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Trademark Appeal Case

原材料表示と識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2012−23467(T2012−23467/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「純米めん」の文字を標準文字で表してなり、第30類の願書記載のとおりの商品を指定商品として、平成24年1月24日に登録出願され、その後、同年5月9日付け及び同26年1月15日付け手続補正書により、「米又は米粉を使用しためん類,米又は米粉を使用した調理済みめん類」に補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要旨

原査定は「本願商標は、『純米めん』の文字を標準文字で表してなり、その構成中の『純米』の文字は『他の物が少しもまじらない米』の意を看取させ、また、『めん』の文字は、麺類に通じる語であって、商品の普通名称を表すことから、本願商標全体から『米のみを使用した麺』程の意味合いを理解させるものである。そうとすると、本願商標をその指定商品中、上記文字に照応する商品に使用しても、本願商標に接する取引者・需要者は、単に『米又は米粉を使用しためん類,米又は米粉のみを使用した麺を用いた商品』程の意を認識するに止まり、該商品の原材料、品質を表示したもので自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものと認められる。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審においてした証拠調べ

当審において、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するか否かについて、職権に基づく証拠調べをした結果、別掲に示す事実を発見したので、同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき、請求人に対し、平成25年11月29日付け証拠調べ通知書によって、当該事実を通知し意見を求めた。

4 証拠調べに対する請求人の意見の要旨

請求人は、上記3の証拠調べ通知に対し、その意見を要旨次のように述べ、甲第1号証ないし甲第37号証(なお、甲第1号証ないし甲第22号証については、審判請求書に添付した証拠を援用している。)を提出した。

(1)本願商標は、「純」と「米」の漢字2文字と、「めん」の平仮名2文字の極く短い4文字を連続して、「純」、「米」、「めん」と結合し、構成各文字は、均等に配置され、かつ、一連に書され、全体としてバランスがとれ外観上もまとまり良く一体的に表されていて、全体をもって称呼してもわずか7音節であり、全体をもってよどみなく「ジュンマイメン」と一連一体に称呼し認識するのが自然である。

また、「純米」の文字は、辞書にも掲載されていない文字であり、一般的には、「純米酒」のことを表すものと考える方が自然であり、酒類の取引者、需要者にあっては親しまれた語といえるかもしれないが、それ以外の業界の取引者、需要者にあっても、広く親しまれた語というには無理があることから、本願商標に接する取引者、需要者は、必ずしも「純米」と「めん」の文字を組み合わせたにすぎないものとして理解するとはいえないものである。

たとえ、「純米」の文字が「他の物が少しもまじらない米」の意味を看取させる語であったとしても、米粉を使った麺が近年開発・商品化された状況からみると、本願商標「純米めん」の文字から、「米又は米粉を使用しためん類」の意味合いまでも容易に認識できるとは考えられない。したがって、本願商標は、構成全体として特定の意味合いを直ちに理解させるものとはいえないことから、これに接する取引者、需要者はその構成全体をもって、めん類を表す名称として出願人が創作した造語であると認識されるのが相当である。

(2)証拠調べ通知に記載された事実について

ア 確かに、「純」、「米」、「めん」のそれぞれの文字の意味は、辞書に書かれているとおりのものであるが、本願商標は、これらの文字を一連一体に結合した「純米めん」であり、辞書には記載されておらず、この事実は、本件とは関係なく、また、各文字を分離して抽出する理由もないものである。

イ インターネット記事にあっては、「純米めん」が、研究論文中の記載として2件、レシピの記載として1件が認められるが、商品の表示として、「純米めん」を表示している事実はない。

ウ 新聞記事に、「米めん」及び「米のめん」の記載があることが認められるが、本願商標は、「純」、「米」、「めん」の各文字を一連一体に結合した「純米めん」であり、この事実は、本件とは関係ないものである。

エ 新聞記事に、「純米せんべい」、「純米ケーキ」、「純米ロール」、「純米カステラ」、「純米シュークリーム」及び「純米パン」が存在していることは認められるものの、本願商標は、「純米めん」であり、この事実は、本件とは関係ないものであり、「純米めん」が商品表示として使用されていないこと、また、これらは、全て菓子・パンの業界に関するものであり、本願商標の指定商品であるめん類を取り扱う業界とは異なるものである。

(3)本願商標である「純米めん」の文字が、本願商標の指定商品であるめん類を取り扱う分野において、めん類の品質・原材料を表示する文字として、取引上普通に使用されている事実はない。

(4)請求人(出願人)は、平成23年から米粉麺を開発・商品化するための事業を開始し、地元盛岡市の都南地域営農組合と米粉用米の生産出荷契約を取り交わすと共に農林水産省の農山漁村活性化プロジェクト交付金を活用して米粉麺の加工工場を建設し、この計画は、農林水産省発行(平成23年12月発行)の「米粉用米利用の先進事例集」に先進事例として掲載された。

商品の開発にあっては、米粉の比率を80%以上としたこと、更に小麦粉を全く使用していないことをイメージさせるために、漢字文字の「純」と、麦へんを使う漢字の麺を使わない平仮名文字の「めん」との間に、漢字の「米」をサンドイッチさせて、「純米めん」というこれまでにない全く新しい商標を創作したものである。

そして、盛岡市内のホテルで大々的に発表・試食会を開催したり、自社のホームページ(甲3)でPRしたり、楽天市場に出展したり、新聞広告を行ったり、全国各地のイベントに出展し、本願商標を使用した商品の普及に努め、多数のイベントに出展・参加(甲4ないし甲37)したことにより、新聞等の各種メディアで多数取り上げられ、本願商標の周知度は高まってきており、この点からも、これに接する取引者・需要者は、本願商標の「純米めん」という文字を、そのまま一体的に理解・認識しているものと確信している。

(5)以上のとおり、「純米めん」の語は、請求人のみにより使用されており、本願商標が取引上普通に使用されていないことは明らかであるから、本願商標は、一種の造語を形成していると認識されるのが相当であり、指定商品に使用しても、商品の品質・原材料を普通に表示したとはいえず、自他商品の識別標識としての機能を十分に果たし得るものであるから、商標法第3条第1項第3号に該当しない。

5 当審の判断

(1)本願商標について

本願商標は、前記1のとおり、「純米めん」の文字を標準文字で表してなり、第30類「米又は米粉を使用しためん類,米又は米粉を使用した調理済みめん類」を指定商品とするものである。

(2)本願商標の構成について

本願商標の構成は、「純」、「米」及び「めん」の各文字を結合してなるものと容易に看取され得るものである。

ところで、別掲1のとおり、「純」の文字が「他の物が少しもまじらないこと。」、「米」の文字が「稲の果実。籾殻を取り去ったままのものを玄米、精白したものを白米または精米という。また、菓子・酒・味噌・醤油などの原料。」、「めん」の文字が「粉を練ったものを細長く切った食品。うどん・そばなどの総称。」をそれぞれ意味する語であり、いずれも広く親しまれた平易な語と認められるから、これらを結合して表された「純米めん」の文字全体からは、それを構成する各単語の語義から、「米粉のみを使用した麺」程の意味合いを容易に理解させるものである。

そして、本願の指定商品の分野においては、別掲2及び3のとおり、「米粉を使用した麺」について、「純米めん(麺)」及び「米めん」の語が使用されている実情がうかがえる。

(3)本願商標の商標法第3条第1項第3号該当性について

以上よりすれば、本願の指定商品を取り扱う分野においては、米粉を原材料とする麺が製造、販売されていることが認められ、本願の指定商品は、「米又は米粉を使用しためん類,米又は米粉を使用した調理済みめん類」であることから、本願商標がその指定商品に使用された場合、これに接する取引者、需要者は、「米粉のみを使用した麺」であることを理解するものであって、単に商品の品質(原材料)を表示するものであると理解、認識するとみるのが相当である。

また、本願商標は、「純米めん」という標準文字からなるものであるから、商品の品質を普通に用いられる方法で表示したものと認められる。

したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものである。

(4)請求人(出願人)の主張について

請求人(出願人)は、「純」、「米」及び「めん」の語が、それぞれ辞書に掲載されていることは認めるが、これらの文字を一連一体にした「純米めん」の語は、辞書にも掲載されておらず、これらの語を分離する理由はない。

また、米粉麺を商品化し、「純米めん」の名称を使用しているのは請求人(出願人)だけであり、該名称を使用した商品は、発表会の開催、自社ホームページ等での宣伝広告、イベントへの参加により、各種メディアで多数取り上げられた旨述べている。

しかしながら、別掲2のとおり、純米そうめんが平成19年に商品化されたこと、秋田県総合食品研究センターにおける「平成21年度 試験研究成果概要」には、「純米めん」などの記載があることから、本願商標の文字が請求人(出願人)の商品を表すものとのみ認識、理解するとはいい難く、また、商標法第3条第1項第3号に該当する商標であるか否かの判断においては、取引者、需要者が商品の品質を表示するものとして認識するものであれば足りるといえるものであるところ、本願商標については、上記に述べたとおり、商品の品質(原材料)を表示したものとして認識するにとどまるものであるから、請求人の主張は、いずれも採用することができない。

したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するものとして本願を拒絶した原査定は、取り消すことはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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