sokuhyo

Trademark Appeal Case

役務の質表示の識別性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2013−19802(T2013−19802/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

第1 本願商標

本願商標は,「住宅ローンこんしぇるじゅ」の文字を標準文字で表してなり,第36類に属する願書記載のとおりの役務を指定役務として,平成24年5月13日に登録出願されたものである。

そして,指定役務については,原審における同年11月6日受付の手続補正書により,第36類「資金の借入れに関する助言,資金の借入れに付いての助言に関する情報の提供」に補正されたものである。

第2 原査定の拒絶の理由の要点

原査定は,「本願商標は,『住宅ローンを利用しようとする者に対して適切な相談・助言を行う者』であることを容易に認識させる『住宅ローンこんしぇるじゅ』の文字を標準文字で表してなるものであるから,これを本願指定役務中『住宅資金の借入れに関する助言』等に使用するときは,前記者による役務の提供であるとしか認識し得ず,単に役務の質を普通に用いられる方法で表してなるにすぎないものと認める。したがって,本願商標は,商標法第3条第1項第3号に該当し,前記役務以外の役務に使用するときは,役務の質の誤認を生じさせるおそれがあるので,同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定,判断し,本願を拒絶したものである。

第3 当審においてした審尋

当審において,請求人に対し,平成26年2月25日付けで,別掲のとおりの内容を示した上で,本願商標は商標法第3条第1項第3号に該当するものである旨の審尋をし,期間を指定して,これに対する意見を求めた。

第4 審尋に対する請求人の回答の要点

請求人は,前記第3の審尋に対して,要旨次のように意見を述べている。

1 本願商標「住宅ローンこんしぇるじゅ」は,同じ字体,同じ大きさ,同じ間隔で外観上まとまりよく一体的に構成されており,これより生じる「ジュウタクローンコンシェルジュ」の称呼も,無理なく一気に称呼し得るものであるから,その構成文字全体をもって一体不可分のものと認識し把握されるものであって,本願商標を「住宅ローン」と「こんしぇるじゅ」とに分離観察しなければならない特段の事情もない。

2 本願商標は,「住宅ローンを利用しようとする者に対して適切な相談・助言を行う者」程の意味合いを暗示させる場合がたとえあるとしても,指定役務の質等を直接的かつ具体的に表示したものとして理解されるとはいい難いものであり,むしろ,その構成文字全体をもって一体不可分の一種の造語として認識されるものである。

3 外来語については,片仮名表記するのが普通であって,本願商標の構成中,平仮名表記された「こんしぇるじゅ」の文字は特徴的表現態様に該当するから,本願商標は,「普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標」には該当しない。

4 審尋において提示されたインターネット情報については,本願商標「住宅ローンこんしぇるじゅ」の文字の記載もなく,その具体的な意味合いを示す記載もないから,本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するものであるとする証拠資料足り得ない。

5 したがって,本願商標は,商標法第3条第1項第3号に該当するものではない。

第5 当審の判断

1 商標法第3条第1項第3号該当性について

本願商標は,「住宅ローンこんしぇるじゅ」の文字を標準文字で表してなり,第36類「資金の借入れに関する助言,資金の借入れに付いての助言に関する情報の提供」を指定役務とするものである。

そして,本願商標構成中,「住宅ローン」の文字は,「居住のための用地・住宅の取得・改良を目的とした資金の貸出し」(広辞苑第六版)を意味するものである。

また,「こんしぇるじゅ」は,フランス語「concierge」の表音「コンシェルジュ」を平仮名で表したものであるが,「コンシェルジュ」の語については,「ホテルの接客係。転じて,特定の分野や地域情報などを紹介・案内する人をもいう。」(コンサイスカタカナ語辞典第4版)の意味を有するものであるところ,現在では,ホテルのみならず,観光案内所や駅,百貨店,病院など,多くの業界・企業に,コンシェルジュという制度が広がっており,客が何でも相談できる窓口を設け,それに対して豊富な知識に基づいてそれぞれに合った提案をするようなサービス(以下,このようなサービスを「相談等サービス」という。)や職域を表す語として,一般に理解されるようになっているものである。

さらに,本願指定役務との関係において,住宅ローンに関する助言等を「住宅ローンコンシェルジュ」「住宅ローン・コンシェルジュ」の表示のもとで行っていること及び,ローンに関する助言等を「ローンコンシェルジュ」の表示のもとで行っていることは,別掲の審尋において示した各情報から明らかである。

そうとすると,本願商標構成中の「こんしぇるじゅ」の文字は,上記「コンシェルジュ」を平仮名表記したにすぎないものであるから,本願商標を,その指定役務について使用しても,これに接する取引者,需要者は,「住宅ローンに関する相談等サービス」又は「住宅ローンに関する相談等サービスを提供する者」の意味合いを理解し,本願指定役務の提供にあたり,上記サービスが行われているものと認識するにとどまるというべきであり,自他役務の識別標識としての機能を果たし得ないものである。

してみれば,本願商標は,その役務の質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標と認められる。

したがって,本願商標は,商標法第3条第1項第3号に該当する。

2 請求人の主張について

(1)請求人は,本願商標「住宅ローンこんしぇるじゅ」が,同じ字体,同じ大きさ,同じ間隔で外観上まとまりよく一体的に構成されており,これより生じる「ジュウタクローンコンシェルジュ」の称呼も,無理なく一気に称呼し得るものであるから,その構成文字全体をもって一体不可分のものと認識し把握されるものであって,本願商標を「住宅ローン」と「こんしぇるじゅ」とに分離観察しなければならない特段の事情もなく,その構成文字全体をもって一体不可分の一種の造語として認識されるものである旨主張する。

しかしながら,「住宅ローンこんしぇるじゅ」の文字に接する取引者,需要者は,これを「住宅ローン」の文字と「こんしぇるじゅ」の文字からなるものと容易に認識することから,本願指定役務について使用しても,それぞれの文字から生じる意味合いにしたがって,「住宅ローンに関する相談等サービス」又は「住宅ローンに関する相談等サービスを提供する者」の意味合いを自然に理解するというべきである。

したがって,本願商標は,外観上,一体不可分に構成されているとしても,上記意味合いを容易に認識させるものであるから,何らの意味合いを生じない造語として認識されるとする請求人の主張は,採用することができない。

(2)請求人は,外来語については,片仮名表記するのが普通であって,本願商標の構成中,平仮名表記された「こんしぇるじゅ」の文字は特徴的表現態様に該当するから,本願商標は,「普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標」(商標法第3条第1項第3号)には該当しない旨主張する。

しかしながら,本願指定役務に係る業界のみならず,様々な業界において,片仮名を平仮名で表記することが普通に行われていることは顕著な事実であって,標準文字で表してなる本願商標構成中の「こんしぇるじゅ」の文字と「コンシェルジュ」の文字とは,単に平仮名と片仮名の違いにすぎないものである。

したがって,当該「こんしぇるじゅ」の文字は,特異な表現態様とはいえないものであるから,本願商標は,商標法第3条第1項第3号でいう「普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標」に該当するものである。

よって,請求人の主張は,採用することができない。

3 まとめ

以上のとおりであるから,本願商標は,商標法第3条第1項第3号に該当し,登録することができない。

よって,結論のとおり審決する。

Next Action

次の一手につながるサービス

類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。

次の一歩へ

商標の登録可能性を無料で確認するか、費用の目安を料金表・シミュレーターで把握できます。