Trademark Appeal Case
略称の著名性の判断
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2014−900026(T2014−900026/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第5624486号商標(以下「本件商標」という。)は、「さくらフィフティーン」の文字を標準文字で表してなり、平成25年5月27日に登録出願され、第16類「印刷物,文房具類」及び 第41類「スポーツの興行の企画・運営又は開催,技芸・スポーツ又は知識の教授,セミナーの企画・運営又は開催,電子出版物の提供,図書及び記録の供覧,図書の貸与」を指定商品又は指定役務として、同年8月30日に登録査定、同年10月25日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由
本件異議申立人(以下「申立人」という。)は、その申立ての理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第125号証を提出している。
(1)本件商標は、「さくらフィフティーン」の文字を標準文字で表し、その構成中には「さくら」が含まれ、株式会社サクラクレパスを指し示す著名な略称として認識されている「サクラ」と社会通念上同一であって、「サクラ」と同一視し得るものである。
(2)略称「サクラ」は、文具業界において申立人を認識させ、加えて指定商品「印刷物」との関係においても「サクラ」が申立人を指し示すものとして一般に受け入れられていると考えられる。
(3)商標権者は、申立人の承諾を受けていない。
(4)したがって、本件商標は、申立人の著名な略称「サクラ」を含むものであり、また、商標権者は、申立人の承諾を受けていないから、商標法第4条第1項第8号に該当し、その登録は、同法第43条の2第1号により取り消されるべきものである。
3 当審の判断
(1)本件商標は、「さくらフィフティーン」の文字を標準文字で表してなるところ、該文字は、同じ書体、同じ大きさで、外観上まとまりよく一体的に表したものであり、その構成全体から生ずる「サクラフィフティーン」の称呼も、無理なく一連に称呼し得るものである。
そうとすると、本件商標は特段の事情がない限りその構成文字全体を持って、一体不可分のものと認識、把握されるものとみるのが自然である。
してみれば、本件商標は、その構成文字に相応して生じる「サクラフィフティーン」の称呼をもって取引に資されるというべきものといえる。
(2)申立人の著名性について
申立人提出の証拠によれば、平成20年2月20日から平成25年6月1日までの間に発行した「オフィスマガジン」(甲2ないし甲48及び甲111ないし甲113)、平成20年2月15日から平成25年8月25日までの間に発行した「旬刊ステイショナー」(甲49ないし甲68及び甲114ないし甲116)、平成23年4月30日に発行した「ザ・トピックス」(甲69)、平成21年3月15日から平成23年12月25日までの間に発行した「CLIPS」(甲70ないし甲77)及び平成20年1月10日から平成24年5月25日までの間に発行した「関西文具時報」(甲78ないし甲99)等の申立人の製品や業務等を紹介する記事の見出し中に、申立人を指称するものとして「サクラ」が表示されていることが認められる。
さらに、昭和46年1月10日現在版から2012年版に至る申立人の製品カタログには、いずれも申立人の名称と共に、「サクラ」が表示されていることが認められる(甲100ないし甲110及び甲125)。
その他、同業他社が、ウエブサイトで申立人を「サクラ」と表記している事例が認められる(甲117ないし甲124)。
以上のとおり、平成20年から本件商標の出願時に至る間に発行された、文房具や事務用品に関連する複数の業界紙において、「サクラ」の文字が申立人の略称として用いられていることが認められる。
しかしながら、申立人の提出した証拠は、業界紙や本人のHPに限られるものであって、一般紙や雑誌等広く一般人が目にするものは含まれていない。
そうすると、本件商標の出願時及び査定時において、「サクラ」が、申立人の著名な略称として一般に認識されるに至っていたとは、認めることができない。
(3)商標法第4条第1項第8号について
本件商標は、前記(1)のとおり、「さくらフィフティーン」の文字を一体的に表した構成態様のものである。
そして、前記(2)のとおり、申立人の略称「サクラ」は、申立人の著名な略称として一般に認識されるに至っているとは認め難いものであるから、本件商標は、申立人の著名な略称を含む商標とはいえない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第8号に該当するとはいえない。
(4)まとめ
以上によれば、本件商標は、商標法第4条第1項第8号に違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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