されずに製造された弱アルカリ性のものであること」程度を認識するにとどまるというのが相当である。
(3)本願商標の図形部分について
本願商標の図形部分は,一見して直ちに,島根県に該当する部分を青色で彩色した西日本の地図を表したものと看取される上,同県西側の一部に配されたリング状の図形についても,同県西側の一部地域を示したものと理解され得るものである。
さらに,別掲2のとおり,本願商標の指定商品の分野において,商品の採水地を表すために,県域や地方を表す地図内に,採水地を黒丸,青丸,白い輪郭を有する赤丸等で示すことが広く行われていることからすると,本願商標の図形部分に接する需要者は,リング状の図形について,その指定商品の採水地を表したものと容易に理解するといえる。
そうすると,本願商標の図形部分に接する取引者,需要者は,本願商標が使用される商品が,島根県西側の一部地域で採水されたものであること程度を認識するにとどまるというのが相当である。
(4)本願商標が商標法3条1項3号に該当することについて
上記(2)及び(3)よりすれば,本願商標をその指定商品に使用しても,これに接する取引者,需要者は,その商品が「島根県西側の一部地域で採水された(島根県産の)おいしい天然水であって,加熱処理されずに製造された弱アルカリ性のものであること」程度を認識するにとどまるというのが相当である。
してみれば,本願商標は,全体としても自他商品の識別標識としての機能を果たさず,単に商品の産地,品質及び製造方法を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなるものであるから,商標法3条1項3号に該当する。
(5)請求人の主張について
請求人は,本願商標の文字部分「島根の\おいしい天然水」は,一連一体の商標であり,この文字と同じ色に配色された島根県の地図図形と一体に併記されることにより,地図図形と一体に組み合わされた商標として認識されるという独特の構成からなること,地図図形にしても,県境を書き込んだ通常のものとは異なり,島根県部分を除いた西日本の地図全体を,県境表示のない一様な表記とすることにより,島根県だけを目立たせるように工夫を凝らしており,しかも,島根県の地図における金城町の位置を強調するためのリングを加えるという,特徴があることなどから,本願商標は識別力を有する旨主張する。
しかしながら,本願商標は,上記(2)ないし(4)のとおり,全体としても,「島根県西側の一部地域で採水された(島根県産の)おいしい天然水であって,加熱処理されずに製造された弱アルカリ性のものであること」程度を認識するにとどまるものであり,図形部分中の西日本の地図が県境を有さないとしても,本願商標の構成中に「島根の」の文字があることも相まって,青色で示された地域が島根県であることは直ちに理解し得るというべきであり,また,島根県西側の一部に配された青色のリング状の図形にしても,別掲2のとおり,本願商標の指定商品の分野において,商品の採水地を表すために,県域や地方を表す地図内に,採水地を白い輪郭を有する赤丸等で示すことが広く行われていることを踏まえると,該青色のリング状の図形は,採水地を示すものと容易に理解されるものである。
したがって,請求人の上記主張は採用できない。
(6)結語
以上のとおりからすれば,本願商標が商標法3条1項3号に該当するものであるとして,本願を拒絶した原査定は,妥当であって,これを取り消すことはできない。
よって,結論のとおり審決する。
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