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Trademark Appeal Case

周知商標と混同のおそれ

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2013−900384(T2013−900384/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第5609226号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第5609226号商標(以下「本件商標」という。)は、「セクシーボーイ」の片仮名及び「SEXY BOY」の欧文字を上下2段に横書きしてなり、平成25年3月29日に登録出願、第3類「自動車用芳香剤」を指定商品として、同年7月17日に登録査定、同年8月23日に設定登録されたものである。

2 引用商標

登録異議申立人(以下「申立人」という。)が本件商標の登録異議の申立ての理由に引用する登録商標は、次のとおりの商標であり(以下、これらの商標を総称する場合は「引用商標」という。)、いずれも現に有効に存続しているものである。

(1)登録第4613794号商標(以下「引用商標1」という。)は、「セクシーボーイ」の片仮名を標準文字で表してなり、平成13年6月7日に登録出願、「香水」を含む第3類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同14年10月18日に設定登録されたものである。

(2)登録第4613795号商標(以下「引用商標2」という。)は、「セクシーガール」の片仮名を標準文字で表してなり、平成13年6月7日に登録出願、「香水」を含む第3類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同14年10月18日に設定登録されたものである。

3 登録異議の申立ての理由

申立人は、本件商標は、商標法第4条第1項第7号及び同項第15号に該当するものであるから、その登録は取り消されるべきである旨申立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号ないし甲第14号証を提出した。

(1)申立人及び申立人の使用に係る商標の周知性について

申立人は、1978年創立のフランスの伝統に則ったプロバンス地方の香水メーカーである。1978年から、「JEANNE ARTHES」ブランドの香水の販売を開始し、1980年代には、世界中に輸出するに至り、今日では100カ国以上に輸出し販売している。日本市場向けには、日本市場専用の商品を開発し、10年以上の永きにわたり、株式会社フィッツコーポレーション(以下「フィッツコーポレーション」という。)を代理店に指定し、20品目以上の香水を日本市場で販売している。

フィッツコーポレーションは、東京都港区北青山所在の、香水及び化粧品の企画、開発、製造、輸入、販売を業とする株式会社である。フィッツコーポレーションは、香水として、申立人の「JEANNE ARTHES」ブランドのほかに、「RISINGWAVE、Vasilisa」等多数のブランドを扱っており、「JEANNE ARTHES」ブランドの香水としては、婦人用香水として「Sexy Girl セクシーガール」等を、男性用香水として「Sexy Boy セクシーボーイ」のシリーズのほか、「Rocky Man ロッキーマン」のシリーズを扱っている。

「Jeanne Arthes」、「ジャンヌ アルテス」は、我が国において、申立人のブランドとして周知である。このことは、Yahoo!Japanで「ジャンヌアルテス 香水」を日本語頁のみで検索すると、約127万件ヒットすることからも明らかであり、また、同ブランドの香水は、楽天、ヤフーショッピング、アマゾン、ビューティファクトリーなどの大手のネット販売サイトで取り扱われていることからも明白である。申立人ブランド「Jeanne Arthes」「ジャンヌ アルテス」は、引用商標の登録日はもとより、登録出願日には、我が国において関連需要者(成年男性、成年女性)の間で周知であった。

「セクシーボーイ」、「Sexy Boy」は、我が国において、申立人の香水の商標として周知であり、Yahoo!Japanで「ジャンヌ アルテス セクシーボ−イ」の検索で、約97,000件ヒットし、主な通販サイト全てで取り扱われている。

引用商標1の登録出願が平成13年6月7日であることからも明らかなように、申立人の香水「セクシーボ−イ」は既に10年以上にわたり日本市場で販売されており、そして、「セクシーボ−イ」は、商品名として使用され、商品には「Sexy Boy」が使用されている。すなわち、「セクシーボ−イ」、「Sexy Boy」は、商標権者の引用商標の登録日はもとより、登録出願日には、我が国において需要者の間で周知であった。

「セクシーガール」は、我が国において、申立人の香水の商標として周知であり、Yahoo!Japanで「ジャンヌ アルテス セクシーガール」の検索で、63,600件ヒットする。

引用商標2の登録出願が平成13年6月7日であることからも明らかなように、申立人の香水「セクシーガール」は既に10年以上にわたり日本市場で販売されており、そして、「セクシーガール」は、商品名として使用され、商品には「Sexy Girl」が使用されている。すなわち、「セクシーガール」、「Sexy Girl」は、商標権者の引用商標の登録日はもとより、登録出願日には、我が国において需要者の間で周知であった。

(2)商標法第4条第1項第7号該当性について

本件商標の出願時、我が国において、申立人の香水に使用する商標「セクシーボーイ」、「Sexy Boy」及び「セクシーガール」、「Sexy Girl」は需要者の間で周知であった。

香水と自動車用芳香剤とは密接に関連する商品である。身体につけるか、車内に置くかの違いである。ちなみに、香水を自動車の車内にふりかけ自動車用芳香剤として使うことができるし、自動車用芳香剤を身体につけて使用することもできる。

商標権者は、申立人の香水に使用する商標「セクシーボーイ」、「Sexy Boy」及び「セクシーガール」、「Sexy Girl」が需要者の間に周知であることを知り、意図的に申立人の商標に酷似する「セクシーボーイ/SEXY BOY」及び「セクシーガール/SEXY GIRL」を、申立人の香水「セクシーボーイ」、「Sexy Boy」及び「セクシーガール」、「Sexy Girl」に化体した信用、名声及び顧客吸引力にただ乗りする不正の目的で、自動車用芳香剤の商標として採用し、登録を得たものであるから、商標法第4条第1項第7号に該当する。

(3)商標法第4条第1項第15号該当性について

本件商標及び本件商標の商標権者に係る登録第5609227号商標(「セクシーガール/SEXY GIRL」)は、引用商標及び申立人が商品に付して使用している商標「Sexy Boy」、「Sexy Girl」と酷似する。

引用商標は、申立人が香水等の商品に付して使用する商標「Sexy Boy」、「Sexy Girl」とともに、申立人がその商品である香水等の商品に使用する商標として、本件商標の登録査定時はもとより、登録出願日においても周知であった。

申立人の商品「香水」と、本件商標の指定商品「自動車用芳香剤」とは、身体につけるか、車内に置くかの違いであり、相互に密接に関連する商品である。ちなみに、香水を自動車の車内にふりかけ自動車用芳香剤として使うことができるし、自動車用芳香剤を身体につけて使用することもできる。

特に、本件においては、商標権者は「セクシーボーイ/SEXY BOY」、「セクシーガール/SEXY GIRL」を使用した自動車用芳香剤を「香水系」として販売しており、かつ、香りの特徴も意図的に似させている。

よって、本件商標及び商標権者に係る登録第5609227号商標を自動車用芳香剤に使用したときは、当該自動車用芳香剤は、申立人又は申立人と経済的に関連する者により製造販売される商品であるとの誤認混同を需要者の間に生じさせるおそれがある。

よって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。

3 当審の判断

(1)商標法第4条第1項第15号について

申立人は、引用商標が、申立人によって「香水」について使用された結果、本件商標の登録出願時及び登録査定時において周知となっているとして証拠を提出し、本件商標が商標法第4条第1項第15号に該当する旨主張している。

そこで、提出された甲各号証を見るに、以下の事実を窺うことができる。

ア 甲第5号証は、申立人のホームページの抜粋であるところ、その訳文によれば、申立人の会社の概要と香水「Jeanne ARTHES(ジャンヌ アルテス)」を販売していることが記載されており、男性向け香水として「Sexy Boy」があることが確認できる。

甲第6号証は、フィッツコーポレーションの公式サイトであり、取扱いに係る製品(香水)が紹介され、その中に「Sexy girl」(Lady’s)及び「Sexy Boy」(Men’s)が掲載されている。

甲第7号証ないし同13号証には、申立人の販売する香水「Jeanne ARTHES(ジャンヌ アルテス)」及び「セクシーボーイ」、「セクシーガール」等に関する検索結果及び広告、宣伝等が示されている。

イ しかしながら、提出された証拠は、申立人及び販売代理店のインターネットホームページ等の写しや引用商標のインターネット検索についての記述などが殆どであり、これらによれば、商品「香水」について引用商標が使用され、需要者間にある程度知られていることが認められるとしても、その具体的な販売数量、市場占有率、宣伝広告の事実、引用商標の使用期間・範囲等は明らかではなく、引用商標が申立人の業務に係る商品「香水」を表示するものとして我が国において取引者、需要者間に広く認識されているとまでいうことはできない。

ウ 申立人は、「香水」と「自動車用芳香剤」について、身体につけるか、車内に置くかの違いであって、密接に関連する商品であり、香水を自動車の車内にふりかけ自動車用芳香剤として使うことができるし、自動車用芳香剤を身体につけて使用することもできものであると主張しているが、提出された証拠ではその事実を客観的に裏付けるものとは認められず、また、「香水」と「自動車用芳香剤」とは、それぞれ生産者、取引系統、販売場所等を異にするばかりでなく、商品の品質、用途、機能等においても大きく異なるものであることからすれば、密接に関連する商品であるということはできない。

エ そして、本件商標は、その指定商品「自動車用芳香剤」との関係からすれば、引用商標にフリーライドするものとまではいえず、需要者間に広く認識されているとまではいえない引用商標を連想、想起するようなことはないとみるのが自然であるから、申立人の主張は採用することができない。

その他、引用商標が我が国において取引者、需要者間に広く認識されていることを認めるに足る証拠はない。

そうすると、本件商標をその指定商品「自動車用芳香剤」について使用しても、これに接する取引者、需要者が引用商標を連想、想起するようなことはなく、該商品が申立人又は同人と経済的・組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く、商品の出所について混同を生ずるおそれはないものと判断するのが相当である。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するものではない。

(2)商標法第4条第1項第7号該当性について

本件商標は、前記(1)のとおり、その指定商品に使用しても商品の出所の混同を生ずるおそれがないものであるから、引用商標に化体した信用、名声及び顧客吸引力にただ乗りしたものとはいえず、さらに、本件商標の登録及び使用が社会公共の利益や社会の一般的道徳観念に反するものとはいえず、公正な取引秩序を害したりするものともいえない。

また、本件商標の構成自体が、公の秩序又は善良な風俗を害するおそれがあるものともいえない。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号に該当するものではない。

(3)まとめ

以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第7号及び同項第15号に違反してされたものではない。

したがって、本件商標は、商標法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

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