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結論

勝訴(請求認容)

第4条第1項第11号「長音の有無と称呼の類似性」の商標審決・判断理由(審判番号:不服2014−13989(T2014−13989/J1)|拒絶査定取消・登録)

審判番号
不服2014−13989(T2014−13989/J1)
審判種別
不服

本文で言及されている区分

事件のポイント・要約

対象商標
本件商標(図形等・本文参照)
争点(論点)
長音の有無と称呼の類似性
適用条文
第4条第1項第11号
指定商品・役務の区分
本文参照
最終結論
拒絶査定取消・登録(勝訴(請求認容))

この審決(審判不服2014−13989(T2014−13989/J1)・不服)は、本件商標について、商標法第4条第1項第11号への該当性が争われた事例です。主な争点は「長音の有無と称呼の類似性」です。特許庁は「原査定を取り消す」と判断しました(拒絶査定取消・登録)。類似する商標を出願する際は、本件の判断枠組みを踏まえて称呼・外観・観念や指定商品の重なりを事前に確認することが重要です。

※ 上記は審決公報の本文から自動で整理した要約です。正確な内容は下記の公報原文をご確認ください。

結論テキスト

原査定を取り消す。
本願商標は、登録すべきものとする。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は,別掲のとおりの構成からなり,第9類「SIMロックが解除された携帯電話機」及び第35類「SIMロックが解除された携帯電話機の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」を指定商品及び指定役務として,平成25年9月6日に登録出願されたものである。

2 引用商標

原査定において,本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして,本願の拒絶の理由に引用した登録第5216508号商標(以下「引用商標」という。)は,「WASABI」の欧文字を横書きしてなり,2008年8月7日にアメリカ合衆国においてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張して,平成20年9月10日に登録出願,第9類「プリンタ,その他の電子応用機械器具及びその部品,電気通信機械器具」を指定商品として,平成21年3月19日に設定登録されたものであり,その商標権は,現に有効に存続しているものである。

3 当審の判断

(1)本願商標

本願商標は,別掲のとおり,「SIM FREE」及び「PRO SHOP」の各欧文字並びにSIMカード(携帯電話番号などの契約者情報を記録したICカード)を表したと思しき図形等を内包する円図形と「Wasabee」の欧文字とを上下に配してなるところ,該円図形と「Wasabee」の欧文字とは,それぞれの配置に照らせば,視覚上,分離して看取され得るものである。

また,本願商標の構成中の「SIM FREE」の欧文字及びこれに相応する「SIMフリー」の文字は,「SIMカードに設定された通信に係る制限(SIMロック)を解除すること」程の意味合いを有する語として,近年,例えば「スマートフォン」や「タブレット型コンピュータ」等を取り扱う業界において,一般に広く用いられているものであり,これに「専門店」を意味する英語「PRO SHOP」を組み合わせた場合,容易に上記SIMロック解除に関する専門店程の意味合いを看取,理解させるといい得る一方,本願商標の構成中の「Wasabee」の欧文字は,辞書類に成語として載録されている事実は認められない。

以上を踏まえて,本願商標をみるに,その指定商品及び指定役務は,前記1のとおりであるから,本願商標の構成中の円図形部分は,それを構成する「SIM FREE」及び「PRO SHOP」の各欧文字並びにSIMカードを表したと思しき図形等といった各構成要素に照らせば,自他商品又は自他役務の識別標識として,さほど強い印象を与えるとはいい難いものである一方,本願商標の構成中の「Wasabee」の欧文字部分は,特定の意味を有することのない造語として看取,理解され,強く支配的な印象を与えるものとみるのが相当であるから,本願商標は,その構成中の「Wasabee」の欧文字部分をもって取引に資することも少なくないといい得るものである。

してみれば,本願商標は,その構成中の「Wasabee」の欧文字部分に相応して,「ワサビー」の称呼を生じるものであり,特定の観念を生じることのないものである。

(2)引用商標

引用商標は,「WASABI」の欧文字を横書きしてなるところ,該欧文字は,香辛料の一である「わさび(山葵)」を意味する語として,一般に広く使用されており(甲第1号証ないし甲第6号証),また,辞書類においても,同様に載録されているものである。

してみれば,引用商標は,これに接する需要者をして,「わさび(山葵)」を欧文字表記したものと看取,理解されるとみるのが相当である。

したがって,引用商標は,その構成文字に相応して,「ワサビ」の称呼を生じ,「わさび(山葵)」の観念を生じるものである。

(3)本願商標と引用商標との類否

本願商標と引用商標との類否について検討するに,本願商標と引用商標とは,それぞれ上記のとおりの構成からなるものであって,図形の有無といった明らかな差異がある上,本願商標の構成中,自他商品又は自他役務の識別のための要部たり得る「Wasabee」の欧文字部分と「WASABI」の欧文字との間においても,その文字構成について,容易に区別できる差異があるから,外観上,相紛れるおそれはない。

また,本願商標から生じる「ワサビー」の称呼と引用商標から生じる「ワサビ」の称呼とは,第3音の「ビ」が長音を伴うか否かという差異を有するものの,ほかの音をすべて同じくするものであって,該差異音が称呼全体に及ぼす影響は大きいとはいい難く,それぞれを称呼するときは,音調,音感が互いに近似したものとなるから,両商標は,称呼上,類似するものである。

さらに,本願商標は特定の観念を生じることのないものであるのに対し,引用商標は「わさび(山葵)」の観念を生じるものであるから,両商標は,観念上,相紛れるおそれはない。

してみれば,本願商標と引用商標とは,称呼において類似するとしても,外観及び観念において相紛れるおそれのないものであって,ほかに,本願商標と引用商標とを同一又は類似の商品又は役務に使用したときに,商品又は役務の出所の混同を生じるおそれがあるとみるべき特段の事情も見いだし得ないことから,これらを総合勘案すれば,両商標は,相紛れるおそれのない非類似の商標である。

したがって,本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は,取消しを免れない。

その他,本願について拒絶の理由を発見しない。

よって,結論のとおり審決する。

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