Trademark Appeal Case
品質表示の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2013−10888(T2013−10888/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「ラメラ美容法」の文字を標準文字により表してなり、第3類及び第41類に属する願書記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、平成24年7月19日に登録出願され、その後、本願の指定商品及び指定役務については、原審における同25年1月16日付け手続補正書により、第3類「せっけん類,歯磨き,化粧品,香料,つけづめ,つけまつ毛,かつら装着用接着剤,つけまつ毛用接着剤,口臭用消臭剤,動物用消臭剤,身体用防臭剤」及び第41類「美容に関する知識の教授,その他の技芸・スポーツ又は知識の教授,セミナーの企画・運営又は開催,電子出版物の提供,図書及び記録の供覧,図書の貸与,書籍の制作,教育・文化・娯楽・スポーツ用ビデオの制作(映画・放送番組・広告用のものを除く。),娯楽施設の提供,映画・演芸・演劇・音楽又は教育研修のための施設の提供」と補正されたものである。
2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、『ラメラ美容法』の文字を標準文字で表してなるところ、『ラメラ』の語は、『薄膜』等の意味を有し、本願の指定商品を取り扱う業界において、皮膚内部の細胞間脂質の層状構造を意味する『ラメラ構造(ラメラ液晶構造)』を指称するものとして使用されており、また、同業界において、このラメラ構造(ラメラ液晶構造)を有する、あるいはラメラ構造を構成するための成分を配合した化粧品が製造、販売されている事実がある。そうすると、本願商標をその指定商品及び指定役務中の『ラメラ構造を有するあるいはラメラ構造を構成するための成分を配合した美容(法)に用いる化粧品,ラメラ構造を有するあるいはラメラ構造を構成するための成分を配合した美容法に関する知識の教授,ラメラ構造を有するあるいはラメラ構造を構成するための成分を配合した美容法に関するセミナーの企画・運営又は開催』に使用しても、取引者、需要者に上記商品又は役務であることを認識させるにとどまるものであるから、本願商標は、単に商品の品質(用途)又は役務の質(内容)を普通に用いられる方法で表示するにすぎないものである。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、上記商品又は役務以外の商品又は役務に使用するときは、商品の品質又は役務の質の誤認を生ずるおそれがあることから、同法第4条第1号第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号該当性について
本願商標は、「ラメラ美容法」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「ラメラ」の文字は、本願の指定商品中の「化粧品」を取り扱う業界においては、肌の角質層に存在する水分と脂分が層状になっている構造(ラメラ構造)を指称するものであり(別掲1ないし4)、該ラメラ構造は、肌の水分蒸発を防ぐ保湿機能や外部からの刺激や有害物質から肌を守るバリヤ機能を担っているものであることが認められる(別掲5ないし7)。
そして、このラメラ構造については、肌の保湿やバリヤ効果に係る化粧品の構成成分等として一般に広く採用されている実情が認められる(別掲5ないし11)。
また、本願商標の構成中の「美容法」の文字は、「容姿を美しくするための施術」程の意味合いを容易に理解させるものである。
以上のことから、上記「化粧品」を取り扱う業界の取引の実情に照らせば、「ラメラ美容法」の文字は、その構成全体をもって「ラメラ構造により肌を守り美しくするための施術」程の意味合いをこれに接する者に看取、理解させるものであるといえる。
そうとすると、本願商標は、これをその指定商品中「化粧品」に使用した場合、これに接する取引者、需要者に、「ラメラ構造により肌を守り美しくするための施術に使用されるもの」程の意味合いを看取、理解させるにとどまり、また、これをその指定役務中「美容に関する知識の教授」に使用した場合、その美容の内容が「ラメラ構造により肌を守り美しくするための施術」に関するものであることを認識させるにとどまるものである。
してみれば、本願商標は、その指定商品中の「化粧品」との関係においては、商品の用途、品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標というべきであり、また、その指定役務中の「美容に関する知識の教授」との関係においては、役務の質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標というべきであるから、自他商品及び自他役務の識別標識としての機能を果たし得ないものといわなければならない。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。
(2)請求人の主張について
ア 請求人は、過去の登録例を挙げ、「ラメラ○○」及び「○○美容法」の構成からなる商標が自他商品又は自他役務の識別標識としての機能が認められて登録されていることから、本願商標も同様に自他商品又は自他役務の出所識別標識としての機能が認められ、登録されるべきものである旨主張している。
しかしながら、請求人が挙げた商標登録例は、いずれも本願商標とその構成態様を異にするものであって、本願商標とは事案を異にするものであり、また、本願商標は、上記(1)において認定、判断したとおり、商標法第3条第1項第3号に該当するものであるから、請求人が挙げる登録例の存在によって、上記(1)の認定、判断が左右されるものではないというべきである。
したがって、上記請求人による主張を採用することはできない。
イ 請求人は、「ラメラモード(LAMELLAR MODE)」、「ラメラベール(LAMELLAR VEIL)」及び「インシストラメラ(INSIST LAMELLAR)」といった「LAMELLAR Series」の商品を提供し続けてきた実績があり、「ラメラ美容法」は、これら「LAMELLAR Series」の商品を用いた総括的な美容法の名称として造られたもので、取引者や需要者に、請求人の「LAMELLAR Series」に係る商品及び役務であることを容易に認識し得るものと推認される旨主張し、それを証する資料として甲第19号証を提出している。
確かに、請求人の提出に係る甲第19号証によれば、「LAMELLAR MODE」、「LAMELLAR VEIL」及び「INSIST LAMELLAR」の各標章が、ウェブサイト上の商品紹介において表示されていること、また、これらの商品紹介のページにおいて「角質層のラメラ構造に着目!フェースのスキンケア革命『ラメラ美容法』/健康なお肌とは角質層のラメラ構造が整っているお肌のことです。/ラメラ構造が整ったお肌は、保湿・保護ができており、バリア機能と水分保持機能を果たしています。/フェースはラメラ構造をケアすることに着目し、フェースラメラシリーズが誕生しました。」との記載があることが認められるものの、甲第19号証は、2013年6月10日に紙出力されたウェブサイトの画面(写し)であるから、これをもって、請求人が「LAMELLAR Series」の商品を継続的に提供(販売)していたとはいえず、また、当審において職権をもって調査したところ、甲第19号証に係るウェブサイトは、「株式会社フェースビューティ」なる会社が開設しているものであり、さらに、同ウェブサイト上にある「スキン革命!!/ラメラ美容法について詳しくはこちら」のリンク先には、別掲12に示すとおり、請求人に係る「ラメラ美容法」が、上記(1)において認定、判断したものと同様に、角質層内のラメラ構造を整えることにより保湿、保護をする美容に係るものである旨の記載がある。
してみれば、「ラメラ美容法」の文字は、取引者、需要者をして、請求人の「LAMELLAR Series」に係る商品及び役務であることを容易に認識させるものとはいえず、むしろ、上記(1)において認定、判断したとおり、商品の品質及び用途並びに役務の質を表示するものとして認識するというべきである。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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