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Trademark Appeal Case

SOLEUSとSOLUSの類否

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2013−900333(T2013−900333/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第5596074号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第5596074号商標(以下「本件商標」という。)は、「SOLEUS」の欧文字を書してなり、平成25年2月12日に登録出願、第14類「腕時計,懐中時計,ストップウォッチ,その他の時計」を指定商品として、同年6月4日に登録査定され、同年7月5日に設定登録されたものである。

2 引用商標

登録異議申立人(以下「申立人」という。)の引用する登録第5377267号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲のとおりの構成からなり、平成22年8月12日に登録出願、第14類「目覚まし時計,腕時計,ストップウォッチ,水晶時計,柱時計,電気時計,時計鎖,時計ケース,時計のゼンマイ,時計のガラス,時計用バックル,時計の部品及び附属品,時計」を指定商品として、同22年12月17日に設定登録されたものである。

3 登録異議申立ての理由

申立人は、本件商標が商標法第4条第1項11号に違反して登録されたものであるから、その登録は取り消されるべきであるとして、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第12号証を提出した。

(1)本件商標の指定商品と引用商標の指定商品とは、同一又は類似関係にある。

(2)商標の類似

本件商標は、欧文字の「SOLEUS」、引用商標は、欧文字の「SOLUS」であり、外観上、主な相違は、「E」の有無にすぎない。そして、本件商標は6文字、引用商標は5文字と比較的簡潔な1語であることから、一見して、両商標は、外観上非常に紛らわしく出所の混同を生じさせる。

また、本件商標と引用商標とは、いずれも一般的に馴染みがなく、辞書を引かなければ何という言葉であるか正確にはわからなく、辞書によってはいずれの言葉も載っていないほど使用頻度が低く、スポーツ用品の業界でも一般的に使用されているような事実は見受けられない。

このような場合、需要者は読みやすいように称呼するので、本件商標の構成文字からは「ソレウス」、「ソルース」、「ソリュース」等と称呼され、引用商標の構成文字からは「ソルス」、「ソラス」等と需要者によって様々に称呼されることが容易に想定でき、時には、本件商標からは「ソルース」、引用商標からは「ソルス」と称呼され、類似した読み方がされる場合も生じる。

(3)取引状況について

引用商標は、ランニング用ウォッチに使用し、各種媒体にて広告宣伝され、既に市場で取引されている(甲3ないし甲7)。

また、引用商標は、香港において、2006年7月19日に時計などを指定商品として商標登録されたのを始めとして、その後、アジア諸国、アメリカ、EU、南アフリカ等世界15か国で商標登録を得ている(甲8)。

そして、申立人は、世界各国へと販路を拡大し、世界中の市場においても各国の代理店を介して宣伝、販売活動を行っている。その結果、引用商標は、ランニング用ウォッチに付される商標として世界の多くの市場においても業務上の信用を獲得し、一定の地位を確立している。

このように、引用商標は、遅くとも2011年7月より、日本国内で継続して様々な媒体で広告、販売され、また、諸外国においても商標権を獲得し、世界中で広く使用された結果、主として、ランニング時に使用されるスポーツウォッチのブランドとして、国際的にも業務上の信用を獲得しているから、引用商標は、本件商標の登録出願時には、既に時計業界における需要者、取引者の間で、一定の地位を確立している。

(4)出所の混同について

本件商標及び引用商標の付される商品は、ランニング用ウォッチで、その用途を同じくし、時計の素材感、商品形態の全体的な印象及び商標の付される位置、大きさまで良く似ている(甲10及び甲11)。

また、商標の付される商品が完全に競合しており、時計業界で一定の地位を確立した引用商標と外観上1文字しか違いのない本件商標が、引用商標と出所の混同を生じさせることは、一見して明らかである。

そして、引用商標の日本での販売代理店に対して、取引先より本件商標の付された商品について、引用商標の付された商品と取り違えている問い合わせが寄せられ、現実に出所の混同を生じさせている(甲12)。

このように、外観の類似性、取引状況及び出所の混同の事実に鑑みれば、本件商標と引用商標が類似することは明白である。

(5)まとめ

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。

4 当審の判断

(1)本件商標

本件商標は、前記1のとおり、「SOLEUS」の欧文字を書してなり、該欧文字は、「ヒラメ筋」の意味を有する英語といえる。そうすると、該欧文字から「ソリアス」の称呼及び「ヒラメ筋」の観念が生じるものである。

(2)引用商標

引用商標は、前記2のとおり、語頭の文字をややデザイン化してなる「SOLUS」の欧文字を書したものであるところ、該欧文字は、辞書類に載録された成語とは認められないものであり、かつ、特定の意味を有する語として一般に知られているとも認められないものであるから、我が国において広く親しまれている英語の読みに倣って称呼されるものというのが相当である。

そうすると、引用商標は、「ソルス」又は「ソーラス」の称呼を生ずるものであり、また、特定の観念を生ずることのないものである。

(3)本件商標と引用商標との類否について

ア 外観

本件商標は、「SOLEUS」の欧文字を横書きしてなるのに対し、引用商標は、語頭の文字をややデザイン化した「SOLUS」の欧文字を書したものであるから、外観上、これらが互いに紛れるおそれはない。

イ 称呼

本件商標から生じる「ソリアス」の称呼と引用商標から生じる「ソルス」又は「ソーラス」の称呼を比較すると、「ソリアス」と「ソルス」の称呼とは、4音と3音と音数を異にし、中間に位置する「リ」及び「ア」の音と「ル」の音の差異を有するものであって、短い音構成にあっては、該差異音が全体に与える影響が大きいものであるから、それぞれを一連に称呼するときは、全体の音感、音調が相違し、明瞭に聴別できるものである。

また、「ソリアス」と「ソーラス」の称呼とは、ともに4音構成であるとしても、中間に位置する「リ」及び「ア」の音と「ソ」の長音と「ラ」の音の差異を有するものであって、短い音構成にあっては、該差異音が全体に与える影響が大きいものであるから、それぞれを一連に称呼するときは、全体の音感、音調が相違し、明瞭に聴別できるものである。

ウ 観念

本件商標からは、「ヒラメ筋」の観念を生じ、引用商標からは、特定の観念を生じないから、両商標は、観念上類似するとはいえない。

エ 以上によれば、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれにおいても、相紛れるおそれのないものであるから、両商標は、非類似の商標というべきである。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。

(4)取引の実情について

申立人の提出に係る証拠をみると、2011年7月14日付けの「ゲンダイ新聞」には、「効率よくやせたい人にオススメのウオッチを5人に!」の見出しの下、「これまでも同様の商品はあったが、高価だったり、アスリート向けの仕様で一般の人が使うには不向きだった。SOLUSはその点をクリアしていて、運動時だけでなく、仕事中など普段の生活でも使っている人が少なくない。」との記載、「Pococe」(2011年9月号)には、「最適な運動量の管理に役立つタッチ式心拍数計測ウォッチ」の見出しの下、「SOLUS Leisure 800」が掲載、「Running style」(2012年1月号)には「SOLUS/ソーラス」の見出しの下、商品写真とともに「高性能ながら、高いコストパフォーマンス」と掲載され、そのほか「夢21」、「週刊ポスト」などに「心拍計測機能付きウォッチ」として掲載されている(甲3)。

また、引用商標の付された「心拍計測機能付きウォッチ」は、2011年4月から6月の間に10回、USTREAM配信されている。

しかしながら、「facebook」や「Youtube」においては、該商品の画像が見当たらなく、「TV Game Show」の画像には、「驚いて心拍数が上がる」の表示があるものの、引用商標の表示は、確認できない(甲4)。

そうすると、引用商標を付した「心拍計測機能付きウォッチ」は、我が国において、ある程度の広告、宣伝をしていることは認められるものの、時計業界における市場シェアや販売数量などについて、これをもって広く知られているともいい難い。

さらに、申立人は、本件商標及び引用商標の付される商品は、ランニング用ウォッチで、その用途を同じくし、時計の素材感、商品形態の全体的な印象及び商標の付される位置、大きさが良く似ているし、取り違えているという問い合わせがあるから、出所の混同がある旨主張しているが、両商標が類似しないことは、前記(3)のとおりであって、両商品の素材感、商品形態の全体的な印象及び商標の付される位置、大きさが良く似ていることは、両商標の類否判断に左右されるものではない。

(5)むすび

以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

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