Trademark Appeal Case
ナノ化成分の記述性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2013−17070(T2013−17070/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は,「ナノカルシウム」の文字を標準文字で表してなり,第5類「サプリメント」を指定商品として,平成24年10月5日に登録出願されたものである。
2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は,「本願商標は,『ナノカルシウム』と標準文字で表してなるものであるところ,その構成中『ナノ』の文字部分は,『10億分の1』を表す単位の接頭語であり,『カルシウム』の文字部分は『アルカリ土類金属元素の一種』を意味する語である。ところで,上記『ナノ』の語に関しては,『ナノテクノロジー(超微細技術)』が様々な分野において応用されており,本願指定商品との関係においても,ナノ化(超微粒子化)した成分を用いた商品が開発・流通している実情があり,さらに,ナノテクノロジーの技術を利用して,ナノ化(超微粒子化)したカルシウムを『ナノカルシウム』と称している例も確認できる。そうすると,本願商標は全体として,『ナノ化(超微粒子化)したカルシウム』程の意味合いを理解させるものというのが相当であり,これを本願指定商品中,『カルシウムを成分とする商品』に使用しても,単に商品の品質,原材料を表したにすぎないものと認める。したがって,本願商標は,商標法3条1項3号に該当し,前記商品以外の商品に使用するときは,商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるので,同法4条1項16号に該当する。」旨認定,判断し,本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
(1)本願商標が商標法3条1項3号及び同法4条1項16号に該当することについて
本願商標は,前記1のとおり,「ナノカルシウム」の文字を標準文字で表してなるところ,該構成中,「ナノ」の文字は,「10億分の1」を意味する接頭語であって,「ナノ粒子」(粒子の直径が1―100ナノm程度の超微粒子),「ナノサイズ」(10億分の1mの大きさ)及び「ナノテクノロジー」(超微細技術。10億分の1m程度の微細な大きさのものを扱う技術)などのように(以上は「コンサイスカタカナ語辞典第4版」株式会社三省堂による。),超微細なものを表す接頭語として親しまれ,用いられているから,本願商標は,全体としても「超微細なカルシウム」程の意味合いを容易に理解させるものである。
そして,別掲のとおり,本願商標の指定商品の分野において,超微細な原材料といった意味合いで「ナノ○○」(○○は原材料名)の語が用いられている事実が認められ,かつ,超微細な(ナノ化した)カルシウムといった意味合いで「ナノカルシウム」の語が用いられ,商品が製造,販売されている事実が認められる。
そうすると,本願商標は全体としても,「超微細な(ナノ化した)カルシウム」程の意味合いを容易に理解させるものといえる。
してみれば,本願商標をその指定商品中「カルシウムを成分とするサプリメント」に使用しても,これに接する取引者,需要者は,「超微細な(ナノ化した)カルシウム」を含む商品であること程度を認識するにとどまるというのが相当である。
したがって,本願商標は,商品の品質,原材料を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなるものであるから,商標法3条1項3号に該当し,また,本願商標を「カルシウムを成分とするサプリメント」以外のサプリメントに使用するときは,カルシウムを成分とするサプリメントであるかのように,商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるから,同法4条1項16号に該当する。
(2)請求人の主張について
請求人は,本願商標はまとまりよく一体的に表してなるから,原審で説示されたような意味合いが看取されるとはいえない上,本願商標が,商品の品質等を表示するものとして,取引上,普通に採択,使用されている事実は発見できないから,本願商標は登録されるべきである旨主張する。
しかしながら,(1)で述べたとおり,本願商標の構成中,「ナノ」の文字部分は,超微細なものを表す接頭語として親しまれ,用いられているから,「ナノカルシウム」の文字からなる本願商標は,全体としても「超微細なカルシウム」程の意味合いを容易に理解させるものである。しかも,実際に,本願商標の指定商品の分野において,この意味合いで使用されている事実もある。
そうすると,本願商標をその指定商品中「カルシウムを成分とするサプリメント」に使用しても,これに接する取引者,需要者は,「超微細な(ナノ化した)カルシウム」を含む商品であること程度を認識するにとどまるというのが相当であるから,上記請求人の主張は採用できない。
(3)結語
以上のとおりからすれば,本願商標が商標法3条1項3号及び同法4条1項16号に該当するものであるとして,本願を拒絶した原査定は,妥当であって,これを取り消すことはできない。
よって,結論のとおり審決する。
Next Action
次の一手につながるサービス
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。