Trademark Appeal Case
称呼の類否と要部抽出
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2013−900387(T2013−900387/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第5610332号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおりの構成からなり、平成25年2月12日に登録出願、第21類「台所用品(「ガス湯沸かし器・加熱器・調理台・流し台」を除く。),花瓶,水盤,香炉」を指定商品として、同年6月3日に登録査定、同年8月30日に設定登録されたものである。
2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が登録異議の申立ての理由において引用する商標は、次に掲げる3件の商標である(以下、これら3件の商標を総称する場合は「引用商標」という。)。
(1)国際登録第760467号商標(以下「引用商標1」という。)は、「BLANCO」の欧文字を横書きしてなり、2010年(平成22年)12月30日に国際商標登録出願(事後指定)、別掲2のとおりの商品を指定商品として、平成24年1月13日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
(2)国際登録第788140A号商標(以下「引用商標2」という。)は、「BLANCO」の欧文字を横書きしてなり、2010年(平成22年)6月1日に国際商標登録出願(事後指定)、別掲3のとおりの商品を指定商品として、平成24年3月2日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
(3)国際登録第788140C号商標(以下「引用商標3」という。)は、「BLANCO」の欧文字を横書きしてなり、2012年(平成24年)7月5日に国際商標登録出願(事後指定)されたものであり、別掲4のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、審査に係属中のものである。
3 登録異議申立ての理由の要旨
申立人は、本件商標の登録について、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものであるから、同法第43条の2第1項第1号によって取り消されるべきであると申し立て、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第9号証を提出した。
(1)本件商標について
本件商標は、「BLANCA STYLE」の欧文字及び「ブランカスタイル」の片仮名を二段に横書きしてなるところ、その構成中の欧文字部分は、「BLANCA」の文字と「STYLE」の文字との間に一文字程度の間隔を有するので、外観上、両者が容易に分離されるものである。また、本件商標の全体の称呼である「ブランカスタイル」は、冗長なものであり、簡易迅速に行われる取引においては、一部をもって略称されると考えられる。
本件商標の構成中の「STYLE」及び「スタイル」の文字は、「型、種類」を意味するものであって、商品に関しても、「商品スタイル」、「北欧スタイル」、「プジョー206スタイル」のように、商品の「型、種類」を意味するものとして使用されており、自他商品識別力を欠くものである。他方、「BLANCA」及び「ブランカ」の文字は、平均的な日本人には、その意味が理解できないものであり、また、取引において、商品の品質を表示するものとして使用されている事実も見いだすことができないものであるから、「BLANCA」及び「ブランカ」の文字部分が本件商標の要部となり、当該文字部分をもって「ブランカ」と称呼される。
特許庁においても、「STYLE」の文字を含んだ商標と「STYLE」以外の構成文字を共通にする商標を類似するものとして拒絶した事例がある。
(2)本件商標と引用商標との類否について
引用商標は、その構成から「ブランコ」と称呼されるところ、本件商標の「ブランカ」の称呼と引用商標の「ブランコ」の称呼とは、語尾の「カ」の音と「コ」の音が相違するにすぎない。そして、その相違音は、子音を共通にし、母音も近似するとされているものであり、最も聞き分けにくい語尾に位置しているものであるから、本件商標と引用商標の称呼は、語調、語感が相紛らわしいものである。
したがって、本件商標は、引用商標と称呼上類似するものである。
4 当審の判断
(1)本件商標の商標法第4条第1項第11号該当性について
ア 本件商標と引用商標との類否について
(ア)本件商標は、別掲1のとおり、欧文字と片仮名の各文字を同じ書体、同じ大きさでまとまりよく一体に表してなるものであり、これより生ずる「ブランカスタイル」の称呼も冗長というほどのものでなく、よどみなく一連に称呼し得るものである。
申立人は、上記3(1)のとおり、本件商標について、「BLANCA」及び「ブランカ」の文字部分が要部となり、「ブランカ」と称呼される旨主張しているところ、複数の構成部分を組み合わせた結合商標と解されるものについて、商標の構成部分の一部を抽出し、この部分だけを他人の商標と比較して商標そのものの類否を判断することは、その部分が取引者,需要者に対し商品又は役務の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものと認められる場合や、それ以外の部分から出所識別標識としての称呼、観念が生じないと認められる場合などを除き,許されないと解されるところである(最高裁昭和37年(オ)第953号 同38年12月5日,最高裁平成3年(行ツ)第103号 同5年9月10日,最高裁平成19年(行ヒ)第223号 同20年9月8日)。
この点、申立人は、本件商標について、本件商標の欧文字部分において、「BLANCA」の文字と「STYLE」の文字との間に一文字程度の間隙を有するので、外観上、分離される旨主張するが、別掲1のとおり、両者間には、ほとんど間隙が見られず、その全体の外観及び称呼が上記のとおりであるから、むしろ、一連一体に看取されるといえるものである。
また、申立人は、本件商標の構成中の「BLANCA」及び「ブランカ」の文字について、平均的日本人には意味が理解できず、他方、「STYLE」及び「スタイル」の文字が「型、種類」を意味し、自他商品の識別力を欠くものである旨主張するが、かかる態様の下での「STYLE」及び「スタイル」の文字が自他商品識別力を欠くとする具体的な証左はなく、全体の外観及び称呼が上記のとおりである本件商標にあっては、むしろ、全体として一種の造語を表したものとみるのが自然といえる。
そうすると、本件商標は、欧文字と片仮名の各文字が一体のものとして把握、認識されるというべきものであり、その構成文字に相応して「ブランカスタイル」の一連の称呼のみを生じ、既成の親しまれた観念を有しないものといえる。
(イ)引用商標は、それぞれの構成文字に相応し、いずれも「ブランコ」の称呼を生ずるものであり、我が国においては、成語として親しまれているとはいえないものであるから、一種の造語を表したものとして認識されるものというべきである。
(ウ)本件商標と引用商標とを対比するに、それぞれの構成に照らすならば、外観においては、明確に区別し得る差異を有するものである。
次に、称呼においては、本件商標から生ずる「ブランカスタイル」の称呼と引用商標から生ずる「ブランコ」の称呼とは、4音目における「カ」と「コ」の音の差異及び「スタイル」の音の有無という顕著な差異があり、それに伴って、それぞれの構成音数も大きく相違するものである。そして、両商標の称呼の4音目における「カ」の音と「コ」の音についても、これらの音は、ともに、弱音である「ン」の音の後に位置する強音である破裂音であることから、明瞭に聴別し得るものといえる。そうすると、本件商標と引用商標とを、それぞれ一連に称呼するときは、全体の語調、語感が著しく相違し、明瞭に区別することができるものである。
さらに、観念においては、本件商標と引用商標は、ともに既成の親しまれた観念を有しないものであるから、比較し得ないものである。
してみれば、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれにおいても、相紛れるおそれのない非類似の商標といえる。
なお、申立人は、「STYLE」の文字を含む商標と「STYLE」以外の構成文字を共通にする商標との審査例を挙げ縷々述べているが、商標の類否は個別具体的に判断されるべきものであり、しかも、申立人提出の事例は、いずれも、本件商標とは商標の構成態様等において相違するものであるから、本件の審理に影響を及ぼすものとはいえない。
イ 小括
本件商標は、以上のとおり、引用商標と非類似の商標であるから、その指定商品が引用商標の指定商品と同一又は類似の商品を含むものであるとしても、商標法第4条第1項第11号に該当するということはできない。
(2)むすび
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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