Trademark Appeal Case
称呼・外観・観念の類似
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2013−19284(T2013−19284/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「サスティナブルセメント」の片仮名を標準文字で表してなり、第19類に属する願書に記載のとおりの商品を指定商品として、平成24年11月14日に登録出願されたものである。そして、指定商品については、原審における同25年5月20日付け手続補正書により、第19類「戻りコンクリート・残コンクリートから分離回収されたセメント分微粉末及びその製品」に補正されたものである。
2 引用商標
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして引用した登録第4678380号商標(以下「引用商標」という。)は、「サステナブル」の片仮名を標準文字で表してなり、平成14年2月1日に登録出願され、第19類「セメント及びその製品」のほか、第1類、第7類、第19類、第37類、第40類及び第42類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同15年5月30日に設定登録されたものである。その後、同25年2月19日に商標権の存続期間の更新登録され、現に有効に存続しているものである。
3 当審の判断
(1)本願商標は、前記1のとおり、「サスティナブルセメント」の片仮名を標準文字で表してなるところ、その構成中の「セメント」の文字部分は、「石灰石・粘土・酸化鉄を焼成・粉砕した灰白色の粉末であり、コンクリートやモルタルを作る際の主原料。」の意味で我が国において広く親しまれた語であり、かつ、本願の指定商品との関係においては、商品の品質又は原材料を表す語であることからすれば、本願商標は、「サスティナブル」の文字と「セメント」の文字からなるものと容易に理解されるものであるから、その構成中の「サスティナブル」の文字部分が自他商品の識別標識としての機能を有するというのが相当であり、本願商標から該文字部分を分離、抽出し、これをもって取引に資されることも少なくないというべきである。
そして、「サスティナブル」の文字についてみると、別掲1のとおり、「サステイナブル」の語が「持続可能な。持続可能であるさま。」の意味で辞書に載録され、別掲2のとおり、建築又は構築に係る業界において、「サスティナブル」の語が「持続可能。持続可能な。持続する。」程の意味合いで使用されていることからすれば、「サステイナブル」と「サスティナブル」は、同義語として看取されるものであるが、該語が本願の指定商品との関係において、商品の品質等を表す語として取引上普通に使用されている事実を見つけることはできない。
そうすると、本願商標からは、「サスティナブル」の文字部分に相当して、「サスティナブル」の称呼及び「持続可能」の観念が生じるものである。
一方、引用商標は、前記2のとおり、「サステナブル」の片仮名を標準文字で表してなるところ、該語は、別掲1(2)によれば、「サステイナブル」と同義語であり、別掲3のとおり、建築又は構築に係る業界において、「持続可能。永続可能な。」程の意味合いで使用されていることからすれば、引用商標からは、その構成文字に相当して、「サステナブル」の称呼及び「持続可能」の観念が生じるものである。
そこで、本願商標と引用商標の類否について検討するに、外観については、両商標は、いずれも標準文字で表したものであり、本願商標の構成中の「サスティナブル」の文字と引用商標の「サステナブル」の文字とは、小さく表された「ィ」の文字の有無に差異を有するものの、語頭における「サステ」から語尾における「ナブル」まで、他の文字全てを共通にするものであるから、両者は、外観上近似しているとみるのが相当である。
次に、称呼については、本願商標より生じる「サスティナブル」の称呼と引用商標より生じる「サステナブル」の称呼とは、共に6音構成からなり、称呼の識別上最も重要な部分である語頭部分の「サス」と第4音以降の「ナブル」の音を共通にし、異なるところはわずかに第3音の「ティ」と「テ」の音の差にすぎないものである。しかも、該差異音は、比較的明瞭に聴取されにくい中間に位置し、かつ、その発音の方法においても、舌尖を上前歯のもとに密着して破裂させて発する無声子音(t)を共通にし、母音「i」と「e」においてのみ相違するにすぎないものであるから、「サスティナブル」と「サステナブル」をそれぞれ一連に称呼したときは、その語調、語感が極めて近似したものとなり、互いに聞き誤るおそれが十分にあるものといわなければならない。
さらに、本願商標と引用商標とは、「持続可能」の観念を同一にするものである。
そうすると、本願商標と引用商標は、観念を同一にし、外観及び称呼が近似するから、互いに相紛れるおそれのある類似の商標といわなければならない。
そして、本願の指定商品は、引用商標の指定商品中「セメント及びその製品」と同一又は類似の商品である。
してみれば、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものである。
(2)請求人の主張について
請求人は、本願商標は、一連一体的に構成されているから、「セメント」の文字部分を除いて単に「サスティナブル」と称呼されることはないが、仮に、「サスティナブル」と称呼される場合があるとしても、引用商標から生じる称呼とは、両称呼の差異音の「ティ」と「テ」の違いによって聴取者の印象が大きく異なり、語調、語感が紛らわしいとはいえないから両者は称呼において類似しない旨、本願商標の係る構成からすれば、引用商標とは外観上相違する旨、本願商標の構成中の「サスティナブル」と引用商標の「サステナブル」は、いずれも英語の「sustainable」に由来するが、該語は多くの日本人にとって、その意味が十分に理解されているものとはいえず、仮に、該語が「リサイクル可能な」の意味で知られているとしても、本願商標が「サスティナブル」と「セメント」とを一連一体的に接続した構成からなることによりすれば、本願商標の「サスティナブル」の文字部分からは、「リサイクルの結果得られて素材を使った」との観念が生じ、「リサイクル可能な」の観念は生じないから、両者は観念においても相違している旨主張している。
しかしながら、上記(1)のとおり、本願商標は、その構成中、「セメント」の文字部分が商品の品質又は原材料を表すものとして認識され、自他商品の識別機能を有するものとはいい難いから、構成中の「サスティナブル」の文字部分をもって取引に資されることも少なくないというべきである。
また、「サスティナブル(サステイナブル、サステナブル)」の語は、別掲のとおり、「持続可能」の意味合いで辞書に載録され、実際に建築又は構築に係る分野において使用されている語であるから、本願商標の「サスティナブル」の文字部分及び引用商標からは、「持続可能」の観念が生じ得るというのが相当である。
これらを踏まえて、本願商標と引用商標について、外観、称呼及び観念を比較すれば、両者は、互いに相紛れるおそれのある類似の商標といわなければならない。
よって、請求人の主張は採用することができない。
(3)したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
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