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Trademark Appeal Case

深層水表示と品質誤認

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2013−25084(T2013−25084/J1)
審判種別不服
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

原査定を取り消す。
本願商標は、登録すべきものとする。

理由テキスト

第1 本願商標

本願商標は、別掲のとおり、「世界遺産熊野古道の天然湧水」の文字を縦書きし、その左側に該文字の2倍程の大きさの「深森深層水」の文字を縦書きした構成からなり、第1類「水」及び第32類「ミネラルウォーター」を指定商品として、平成25年2月27日に登録出願され、その後、指定商品については、平成25年7月26日付けの手続補正書により、第1類「熊野古道で採水した水」及び第32類「熊野古道で採水したミネラルウォーター」に補正されているものである。

第2 原査定の拒絶の理由の要点

原査定は、「本願商標は、その構成中に深海水を意味する『深層水』の文字を有し、該文字より深海水を使用した商品を認識させるものであるから、補正後の指定商品について使用するときは、あたかも深海水を使用した商品であるかの如く、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがある。したがって、本願商標は商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

第3 当審の判断

本願商標は、別掲のとおりの構成からなるところ、その構成中の「世界遺産熊野古道の天然湧水」の文字部分は、2004年にユネスコの世界遺産(文化遺産における「遺跡および文化的景観」)として登録された「紀伊山地の霊場と参詣道」を構成する参詣道の一つを指称するものとして一般に知られている「世界遺産熊野古道」の文字と、例えば、岩波書店発行「広辞苑第六版」によれば、「人為の加わらない自然のままの状態」を意味する「天然」の文字に「わき水。泉」を意味する「湧水」の文字を結合した「天然湧水」の文字とを、格助詞「の」を介して結合したものであって、指定商品との関係において、「熊野古道の地域で採水した自然のままのわき水」ほどの意味合いを容易に認識し理解することができるものである。

また、比較的大きく表された「深森深層水」の文字部分は、まとまりよく一連一体に表されており、全体として既成の親しまれた観念を有する成語を表したものともいえず、一種の造語として認識し把握されるものといえる。

そして、漢字は表意文字であることからすると、「深森」の文字が「奥深い森」ほどの、「深層水」の文字が「深い層の水」ほどの各意味合いを想起させる場合があることはあながち否定し得ない。しかも、指定商品に係るミネラルウォーターの業界においては、地層深くから採水して、商品の生産を行うことも少なくないといえる。加えて、原査定において引用した「化学大辞典」等に「深層水」が水深200m以深の海水を意味する旨の記述も見られるものの、これらは海水との関連で言及されているものであり、一般に「海洋深層水」と呼ばれているものといえる。

そうすると、本願商標は、たとえ、その構成中に「深層水」の文字を有するとしても、本願を構成する上記「世界遺産熊野古道の天然湧水」の文字と併せ考慮すれば、「深層水」の文字から直ちに深海の水又は海洋深層水の意味合いを認識し理解するようなことはないというべきである。

してみれば、本願商標は、これをその指定商品について使用しても、これに接する取引者、需要者が「深層水」の文字のみに着目し、深海水(海洋深層水)を使用した商品であるかの如く商品の品質について誤認を生ずるおそれはないものといわざるを得ない。

したがって、本願商標が、商標法第4条第1項第16号に該当するものであるとして本願を拒絶した原査定は、取消しを免れない。

その他、本願について拒絶の理由を発見しない。

よって、結論のとおり審決する。

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