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Trademark Appeal Case

ARIとARRIの類似性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2013−900064(T2013−900064/J7)
審判種別異議
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

登録第5540628号商標の商標登録を取り消す。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第5540628号商標(以下「本件商標」という。)は、「ARI」の欧文字を標準文字で表してなり、平成24年6月7日に登録出願、第11類「電球類及び照明用器具」を指定商品として、同年11月2日に登録査定、同年12月7日に設定登録されたものである。

2 引用商標

登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、以下の登録商標及び使用商標を引用している。

(1)国際登録第932085号商標(以下「引用商標1」という。)は、別掲(1)のとおりの構成からなり、同じく国際登録第932084号商標(以下「引用商標2」という。)は、別掲(2)のとおりの構成からなるものであり、共に、2006年12月5日にGermanyにおいてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張し、2007(平成19年)年6月4日に国際商標登録出願され、第11類に属する別掲(3)に記載のとおりの商品及び第9類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、引用商標1は平成23年1月14日に、引用商標2は同月21日に設定登録されたものである。

(2)国際登録第747034号商標(以下「引用商標3」という。)は、「ARRI X」の欧文字を書してなり、2000年7月10日にGermanyにおいてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張し、2000(平成12年)年11月14日に国際商標登録出願され、第9類及び第11類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成15年2月21日に設定登録されたものである。

(3)国際登録第909499号商標(以下「引用商標4」という。)は、「ARRI T−MAX」の欧文字を書してなり、2006年3月23日にGermanyにおいてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張し、2006(平成18年)年9月21日に国際商標登録出願され、第9類及び第11類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成21年9月4日に設定登録されたものである。

(4)上記のほか、我が国における使用商標(以下「引用商標5」という。)としては、「アリ」の片仮名を表してなり、「映画撮影用の照明機械器具」を使用商品としたものである。

3 登録異議の申立ての理由(要旨)

(1)商標法第4条第1項第11号について

本件商標と引用商標1ないし4とは、称呼、外観及び観念において類似する商標であって、その指定商品も同一又は類似のものであるから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。

(2)商標法第4条第1項第10号について

申立人は、1917年の創立以後、全世界に映画撮影用の照明機材を提供し続け、現に、「ARRI」製品は、我が国において、「アリ」の名称(引用商標5)においても、取引者、需要者の間に広く認識されている。そして、引用商標5は、本件商標と同一の称呼を生ずる類似の程度の極めて高い商標であって、その商品又はこれに類似する商品について使用するものであるから、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に該当する。

(3)商標法第4条第1項第15号について

引用商標1ないし4は、申立人の商標として需要者の間に広く認識されているものであるから、本件商標がその指定商品に使用された場合、その商品の需要者、取引者は、申立人の業務に係る商品と出所について混同をするおそれがあり、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。

(4)商標法第4条第1項第19号について

引用商標1ないし4が世界的に著名な商標であることからすれば、本件商標の商標権者がこれらの引用商標に化体した業務上の信用にフリーライドする意図を否定し得ず、また、本件商標の登録及びその使用は、引用商標の出所表示機能を希釈化するおそれの高いものであるから、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当する。

(5)商標法第4条第1項第7号について

引用商標1ないし5に係る「ARRI」製品に関して、申立人は、14回ものアカデミー賞(米国)並びに2回のエミー賞(米国)をはじめ、国際的に名高い賞を多数受賞しており、本件商標は、これと相紛らわしい名称である結果、その各賞を受賞した製品であるかのごとく需要者を誤認せしめるものであり、米国に対する国際信義並びに国際的に名高い各賞の権威に対する信義に反する結果となるから、本件商標は、商標法第4条第1項第7号に該当する。

4 取消理由通知

当審において、商標権者に対し、平成26年2月20日付けで通知した取消理由は、要旨以下のとおりである。

(1)本件商標並びに引用商標1及び2について

引用商標1は、「ARRI」の欧文字を横書きしてなるものであり、また、引用商標2は、「ARRI」の欧文字及びその右上に楕円で囲まれた「ARRI」の欧文字よりなるところ、「ARRI」の文字は、映画撮影用の照明機材等の取引分野において「アリ」と称呼され、その分野において少なからず知られているといい得るものであるから、引用商標1及び2は、これに接する取引者、需要者をして、「アリ製品」程の観念を想起させることも少なくないというのが相当である。

そうすると、引用商標1及び2は、それぞれ「ARRI」の文字部分に相応して「アリ」の称呼を生ずるものであり、「アリ製品」程の観念を生ずるものといえる。

他方、本件商標は、「ARI」の欧文字を標準文字で表してなるところ、その構成文字に相応して、「エイアールアイ」及び「アリ」の称呼を生ずるものであり、特定の観念が生ずるものではない。

(2)本件商標と引用商標1及び2との類否について

本件商標は、「ARI」の欧文字を表してなるのに対し、引用商標1及び2は、「ARRI」の欧文字部分を要部とするものであるところ、本件商標「ARI」と引用商標1及び2の「ARRI」とは、中間の「R」と「RR」の違い以外の文字及び配列を同じくするものであり、加えて、引用商標1及び2が、申立人の製造販売する商品(映画撮影用の照明機材)に付される商標として、その商品を取扱う業界において少なからず知られているといい得ることに照らせば、本件商標は、その外観において引用商標1及び2と近似する印象を与えるものとみるのが相当である。

そして、本件商標と引用商標1及び2とは、「アリ」の称呼を共通にするものである。

また、本件商標は、特定の観念が生ずることのないものであるのに対し、引用商標1及び2は「アリ製品」程の観念が生ずるものであるから、両商標は、観念上、比較することができない。

してみれば、本件商標と引用商標1及び2とは、観念において比較できないとしても、外観において近似する印象を与えるものであり、また、「アリ」の称呼を共通にするものであって、取引の実情を踏まえて総合的に考察すると、本件商標は、引用商標1及び2と相紛れるおそれのある類似の商標であるというのが相当である。

(3)まとめ

以上のとおり、本件商標と引用商標1及び2とは、類似するものであり、また、本件商標の指定商品は、引用商標1及び2の指定商品と同一又は類似するものであること明らかであるから、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものである。

5 商標権者の意見

前記4の取消理由に対し、商標権者は、何ら意見を述べるところがない。

6 当審の判断

本件商標についてした前記4の取消理由は、妥当なものと認められる。

したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたといわざるを得ないから、ほかの登録異議の申立ての理由について論及するまでもなく、同法第43条の3第2項の規定により、取り消すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

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