Trademark Appeal Case
複合商標の要部と称呼
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2013−900002(T2013−900002/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第5526551号商標(以下「本件商標」という。)は、「THE NAKED TURTLE」の欧文字(標準文字による。)を横書きしてなり、2011年(平成23年)12月21日にアメリカ合衆国にした商標の登録出願を基礎としてパリ条約第4条による優先権を主張して、平成24年5月30日に登録出願、第33類「アルコール飲料(ビール及びウォッカを除く。)」を指定商品として、同年9月21日に登録査定、同年10月5日に設定登録されたものである。
2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、登録異議の申立てにおいて、以下の2件の登録商標(以下、これらの登録商標を総称する場合は、「引用商標」という。)を引用している。
(1)登録第5396638号商標(以下「引用商標1」という。)は、「THE NAKED GRAPE」の欧文字を横書きしてなり、平成22年8月20日に登録出願、第33類「ぶどう酒」を指定商品として、同23年3月11日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
(2)登録第5398670号商標(以下「引用商標2」という。)は、別掲のとおりの構成からなり、平成22年8月23日に登録出願、第33類「ぶどう酒」を指定商品として、同23年3月18日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
3 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものであるから、同法第43条の2第1号により取り消されるべきであると申し立て、その理由を要旨次のとおり述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第3号証を提出している。
なお、申立人は、平成25年5月24日付け及び同年11月19日付けの上申書において、「本件商標権者と交渉中であり、今暫くの審理猶予をいただきたい」旨及び「交渉が完了したら、本件異議申立ては取り下げる」旨も、あわせて述べている。
(1)本件商標は、「THE NAKED TURTLE」の欧文字を横書きした構成からなり、その構成中に、「THE NAKED」及び「NAKED」の文字を含むものである。他方、引用商標についても、引用商標1が「THE NAKED GRAPE」の欧文字を横書きした構成からなり、また、引用商標2が別掲のとおりの構成からなり、いずれも、「THE NAKED」及び「NAKED」の文字を含むものである。
(2)本件商標と引用商標は、いずれも3つの語からなり、全体として親しまれた熟語を形成しておらず、全体として冗長であるので、「THE NAKED」又は「NAKED」の文字部分より、「ザネイキッド」又は「ネイキッド」と略された称呼も生ずるものである。
(3)したがって、本件商標と引用商標とは、「ザネイキッド」又は「ネイキッド」の称呼を共通にする類似の商標であり、しかも、本件商標の指定商品と引用商標の指定商品とは類似のものである。
よって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
4 当審の判断
(1)本件商標について
本件商標は、上記1のとおり、「THE NAKED TURTLE」の欧文字を横書きしてなるものであり、その構成文字全体からは、「ザネイキッドタートル」の称呼が生ずるものである。そして、本件商標は、「THE」、「NAKED」及び「TURTLE」の3つの語で構成されているところ、その構成中の「THE」の文字が英語の定冠詞として、「NAKED」の文字が「裸の、むきだしの、覆いのない」の意味を有する英語として、また、「TURTLE」の文字が「亀」の意味を有する英語として、それぞれ親しまれたものであるから、その構成文字全体からは「裸の亀」程度の意味合いを容易に認識し得るものといえる。
また、本件商標は、その構成文字全体から生ずる一連の称呼がやや冗長なものである上、前示のとおり、「THE」の文字が英語の定冠詞であって、「裸の亀」の意味合いとの関係上、看者の注意を惹くのが「NAKED TURTLE」の文字部分であると考えられることから、一連の称呼のほかに、該文字部分に相応して「ネイキッドタートル」の称呼をも生ずるものといえる。
(2)引用商標について
ア 引用商標1
引用商標1は、上記2(1)のとおり、「THE NAKED GRAPE」の欧文字を横書きしてなるものであり、その構成文字全体からは、「ザネイキッドグレープ」の称呼が生ずるものである。そして、引用商標1は、「THE」、「NAKED」及び「GRAPE」の3つの語で構成されているところ、その構成中の「THE」及び「NAKED」の文字の意味合いは上記(1)のとおりであり、また、「GRAPE」の文字が「ぶどう」の意味を有する英語として、それぞれ親しまれたものであるから、その構成文字全体からは「覆いのないぶどう」、すなわち、「皮のむかれたぶどう」程度の意味合いを容易に連想し得るものといえる。
また、引用商標1は、その構成文字全体から生ずる一連の称呼がやや冗長なものである上、その構成中の「THE」の文字が英語の定冠詞であって、「覆いのないぶどう」、すなわち、「皮のむかれたぶどう」の意味合いとの関係上、看者の注意を惹くのが「NAKED GRAPE」の文字部分であると考えられることから、一連の称呼のほかに、該文字部分に相応して「ネイキッドグレープ」の称呼をも生ずるものといえる。
イ 引用商標2
引用商標2は、別掲のとおり、「THE」、「NAKED」及び「GRAPE」の欧文字及びぶどうと思しき図形からなるものであり、その構成文字全体からは、「ザネイキッドグレープ」の称呼が生ずるものである。そして、その構成文字全体からは、上記アのとおり、「覆いのないぶどう」、すなわち、「皮のむかれたぶどう」程度の意味合いを容易に連想し得るものといえる。
また、引用商標2は、その構成文字全体から生ずる一連の称呼がやや冗長なものである上、その構成中の「THE」の文字が英語の定冠詞であって、外観上、他の文字に比べて極めて小さく表示されており、「覆いのないぶどう」、すなわち、「皮のむかれたぶどう」の意味合いとの関係上、看者の注意を惹くのが「NAKED GRAPE」の文字部分であると考えられることから、一連の称呼のほかに、該文字部分に相応して「ネイキッドグレープ」の称呼をも生ずるものといえる。
ウ 小括
引用商標は、それぞれは上記のとおりであり、いずれも、外観については、構成文字が「THE NAKED GRAPE」の欧文字からなるものであり、称呼については、その構成文字全体から「ザネイキッドグレープ」の称呼が生ずるほか、「NAKED GRAPE」の文字部分に相応して「ネイキッドグレープ」の称呼をも生ずるものであり、観念については、「皮のむかれたぶどう」程度の意味合いを容易に連想し得るものといえる。
(3)本件商標の商標法第4条第1項第11号該当性について
本件商標と引用商標は、それぞれ、上記のとおりであるところ、外観においては、その構成文字において「TURTLE」の文字部分と「GRAPE」の文字部分とが異なる(本件商標と引用商標2とは、これに加えて、図形の有無も異なる。)など、大きく相違するものである。また、称呼においても、本件商標の「ザネイキッドタートル」又は「ネイキッドタートル」の称呼と引用商標の「ザネイキッドグレープ」又は「ネイキッドグレープ」の称呼とは、明らかに聴別し得る差異を有するものである。さらに、観念においても、本件商標から生ずる「裸の亀」の観念と引用商標から連想する「皮のむかれたぶどう」の観念とは、明らかに相違するものである。
そうすると、本件商標と引用商標とは、その外観、称呼及び観念のいずれにおいても、相紛れるおそれのない非類似の商標といえるから、たとえ、本件商標の指定商品と引用商標の指定商品とが同一又は類似のものであるとしても、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するということはできない。
(4)申立人の上申書について
申立人は、平成25年5月24日付け及び平成25年11月19日付け上申書において、「本件商標権者と交渉中であり、今暫くの審理猶予をいただきたい」旨及び「交渉が完了したら、本件異議申立ては取り下げる」旨述べている。
当審においては、当該上申書を受け、手続を中止していたところ、その後、1年以上経過しても、登録異議申立ての取下げや交渉完了の報告がなく、これ以上、手続を中止していなければならない理由も見いだし得ないから、その手続中止を解除したものである。
(5)むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項に基づき、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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