Trademark Appeal Case
初午いなりの記述性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2013−16120(T2013−16120/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は,「初午いなり」の文字を標準文字で表してなり,第30類「弁当,すし」を指定商品として,平成24年10月10日に登録出願,その後,指定商品については,当審における同26年3月31日受付けの手続補正書により,第30類「いなりずしを含む弁当,いなりずし」に補正されたものである。
2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は,「本願商標は,『初午いなり』の文字を標準文字で表してなるところ,本願商標の構成中,『初午』の文字は,『2月の初の午の日。京都の伏見稲荷大社の神が降りた日がこの日であったといい,全国で稲荷社を祭る。』の意味を有するものであり,『いなり』の文字は,『稲荷鮨』の略称である。そして,初午の稲荷神の祭礼日に油揚げやいなり寿司を供え,食べる風習があり,これをもとにした商品の販売促進,地域振興のイベントも企画されている事実が見受けられる。そうすると,本願商標をその指定商品に使用しても,これに接する需要者は,『初午の日に食べるいなり寿司弁当,いなり寿司』の意味合いを認識し,商品の品質,使用の時期を表示するものと認識するにとどまるものと認める。したがって,本願商標は,商品の品質,使用の時期を普通に用いられる方法で表したものであるから,商標法3条1項3号に該当する。」旨認定,判断し,本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
(1)本願商標が商標法3条1項3号に該当することについて
本願商標は,前記1のとおり,「初午いなり」の文字を標準文字で表してなるところ,該構成中「初午」の文字は,「2月の初の午の日」の意味を有し,「京都の伏見稲荷大社の神が降りた日がこの日であったといい,全国で稲荷社を祭る。」(「広辞苑 第六版」株式会社岩波書店)とされるものであり,「いなり」の文字は,本願商標の指定商品との関係において,「『稲荷鮨』の略」(デジタル大辞泉,http://kotobank.jp/word/%E7%A8%B2%E8%8D%B7?dic=daijisen&oid=01122500)として理解させるものであるから,全体としても「初午の日のいなりずし」程の意味合いを理解させ得るものである。
そして,別掲1のとおり,初午の日にいなりずしが食されており,別掲2のとおり,初午の日に食されるいなりずしが「初午いなり」と称されて宣伝,販売されている事実が見受けられる。
そうすると,本願商標をその指定商品に使用しても,これに接する取引者,需要者は,初午の日に食されるいなりずしであること,初午の日に食されるいなりずし弁当であることを認識するにとどまるというのが相当である。
してみれば,本願商標は,単に商品の使用の時期を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなるものであるから,商標法3条1項3号に該当する。
(2)請求人の主張について
請求人は,広辞苑の「初午」の項にはいなりずしについては言及されておらず,「いなり」の語は多義的であり,また,いなりずしには,様々な形状,中身(具)のものがあるから,本願商標に接する取引者,需要者は,「初午いなり」がどのようないなりずしか,その品質を特定できないこと,「初午」は,特定のわずか一日であるから,生鮮食品であるいなりずしをその日限りで商標を付して製造販売するとは考えられないこと,初午の日にいなりずしを食す習慣は普遍的なものとはいえないことなどから,本願商標は,登録されるべきである旨主張する。
しかしながら,上記(1)で述べたとおり,初午の日にいなりずしを食す風習があり,初午の日に食されるいなりずしを「初午いなり」と表して宣伝,販売されている事実が広く見受けられるから,本願商標は,その指定商品との関係において,初午の日に食されるいなりずしであること,初午の日に食されるいなりずし弁当であることを容易に認識させるものというべきである。
したがって,請求人の上記主張は採用できない。
(3)結語
以上のとおりからすれば,本願商標が商標法3条1項3号に該当するものであるとして,本願を拒絶した原査定は,妥当であって,これを取り消すことはできない。
よって,結論のとおり審決する。
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