Trademark Appeal Case
称呼類似と要部抽出
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2013−900412(T2013−900412/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
登録第5615506号商標(以下「本件商標」という。)は、「スマートパワーステーション」の片仮名を標準文字で表してなり、平成24年12月20日に登録出願、第6類、第9類、第19類、第36類、第37類及び第42類に属する商標登録原簿に記載の商品及び役務を指定商品及び指定役務として、平成25年9月13日に設定登録されたものである。
2 登録異議申立ての理由
(1)引用商標
本件登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録第5511325号商標は、「スマートパワー」の片仮名及び「SMART POWER」の欧文字を上下二段に横書きに表してなり、平成23年2月14日に登録出願、第6類、第7類、第19類、第35類及び第37類に属する商標登録原簿に記載の商品・役務を指定商品・指定役務として、また、登録第5511326号商標は、「スマートパワー」の片仮名及び「SMART POWER」の欧文字を上下二段に横書きに表してなり、平成23年2月14日に登録出願、第9類に属する商標登録原簿に記載の商品を指定商品として、いずれも、平成24年8月3日に設定登録されたものである。
同じく登録第5601412号商標は、「スマートパワー」の片仮名及び「SMART POWER」の欧文字を上下二段に横書きに表してなり、平成24年6月27日に登録出願、第35類及び第37類に属する商標登録原簿に記載の役務を指定役務として、平成25年7月26日に設定登録されたものである。
以下、これらを併せて「引用商標」という場合がある。
(2)理由の要旨
引用商標については、「太陽光発電システム」の商品商標及び設置工事に関する役務商標として、少なくとも平成24年11月には、当該商品及び役務との関係において、需要者及び取引者間において広く知られた状態となっている。
本件商標は、「スマートパワーステーション」の片仮名から構成され、その構成に対応し、「スマートパワーステーション」以外に「スマートパワー」の称呼をも生じるもので、「スマートパワー」の称呼が生じる引用商標と称呼において類似し、指定商品及び指定役務についても抵触するため、商標法第4条第1項第10号及び同第11号に該当する。
したがって、本件商標は、本件商標の指定商品及び指定役務中、別掲の商品及び役務について、その登録を取り消されるべきである。
3 当審の判断
(1)本件商標と引用商標の類否について
本件商標は、「スマートパワーステーション」の片仮名を表してなるところ、その構成文字は、同じ書体、同じ大きさ、等間隔をもって、まとまりよく一連に表されているものである。そして、その構成中の「スマート」「パワー」「ステーション」の各語は、我が国において、いずれも親しまれた外来語ではあるものの、かかる構成態様の本件商標にあっては、いずれかの部分で分離した上で、そのいずれかが自他商品・役務の識別機能上で支配的な印象を与える部分として、当該部分に相応した称呼や観念をもって取引に資されることがあるとすべき理由は見いだせない。
そうとすると、本件商標は、特定の観念を生じない一連の造語からなるものとみるのが相当であり、その構成文字に相応した「スマートパワーステーション」の称呼も、やや冗長とはいえ一気に称呼し得るものである。
してみると、本件商標は、「スマートパワーステーション」の称呼のみを生じるものというべきであって、「スマートパワー」の称呼を生じることはない。
一方、引用商標は、いずれも、その構成文字に相応し「スマートパワー」の称呼を生じるものであり、また、特定の観念を生じない造語からなるというのが相当である。
しかして、本件商標と引用商標とを比較すると、その外観構成には明らかな相違があり、外観上相紛れるおそれはないというべきである。
次に、称呼について対比すると、両者は、構成音数が全く相違する上、後半部で「ス」「テー」「ショ」「ン」の音の有無の顕著な相違を有するから、両者は、聞き誤ったり、取り違いされるおそれはないものである。
さらに、観念について、両者は、比較することができないから、観念上相紛れるおそれはない。
してみれば、本件商標は、外観、称呼及び観念のいずれからみても、引用商標に類似する商標ということはできない。
(2)引用商標の周知性について
申立人提出の証拠(甲第6号証ないし同第10号証)によれば、申立人に係る商品「住宅用太陽光発電システム」のカタログ(甲第6号証の1)及び商品「産業用太陽光発電システム」のカタログ(甲第6号証の2)に、「スマートパワー」の文字が表示されていること、新聞記事の見出しに「スマートパワー」と表示して会社が紹介されていること、などが認められ、標章「スマートパワー」が商品「太陽光発電システム」について使用され、また、社名の略称として表示されていることが窺い知れる。
また、申立人は、「株式会社リベラルへの支払状況」として、チラシやカタログ等の作成に要した金員の一覧表(甲第8号証)を示している。
しかしながら、上記カタログ及び新聞記事は、本件商標の登録出願後に係るものであり、また、経費が示された広告に関しても、約1年程度の期間である上、その他の宣伝広告の有無や頻度などは定かでなく、宣伝広告における使用商標の実態は必ずしも明らかとはいえない。そして、当該使用商標に係る商品の取引実績やその使用地域の範囲などを具体的に把握し得るに足りる証左はないから、これら証拠をもって、引用商標が「太陽光発電システム」の商品商標及び設置工事に関する役務商標として、本件商標の登録出願時及び登録査定時に、需要者及び取引者間において広く認識されるに至っていたと認めることはできない。
(3)小括
以上によれば、本件商標は、需要者の間に広く認識されている他人の商標に類似するものとは認められず、また、引用商標と類似する商標とも認められないものであるから、本件商標の指定商品及び指定役務と申立人の使用に係る商品、引用商標の指定商品及び指定役務との類否に論及するまでもなく、商標法第4条第1項第10号及び同項第11号に該当するものということはできない。
(4)まとめ
以上のとおり、本件商標の登録は、別掲に記載の指定商品及び指定役務について、商標法第4条第1項第10号及び同項第11号に違反してされたものではないから、その登録は維持すべきものである。
よって、同法第43条の3第4項の規定に基づき、結論のとおり決定する。
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