Trademark Appeal Case
商標の要部認定と称呼類似
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2013−20958(T2013−20958/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、別掲のとおりの構成からなり、第29類に属する願書に記載のとおりの商品を指定商品として、平成24年11月14日に登録出願されたものであり、その後、本願の指定商品については、同25年4月16日付け及び同年6月1日付けの手続補正書により、第29類「熊本県を産地又は販売地とする味付け茎わかめ,熊本県を産地又は販売地とする味付けめかぶ,熊本県を産地又は販売地とする加工した乾燥めかぶ,熊本県を産地又は販売地とする食用魚介類(生きているものを除く。),熊本県を産地又は販売地とする野菜の漬物,熊本県を産地又は販売地とする乾燥果実,熊本県を産地又は販売地とする乾燥野菜,熊本県を産地又は販売地とする即席みそ汁,熊本県を産地又は販売地とするふりかけ,熊本県を産地又は販売地とするなめ物としてのもろみ」と補正されたものである。
2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、登録第3313402号商標、登録第3324831号商標、登録第3324832号商標、登録第3324833号商標、登録第4000976号商標、登録第4077693号商標及び登録第4599930号商標と同一又は類似の商標であって、その商標登録に係る指定商品と同一又は類似の商品について使用するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号該当性について
ア 本願商標
本願商標は、別掲のとおり、文字と図形との組合せからなる商標であるところ、その構成中の「kumamoto」の文字部分は、本願の指定商品との関係に照らせば、商品の産地又は販売地が「熊本」であることをローマ字表記したものとして看取、理解されるとみるのが相当であるから、該文字部分からは出所識別標識としての称呼及び観念を生じることはない。
また、本願商標の構成中、「SA」の文字と「KYO」の文字(「A」及び「KYO」の各文字は、同じ書体(サンセリフ)及び大きさをもって、黒色で表されており、また、「S」の文字は、その大きさを「A」及び「KYO」の文字とほぼ同じくするものの、異なる書体(セリフ)をもって、黒色で表されている。)との間には、2本の平行する縦線(線の太さ及び色は、上記「A」及び「KYO」の各文字と同一である。)とその左斜め上方から右斜め下方にわたる両端を鋭角とする赤色の波線様の図形とを組み合わせてなるものが配されているところ、これらの欧文字及び図形は、それぞれの外形的特徴や配置に鑑みれば、看者により、その構成全体をもって、「SANKYO」の文字を表したものであって、その構成中の「N」の文字部分を図案化したものとして看取、理解される場合も決して少なくないとみるのが相当である。
さらに、本願商標の構成中、上記「SANKYO」の文字の左方には、外側曲線部に切り欠き部を設けた赤黒2つの曲玉様の図形を右二つ巴状に組み合わせてなる図形が配されているところ、該図形は、その構成態様に照らし、特定の称呼及び観念を生ずることはないものとみるのが相当であり、また、その右方に位置する「SANKYO」の文字との関係においては、両者の外観及び配置とあいまって、視覚上、それぞれが分離して把握され得るものといえる。
以上を踏まえれば、本願商標は、上記のとおり、文字と図形との組合せからなる商標であって、その構成中、一部を図案化してなる「SANKYO」の文字部分が、商品の出所識別に当たり、取引者、需要者に強い印象を与えるものといえるから、その要部は該文字部分であり、その構成文字に相応して、「サンキョー」の称呼を生じ、特定の観念を生じることのないものである。
イ 引用商標
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録商標のうち、登録第3324833号商標(以下「引用商標」という。)は、「SANKYO」の欧文字を横書きしてなり、平成6年10月7日に登録出願、第31類「あわ,きび,ごま,そば,とうもろこし,ひえ,麦,もろこし,うるしの実,コプラ,麦芽,ホップ,未加工のコルク,やしの葉,食用魚介類(生きているものに限る。),海藻類,獣類・魚類(食用のものを除く。)・鳥類及び昆虫類(生きているものに限る。),蚕種,種繭,種卵,飼料,釣り用餌,果実,野菜,糖料作物,種子類,木,草,芝,ドライフラワー,苗,苗木,花,牧草,盆栽,生花の花輪,飼料用たんぱく」を指定商品として、同9年6月20日に設定登録されたものであり、その後、同19年1月9日に商標権の存続期間の更新登録がされているものである。
そして、引用商標は、その構成文字に相応して、「サンキョー」の称呼を生じ、特定の観念を生じることのないものである。
ウ 本願商標と引用商標との類否について
本願商標と引用商標とは、上記ア及びイのとおり、「サンキョー」の称呼を共通にするものである。
また、本願商標と引用商標とは、その構成全体をもって比較するときは、外観上、相違するものの、本願商標の構成中にあって出所識別標識としての要部たる「SANKYO」の欧文字部分と引用商標「SANKYO」とを比較するときは、綴りを同じくするものであり、互いに近似する印象を与えるものといえる。
また、本願商標と引用商標とは、いずれも特定の観念を生ずるものではないから、観念上、両商標を比較することはできない。
以上を総合勘案すれば、本願商標と引用商標とは、互いに紛れるおそれのある類似の商標というべきであり、また、本願の指定商品と同一又は類似する商品は、引用商標の指定商品中に含まれているものと認められる。
したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(2)請求人の主張について
請求人は、本願商標は、図形と文字とを組み合わせて、全体をまとまりよく表してなる外観を有するものであり、また、本願商標は、その構成中の「S」、「SAI」及び「IKYO」の文字から、「エス」、「サイ」及び「イキョー」の称呼を生ずる旨主張する。
しかしながら、本願商標は、上記(1)アのとおり、その構成中に「SANKYO」の文字を有するものとして認識されるものであって、かつ、該文字部分が出所識別標識としての要部たり得るものであるところ、このような場合には、該文字部分を分離抽出した上で、他人の登録商標と比較して、商標そのものの類否を判断することが許されるものであり、そのような類否の検討をすれば、本願商標と引用商標とは、互いに紛れるおそれのある類似の商標というべきものであること、上記(1)ウのとおりであるから、この点についての請求人の主張を採用することはできない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
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