Trademark Appeal Case
歴史上の人物名と普通名称の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2013−17987(T2013−17987/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は,「龍馬祭」の文字を標準文字で表してなり,第41類に属する願書記載のとおりの役務を指定役務として,平成24年6月7日に登録出願され,その後,指定役務については,原審における平成25年1月23日付けの手続補正書により,第41類「神社の供覧,庭園の供覧,神社・庭園の供覧に関する情報の提供,技芸・スポーツ又は知識の教授,セミナーの企画・運営又は開催,記念イベントの企画・運営又は開催,日本の伝統文化紹介に関するイベントの企画・運営又は開催,電子出版物の提供,図書及び記録の供覧,図書の貸与,美術品の展示,書籍の制作」に補正されたものである。
2 原審で通知した主な拒絶の理由(要点)
(1)本願商標は,「龍馬祭」の文字を標準文字で表してなるところ,その構成中「龍馬」の文字は,幕末の武士として著名な「坂本龍馬」を想起させるものであるから,その構成全体として「坂本龍馬に関するまつり,催し」程の意味合いを容易に認識させるものである。また,坂本龍馬を記念したお祭りやイベント等がその出身地やゆかりの地で開催されており,そのイベント等において「龍馬祭」の語が使用されている実情も認められる。そうとすると,これをその指定役務中,例えば「記念イベントの企画・運営又は開催,日本の伝統文化紹介に関するイベントの企画・運営又は開催」等に使用しても,これに接する取引者,需要者は,前記意味合いを認識するにすぎず,単に役務の質(内容)を普通に用いられる方法で表示するにすぎないものと認める。したがって,本願商標は,商標法第3条第1項第3号に該当する。
(2)本願商標は,「龍馬祭」の文字を標準文字で表してなるところ,その構成中「龍馬」の文字は,幕末の武士として著名な「坂本龍馬」を直ちに想起させるものである。そして,龍馬の出身地である高知県やそのゆかりの地では地方公共団体・商工会議所等の公益的な機関によって,その名が観光振興や地域おこしの施策に利用されていることが確認され,地元住民等において敬愛の念をもって親しまれているものといえる。また,本願指定役務との関係においては,龍馬を記念した各種イベントが各地で催されている実情が認められ,日本の多くの人々に親しまれていることが伺える。そうとすると,このような著名な歴史上の人物名を含む本願商標について,「坂本龍馬」との関係が認められない一私人である出願人が,独占的権利である商標権を取得し,その指定役務について使用することは,公正な取引秩序を害するおそれがあり,地域の振興を妨げることにもなりかねず,社会公共の利益に反するというのが相当である。したがって,本願商標は,商標法第4条第1項第7号に該当する。
3 原査定における拒絶の理由
本願商標は,前記2(2)の理由により,商標法第4条第1項第7号に該当すると認定,判断し,本願を拒絶した。
4 当審における審尋
請求人に対して,平成26年2月17日付けで通知した審尋の内容は,別掲のとおりである。
5 当審の判断
本願商標は,前記1のとおり,「龍馬祭」の文字を標準文字で表してなるものである。
そして,前記4の審尋に記載のとおり,「龍馬祭」の文字からなる本願商標は,これをその指定役務について使用しても,これに接する取引者,需要者は,「坂本龍馬に関する祭」に係る役務であることを認識するにとどまり,自他役務の識別標識としての機能を果たし得ないものであって,役務の質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標といわなければならないから,商標法第3条第1項第3号に該当するものである。
なお,請求人は,原審における平成25年1月23日付けの意見書において,商標法第3条第1項第3号該当性について,「龍馬」の文字を構成中に有する登録商標例においては,指定商品・指定役務を限定(例えば,「坂本龍馬」ゆかりの商品・役務に限定)することもなく,登録が認められているように,一体不可分の造語であって,目印としての機能を充分に有するとするのが自然な解釈であり,本願商標は,同様に自他役務識別力並びに独占適応性を有すると認められるべきである旨を主張している。
しかしながら,商標の識別性の判断は,各商標につき,それぞれの構成態様や取引の実情等をも勘案し,個別具体的に判断されるべき性質のものであるところ,本願商標の構成及びその指定役務からすると,上記のように判断するのが相当である。
したがって,本願商標は,商標法第3条第1項第3号に該当するものであるから,商標登録することはできない。
よって,結論のとおり審決する。
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