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Trademark Appeal Case

複合商標の称呼・観念の類似性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2013−900299(T2013−900299/J7)
審判種別異議
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

登録第5591889号商標の商標登録を取り消す。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第5591889号商標(以下「本件商標」という。)は、「福 フク ふく」の文字を標準文字で表してなり、平成25年2月25日に登録出願され、第33類「日本酒,リキュール」を指定商品として同年5月31日に登録査定、同年6月21日に設定登録されたものである。

2 引用商標

登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録商標は、以下のとおりであり、その商標権は、いずれも現に有効に存続しているものである。

(1)登録第5434644号商標(以下「引用商標1」という。)は、「福」の文字を標準文字で表してなり、平成23年3月4日に登録出願され、第33類「洋酒,果実酒,中国酒,薬味酒」を指定商品として、同年8月26日に設定登録されたものである。

(2)登録第5134187号商標(以下「引用商標2」という。)は、「ふく」の文字を標準文字で表してなり、平成18年12月14日に登録出願され、第33類「日本酒」を指定商品として、同20年5月9日に設定登録されたものである。

以下、引用商標1及び引用商標2をまとめていうときは、「引用商標」という。

3 登録異議の申立ての理由(要旨)

本件商標は、「福」、「フク」及び「ふく」の文字からなり、外観上、各文字がそれぞれ独立して看取されるものである。そして、構成全体としての意味合いは見いだせないから、これを一体ものとして把握すべき格別の事情は存しない。

そうすると、本件商標の構成中、「フク」及び「ふく」の文字については、先頭に表された漢字の「福」の読みを、片仮名と平仮名の2種類の文字により表したものとみるのが妥当であり、本件商標は、全体として、漢字の「福」とその読み仮名よりなる商標と把握されるものであるから、その構成文字に相応して、「フク」の称呼と、「福(さいわい。しあわせ。幸運。)」の観念を生ずる。

これに対し、引用商標1は、「福」の文字からなるから、「フク」の称呼と、「福(さいわい。しあわせ。幸運。)」の観念を生ずる。また、引用商標2は、「ふく」の文字からなるから、「フク」の称呼を生ずる。

してみれば、本件商標と引用商標1とは、称呼及び観念を共通にし、かつ「福」の構成文字も共通にする類似の商標であり、その指定商品も互いに抵触するものである。また、本件商標と引用商標2とは、称呼を共通にし、かつ「ふく」の構成文字も共通にする類似の商標であり、その指定商品も互いに抵触する。

したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してなされたものであるから、同法第43条の2第1号により、取り消されるべきである。

4 本件商標に対する取消理由

当審において、商標権者に対し、平成26年3月4日付けで通知した取消理由は、要旨以下のとおりである。

(1)本件商標について

本件商標は、前記1のとおり、「福 フク ふく」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「福」、「フク」及び「ふく」のそれぞれの文字の間に1文字分のスペースが設けられていることから、外観上、3つの語により構成されるものと容易に看取されるものである。そして、「福」の漢字は、「さいわい。しあわせ。」の意味を有する語としてよく知られているものであり、また、「福」を2つ重ねた「富んでゆたかなさま。」の意味を有する「福福(フクフク)」の成語は存在するが、「フクフクフク」の読みを生ずる語は、辞書類に載録された成語とは認められず、また、特定の意味を有する語として一般に親しまれたものともいえない。

そうすると、本件商標において、「福」の漢字の後に表された「フク」及び「ふく」は、これに接する取引者、需要者をして、「福」の漢字の読みを、片仮名及び平仮名で表したものと認識されるとみるのが自然である。

してみれば、本件商標は、その構成中、「福」の文字部分が自他商品の識別標識として機能するものというのが相当であるから、本件商標からは、その構成文字に相応して、「フク」の称呼が生ずるものであり、また、「福(さいわい。しあわせ。)」の観念を生ずるものである。

(2)引用商標について

引用商標1は、前記2(1)のとおり、「福」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成文字に相応して、「フク」の称呼が生ずるものであり、また、「福(さいわい。しあわせ。)」の観念を生ずるものである。

引用商標2は、前記2(2)のとおり、「ふく」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成文字に相応して、「フク」の称呼が生ずること明らかである。そして、「ふく」の平仮名から、いかなる観念が生ずるかを検討するに、「フク」の読みを生ずる語は、「福」の他に「服」、「副」、「複」、「吹く」、「拭く」等があるが、引用商標2の指定商品が「日本酒」であり、祝い事に用いられることも少なくないことを考慮すれば、該商標に接する取引者、需要者は、縁起の良い「福」の漢字を想起するとみるのが自然である。

してみれば、引用商標2は、「さいわい。しあわせ。」の意味を有する「福」の漢字に相応する観念を生ずるものというのが相当である。

(3)本件商標と引用商標との類否について

本件商標と引用商標とは、「フク」の称呼及び「福(さいわい。しあわせ。)」の観念を共通にするものである。

また、両商標は、全体の外観において差異を有するものの、本件商標において、自他商品の識別機能を有する「福」の文字についてみれば、本件商標と引用商標1とは、「福」の文字を共通にするものであり、また、引用商標2の「ふく」の文字は、「福」の読みを平仮名で表したものと同一であることを踏まえれば、本件商標と引用商標2とは、共通する印象を与えるものというのが相当である。

そうすると、本件商標と引用商標について、外観、称呼、観念によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察してみれば、両商標は、相紛れるおそれのある類似の商標というのが相当であり、ほかにこれを左右する取引の実情は見当たらない。

そして、本件の指定商品は、引用商標の指定商品と同一又は類似するものである。

したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものである。

5 商標権者の意見

前記4の取消理由に対し、商標権者は、何ら意見を述べるところがない。

6 当審の判断

本件商標についてした前記4の取消理由は、妥当なものと認められる。

したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものといわざるを得ないから、同法第43条の3第2項の規定により、取り消すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

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