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Trademark Appeal Case

引用商標の著名性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号無効2013−890037(T2013−890037/J3)
審判種別無効
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

登録第5524478号の登録を無効とする。
審判費用は被請求人の負担とする。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第5524478号商標(以下「本件商標」という。)は、「LALAVESI」の欧文字を標準文字で表してなり、平成24年4月2日に登録出願、第3類「化粧品」を指定商品として、同年8月9日に登録査定、同年9月28日に設定登録されたものである。

第2 請求人の主張

請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第25号証(枝番号を含む。なお、すべての枝番号に係る証拠を引用するときは、枝番号の記載を省略する場合がある。)を提出している。

1 商標法第4条第1項第19号について

ア 引用商標の著名性について

(ア)引用商標「LALAVESI」は、請求人が設立時から取締役を務めている(甲第4号証)、韓国ソウル特別市麻浦区所在の「KB PACIFIC CO.,Ltd.」(以下「KBパシフィック社」という。)の製造、販売に係る化粧品のブランド名として、2010年10月より、韓国において使用が開始されており、KBパシフィック社は、主に自社ホームページその他のインターネットの通販サイトを通じて、引用商標を付した化粧品を販売している(甲第5号証の1ないし5)。

(イ)引用商標を付した化粧品の売上げは、2011年が約4億ウォン、2012年が約62億ウォンであって、1年間で15倍以上の伸びを記録しており(甲第23号証)、現在では、KBパシフィック社は、化粧品、特に保湿クリームの部門において、韓国第1位の会社となっている。

なお、KBパシフィック社は、これまで「LALAVESI」ブランド以外で自社製品の販売は行っていないことから、上記売上げは、すべて「LALAVESI」ブランドの下で販売されたものである。

(ウ)引用商標を付した化粧品は、韓国において、2010年10月から2012年4月までの間、韓国日報を始めとするインターネット上の報道関連サイトや「Focus」、「Metro」といったフリーペーパー等に記事が掲載されたほか、2012年の3月から9月までの間に刊行された各種ファッション系雑誌にも特集記事や宣伝広告が掲載された(甲第6号証ないし甲第9号証)。

また、KBパシフィック社は、「LALAVESI」ブランドの専属モデルとして、韓国の女性芸能人「Maybee(メイビー)」(甲第10号証)を採用し、宣伝活動を行っている(甲第6号証の1、2及び7)。

(エ)引用商標を付した化粧品は、2011年2月、韓国における代表的なオープンマーケットである「11street」(甲第11号証。以下「11番街」という。)において、水分クリーム部門で1位の売上げを獲得し、また、同年3月、同様のオープンマーケットである「Auction」(甲第12号証。以下「オークション」という。)において、基礎ケア部門、スキンケア部門及び全体化粧品のそれぞれで1位の売上げを獲得した(甲第6号証の46)。

また、「LALAVESI」ブランドは、2011年3月31日、2011年上半期の「Digital YTN消費者が選定したE−BIZブランド大賞」の化粧品部門を受賞し(甲第6号証の41ないし44及び52、甲第14号証)、同年12月15日には、引用商標を付した化粧品の一である「天然コラーゲンウォーター水分クリーム」が、スポーツ韓国ヒット商品に選定された(甲第15号証)。

さらに、2012年2月、韓国におけるソーシャルコマースの首位業社である「チケットモンスター」と行ったイベントにおいて、引用商標を付した化粧品の一である「モロッコ アルガン スチームクリーム」(別名:悪魔クリーム)が、1日で1億ウォンの売上げを記録した(甲第6号証の117、119、122及び124、甲第8号証の48)ほか、韓国のオープンマーケットである「Gmarket」(甲第13号証)、「11番街」及び「オークション」においては、上記「悪魔クリーム」及びその第2弾である「テティス水分クリーム」が、いずれも保湿部門の1位の売上げを獲得し、同年3月には、該「テティス水分クリーム」が、ソーシャルコマースの「ティモン」で行った共同購入イベントで1日に2万個の販売を記録した(甲第6号証の132及び133、甲第8号証の58及び59)。

(オ)引用商標を付した化粧品は、我が国において、遅くとも2012年1月頃、インターネット上の韓国の総合情報サイト「地球の歩き方 韓国の歩き方」やブログに「モロッコ アルガン スチームクリーム(悪魔クリーム)」に関する記事が掲載され、その後、同年3月ないし4月にかけて、女性向け総合情報サイト「日経ウーマンオンライン」やブログに同様の記事が掲載されていたことが見受けられる(甲第18号証)。

また、2012年3月には、韓国製の化粧品等を取り扱っている通信販売サイト「コリアデパート」(甲第16号証)において、引用商標を付した化粧品のうちの「オッジ ララベシ テーテュースクリーム(悪魔クリーム)」、「オッジ ララベシ テーテュースクリーム リアルブラック(悪魔クリーム)」、「モロッコ アルガン スチームクリーム(悪魔クリーム)」、「モロッコ アルガン スチームクリーム LOVE Edition(悪魔クリーム)」等が販売されている(甲第17号証)。

なお、上記通信販売サイトにおける各商品の登録日は、いずれも平成24年3月23日であることから、遅くとも同日には、我が国において、該各商品が入手可能となっていたことが確認できる。

(カ)以上の事実から、引用商標は、KBパシフィック社の業務に係る商品を表示するものとして、少なくとも韓国において、需要者の間に広く認識されていたものであることは明らかである。

イ 本件商標と引用商標との類似について

本件商標は、前記第1のとおり、「LALAVESI」の欧文字を標準文字で表してなるところ、該文字は、その構成文字に相応して、「ララベシ」の称呼を生じ、特定の意味合いを有しない造語であることから、特定の観念を生じることのないものである。

他方、引用商標は、「LALAVESI」の欧文字を書してなるものであり、その構成文字を本件商標と同一にするものである。

したがって、本件商標と引用商標とが同一又は類似の商標であることは、明らかである。

ウ 不正の目的について

既に述べたとおり、引用商標は、化粧品のブランド名として、韓国において2010年10月から使用が開始され、遅くとも2012年3月23日には、我が国においても、通信販売サイトを通じて、引用商標を付した化粧品が購入可能となっていた。

また、インターネットその他の媒体での記事やブログ等によれば、引用商標は、本件商標の登録出願時である平成24年(2012年)4月2日には、韓国において周知、著名となっていたことが確認できる。

さらに、引用商標の「LALAVESI」という文字構成は、極めて独創的であり、楽しみを表す擬声語「ララ」とフィンランド語で水の語源をもつ「ベシ(vesi)」の合成語で、「水が与える皮膚の楽しみ」という意味合いを有するもの(甲第6号証の52、甲第9号証の7−2)であって、いずれも一般的な英単語の組合せではなく、語源を知らされなければ、その意味合いについて全く思いつかない類のものである。

加えて、「LALAVESI」ブランド商品の一である通称「悪魔クリーム」は、既に述べたとおり、韓国内において爆発的に売れたものであるところ、被請求人は、かかる「悪魔クリーム」についても、本件商標と同日に登録出願をしており(甲第20号証)、該出願については、請求人の所有する登録第5522156号商標(甲第22号証の2)が引用されて拒絶されている(甲第21号証、甲第22号証の1)。この「悪魔クリーム」という奇抜なネーミングは、「悪魔」という名称を化粧品に使用することが一般的とはいえないことからすれば、被請求人がこれと同じ構成からなる商標を偶然に思いつくなどということは到底考えられない。

してみれば、本件商標は、引用商標と偶然にその構成が一致したものとは考え難く、外国で周知となっている引用商標が我が国において出願されていないことを奇貨として、請求人に無断で登録出願されたものであり、不正の目的をもって使用されるものであることは明らかである。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当するものである。

2 商標法第4条第1項第7号について

引用商標は、既に述べたとおり、極めて独創的な造語であり、また、本件商標の登録出願時に、少なくとも韓国においては、KBパシフィック社の業務に係る商品を表示するものとして、需要者の間に広く認識されていたものである。

そして、引用商標を付した化粧品は、遅くとも平成24年3月23日には、我が国においても、通信販売サイトを通じて購入可能となっていた。

そうとすると、被請求人は、少なくとも本件商標の登録出願時において、KBパシフィック社が自己の製造販売に係る商品に引用商標を使用していることを知りつつ、引用商標がやがて我が国で登録出願されることを見越した上で、引用商標をそのまま剽窃し、本件商標を登録出願したことは明らかである。

加えて、被請求人は、法人ではなく、事業の実態も不明な一個人であるところ、本件商標を自らの業務に使用している事実は確認できず、今後使用する予定があるのかも明らかでないから、KBパシフィック社の国内参入を阻止し、本件商標をKBパシフィック社に高額で買い取らせる等の目的で、本件商標を登録出願したものと推認せざるを得ない。

してみれば、被請求人は、引用商標が我が国において商標登録されていないことを奇貨として、剽窃的及び先取り的に本件商標を登録出願し、請求人に無断で商標登録を得たといわざるを得ないものであるところ、本件商標の登録を認めることは、健全な法感情に照らし、条理上許されないというべきであり、また、商標法の目的にも反し、公正な商標秩序を乱すものというべきであるから、本件商標は、「公の秩序又は善良な風俗を害するおそれがある商標」に該当する。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号に該当する。

3 むすび

以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第7号及び同項第19号に違反してされたものであるから、同法第46条第1項第1号により、無効にすべきものである。

第3 被請求人の答弁

被請求人は、前記第2の請求人の主張に対し、何ら答弁していない。

第4 当審の判断

1 本件商標の商標法第4条第1項第19号該当性について

請求人の主張及び同人の提出した証拠によれば、以下の事実が認められる。

(1)引用商標の周知著名性

ア 請求人は、2010年6月9日に韓国で設立されたKBパシフィック社の取締役であり(甲第4号証)、KBパシフィック社は、自己の製造、販売に係る化粧品のブランド名として、2010年10月に韓国において引用商標の使用を開始した。

そして、KBパシフィック社は、主に自社ホームページその他のインターネットの通販サイトを通じて、引用商標を付した化粧品を販売しているところ(甲第5号証)、その売上げは、2011年に約4億ウォンであったものが、2012年には約62億ウォンというように、急激に伸びている(甲第23号証)。

イ 引用商標及び「lalavesi」の欧文字からなる商標を付した化粧品は、韓国において、2010年10月から2012年までの間、「韓国日報」や「東亜日報」等のインターネット上の報道関連サイト、「Focus」等のフリーペーパーに記事が掲載された(甲第6号証ないし甲第8号証)。そして、該記事の訳文(抄訳)によれば、その内容は、以下のとおりである。

(ア)2010年10月25日付け「文化ジャーナル21」(甲第6号証の3)

「発売を控えた化粧品『ララベシ』、反応が普通じゃないよ」の見出しの下、発売を控えている化粧品ブランドのララベシが、オンライン上を熱くしている。(中略)ララベシの製品関連ブロガーのオンラインコンテンツは、9月末、約20件ほどだったのが、10月初めと中旬を超えて、約1,800件を超えるコンテンツがつくられ、口コミの威力を実感できる。

(イ)2011年2月9日付け「韓国日報」(甲第6号証の18)

「口コミだけで7,000セット売り上げ アイクリーム発売2ヶ月でオンライン売り上げ新記録」の見出しの下、ララベシは、発売2ヶ月でオンラインショッピングモールを通じてパープルアイクリームを何と7,000セットも売った。

(ウ)2011年3月23日付け「韓国日報」(甲第6号証の32)

「ララベシ、水分にコラーゲンまで弾力終結クリーム ララベシ水分クリーム オープンマーケット売り上げ1位・・・『保湿+弾力』同時管理」の見出しの下、口コミだけで業界1位、ビューティーブランド ララベシの水分クリーム人気が尋常でない。ララベシのパープル水分コラーゲンクリームがオープンマーケット11番街とオークションで売り上げ1位に上がった。この製品は11番街発売3ヶ月で、オークションでは4ヶ月で水分部門1位の売り上げを達成した。

(エ)2011年4月11日付け「韓国日報」(甲第6号証の41)

「ララベシ、消費者選定E−ビズ大賞 YTN『消費者選定E−ビズ』化粧品部門」の見出しの下、ビューティーブランド ララベシが発売5ヶ月でブランド大賞を受賞した。(中略)ララベシは既存のビューティブランドとは違い、パープル水分クリーム、パープルアイクリーム、パープルBBクリームのただ三つの製品に賞を受けた点で話題になった。

(オ)2011年8月3日付け「韓国日報」(甲第6号証の87)

「ララベシ、たった1万ウォンでしっとり感を感じて下さい 水分+カモミールエッセンス2種一週間イベント」の見出しの下、ララベシはオープンマーケット水分製品1位、エッセンス1位、2回の完売、デジタルYTN上半期ブランド大賞化粧品部門を受賞してビューティーブランドのルーキーに浮かび上がっている。先月7日には南極クアクアクールエッセンスを発売して一気にオンラインニュース リアルタイム検索1位をしたこともある。

(カ)2012年2月8日付け「スポーツ韓国」(甲第6号証の117)

「NEW(コンシューマーメイン)ララベシ悪魔クリーム人気集め」の見出しの下、ララベシ悪魔クリームが優れた製品力で人気を独占している。ララベシは製品の市場発表一ヶ月でオンラインのオープンマーケットであるGマーケット、11番街、オークションで保湿カテゴリー1位を占めたしソーシャルコマース1位業者であるチケットモンスターと行ったイベントでは一日で1億ウォンの売り上げを記録したと明らかにした。(中略)悪魔クリームは発売前オンラインで輸入クリームと行ったブラインドテストで保湿部門で全勝をした悪魔のような存在感で付けられた愛称で製品名はララベシモロッコアルガンスチームクリームだ。

(キ)2012年3月28日付け「韓国経済」(甲第6号証の129)

「ララベシ悪魔クリーム、ソーシャルコマースで『完売』になった理由は何か」の見出しの下、オンライン水分クリーム市場で熱い反応を得て話題を集めた(株)ララベシの「悪魔クリーム」が人気を集めている。大韓民国第一ソーシャルコマースである「ティモン」を通じて行った共同購入イベントで一日で2万個が完売した。

(ク)2010年11月19日付け「Focus」(甲第8号証の1)

「機能性化粧品『ララベシ』がオンラインを熱くする」の見出しの下、歌手メイビがモデルとして活躍しているララベシは、ビューティーパワーブロガーを中心に、口コミで広がり、今月に入ってオンラインコンテンツの数が約2千個にまで急増した。

(ケ)2011年10月25日付け「Focus」(甲第8号証の30)

「豪華なBB8,000ウォン暴風イベント!」の見出しの下、オープンマーケットトリプルクラウン(Gマーケット、11番街、オークションで同時1位)、オンライン完売ブランド、1万人の化粧品でオンラインビューティーアの間で人気を集めているララベシが誕生1周年をむかえ1年間ララベシを愛用したスーパー顧客に1+1とスーパー価額で構成した「You are a Super Customer」イベントを行って話題。

(コ)2012年2月9日付け「metrobeauty」(甲第8号証の49)

「天然オイル『悪魔クリーム』に女心が揺れる ララベシ製品発売一ヶ月で完売・・・一日売り上げ1億ウォン」の見出しの下、悪魔クリームの製品名はララベシの「モロッコアルガンスチームクリーム」。ララベシ関係者は「最近一カ月間オープンマーケット11番街・Gマーケット・オークションの保湿カテゴリーで1位を占め、ソーシャルコマース業者チケットモンスターと進行したイベントで一日で1億ウォンの売り上げを上げた」と話した。

(サ)2012年3月27日付け「metrobeauty」(甲第8号証の59)

「『悪魔クリーム2弾』も女心をひきつけた ■ララベシ『テティスクリーム』一日で2万個販売成功神話」の見出しの下、ララベシは、悪魔クリームのアドバンスバージョンである「テティスクリーム」がオンラインで一日で2万個が売れたと26日明らかにした。Gマーケット、11番街、オークションなど主なオープンマーケット保湿製品カテゴリーで販売1位を占めた「テティスクリーム」は最近ソーシャルコマースサイトのティモンで行われた共同購入イベントで一日で2万個「完売」記録を立てた。

ウ 引用商標を付した化粧品は、2012年の3月から9月までの間に刊行された「SURE」等のファッション系雑誌に特集記事や広告が掲載された(甲第9号証)。

エ 韓国製の化粧品等を取り扱っている通信販売サイトとされる「KOREA DEPART」に、「ララベシ[韓国コスメ Lalavesi]オッジ ララベシ テーテュースクリーム リアルブラック(悪魔クリーム)」、「ララベシ[韓国コスメ Lalavesi]オッジ ララベシ テーテュースクリーム(悪魔クリーム)」及び「ララベシ[韓国コスメ Lalavesi]モロッコ アルガン スチームクリーム(悪魔クリーム)」と称する商品が、その商品の画像とともに、いずれも登録日を「平成24年3月23日」として掲載されている(甲第17号証の1、3及び4)。

オ インターネット上の韓国の総合情報サイトとされる「地球の歩き方 韓国の歩き方」に、2012年1月18日を登録日とする記事として、「韓国女性を支配する“悪魔クリーム”」の見出しの下、「“悪魔”クリーム!? と耳を疑う強烈なネーミングのクリームが最近ネット上で話題になっていましたが、ついにその正体が明らかにされました。話題になったキッカケは、累積訪問者100万人以上を誇るビューティー系パワーブロガーたちを対象に行われたブライングテスト。有名コスメブランドの水分クリームなどと比較した結果、高い保湿力と素早い吸収力、リフティング効果などで他社製品を圧倒的に抑える高い点数がつきました。にも関わらず商品詳細がなかなか公開されなかったことで、より多くの関心を集めていた悪魔クリーム。その正体がこちら、ララベシの『モロッコ アルガンスチームクリーム(Morocco Argan Steam cream)』です!」との記載とともに、該商品の画像が掲載されている(甲第18号証の1)。

カ 2012年1月18日付け「おまめちゃんのオルチャンへの道」と称するブログに、「コスメ☆モロッコ アルガンスチームクリーム」の見出しの下、「最近韓国ブロガーを筆頭に話題になってる、モロッコ アルガンスチームクリーム。別名悪魔クリームと呼ばれています。・・・絶対的保湿力という口コミが広がり、オープンマーケットで販売率1位です。」との記載とともに、該商品の画像が掲載されている(甲第18号証の2)。

キ 2012年3月22日付け「韓ガールの韓国ソウル観光・コスメ・芸能ニュース」と称するブログに、「韓国で流行り始まっている『悪魔クリーム』の正体は!」の見出しの下、「今日は韓国で流行っているこの『悪魔クリーム』をご紹介いたします。・・・この『悪魔クリーム』は販売前に、名前や成分、ブランド、価格などの情報を一切公開しないで、ブラインドテストを行う韓国のビューティー情報番組『Get it beauty』のブラインドテストで有名ブランドの水分クリームを抜いて圧勝しました。その後、口コミで広まりまってオラインサイトで販売をはじまり、保湿製品カテゴリで1位をしたり、ソーシャルネットワークを通じて行った共同購買イベントでは一日で1億ウォンの売り上げを上げるほど人気でした。販売から1ヶ月で完売する記録をして、水分クリーム界の新たなアイコンとして注目を受けています。販売前に何も公開されていなかった正体をLALAVESI(ララベシ)により明らかになりました。」との記載とともに、該商品の画像が掲載されている(甲第18号証の3)。

ク 2012年4月16日付け「うつみ宮土理のMy Body Loves アンチエイジング編」と称するブログに、「韓国で大人気! 悪魔のクリーム」の見出しの下、「今、韓国で大人気でとても売れているクリームをお友達に見せてもらいました。その名は、『悪魔クリーム』と呼ばれている保湿クリームです。通常は黄色いケースに入っている商品ですが、今年の3月に買ったら、ホワイトデー期間ということで赤いケースだったということです。『モロッコ アルガン スチーム クリーム』」との記載とともに、該商品の画像が掲載されている(甲第18号証の4)。

ケ 以上によれば、引用商標を付した化粧品は、2010年(平成22年)10月頃より、韓国内の化粧品、特に保湿製品の需要者の間で大きな関心を集め、その製品が発売されると間もなく爆発的な人気を得るに至ったものというべきであり、その人気は、少なくとも2012年(平成24年)9月においても継続していたとみるのが相当である。

してみれば、引用商標は、本件商標の登録出願時(平成24年4月2日)はもとより、その登録査定時(同年8月9日)においても、韓国内における化粧品の需要者の間において、広く認識されていたものというべきである。

また、引用商標を付した化粧品のうち、「悪魔クリーム」と称される商品は、その特異な名称と相まって、本件商標の登録出願時には、我が国の需要者の間においても、ある程度知られていたといえる。

(2)本件商標と引用商標との類似性について

本件商標は、前記第1のとおり、「LALAVESI」の欧文字を標準文字で表してなるものであるのに対し、引用商標は、「LALAVESI」の欧文字からなるものである。

してみれば、本件商標と引用商標とは、同一の文字構成からなるものであって、その構成態様に照らし、酷似するものといい得るから、両商標の類似性は、極めて高いといわなければならない。

(3)不正の目的について

本件商標は、上記(2)のとおり、引用商標と酷似するものであって、しかも、「LALAVESI」の文字は、辞書等に掲載されているものではなく、親しまれた既成の観念を有する成語を表したものとはいえないことからすると、偶然の一致とは到底考えられないものである。

そして、引用商標を付した化粧品は、本件商標の登録出願時には既に、韓国において高い人気を得ており、同国内の需要者の間で広く認識されていたこと、我が国においては、近年、「韓国コスメ」などと称される韓国製の化粧品が広く紹介され、少なからず関心を集めていることは周知の事実であるところ、引用商標を付した化粧品のうち、特に「悪魔クリーム」と称される商品は、本件商標の登録出願時には、その需要者の間において、ある程度知られていたといえること、などを総合勘案すると、被請求人は、本件商標の登録出願時に、引用商標の存在を熟知していたものというべきであり、引用商標が商標登録されていないことを奇貨として先取りし、剽窃的に本件商標を登録出願し、その登録を受けたものといわざるを得ない。

なお、被請求人は、前記第3のとおり、本件審判における請求人の主張に対し、何ら答弁していない。

以上によれば、本件商標は、韓国内の需要者の間に広く認識されている引用商標と類似するものであり、引用商標の名声、周知性等に便乗し、不正の利益を得る目的をもって使用するものというべきである。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当するものである。

2 むすび

以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第19号に違反してされたものであるから、同法第46条第1項の規定に基づき、無効にすべきものである。

よって、結論のとおり審決する。

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