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Trademark Appeal Case

著名商標の類否と混同

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2013−900425(T2013−900425/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第5617579号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第5617579号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)のとおりの構成からなり、平成25年3月26日に登録出願、第14類「時計」を指定商品として同年7月3日に登録査定、同年9月27日に設定登録されたものである。

2 登録異議申立人(以下「申立人」という。)の引用する登録商標

申立人が本件商標の登録異議の申立ての理由に引用する商標は、次の(1)ないし(7)のとおりの商標であり、いずれも現に有効に存続しているものである。

(1)国際登録第695685号商標(以下「引用商標1」という。)

商標の構成:別掲(2)のとおり

国際登録日:1998年(平成10年)4月22日

設定登録日:平成14年9月6日

指定商品 :「horological and chronometr

ic instruments.」を含む第14類、第9類、

第16類、第18類及び第25類に属する国際登録に基づく商

標権に係る商標登録原簿記載のとおりの商品

(2)登録第4244744号商標(以下「引用商標2」という。)

商標の構成:別掲(3)のとおり

登録出願日:平成9年1月27日

設定登録日:平成11年2月26日

指定商品 :第3類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品

(3)登録第2204518号商標(以下「引用商標3」という。)

商標の構成:別掲(4)のとおり

登録出願日:昭和59年12月5日

設定登録日:平成2年1月30日

指定商品 :第24類及び第25類に属する商標登録原簿記載のとおりの

商品

(4)登録第2076955号商標(以下「引用商標4という。)

商標の構成:別掲(4)のとおり

登録出願日:昭和59年12月5日

設定登録日:昭和63年9月30日

指定商品 :第14類、第18類、第25類及び第26類に属する商標登

録原簿記載のとおりの商品

(5)登録第1941608号商標(以下「引用商標5という。)

商標の構成:別掲(4)のとおり

登録出願日:昭和59年12月5日

設定登録日:昭和62年3月27日

指定商品 :第14類、第18類、第21類、第25類及び第26類に属

する商標登録原簿記載のとおりの商品

(6)登録第4189734号商標(以下「引用商標6」という。)

商標の構成:別掲(4)のとおり

登録出願日:平成9年6月16日

設定登録日:平成10年9月18日

指定商品 :第3類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品

(7)登録第5248549号商標(以下「引用商標7」という。)

商標の構成:別掲(5)のとおり (立体商標)

登録出願日:平成20年6月4日(優先権主張 スイス連邦 2008年

1月8日商標登録出願)

設定登録日:平成21年7月17日

指定商品 :第3類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品

以下、引用商標1ないし7をまとめていうときは「引用各商標」という。

3 登録異議の申立ての理由の要点

申立人は、本件商標は商標法第4条第1項第11号、同第15号及び同第19号に該当するとして、その理由を以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第26号証を提出した。

(1)商標法第4条第1項第11号について

本件商標は、引用商標1に類似する商標であって、外観・称呼・観念において極めて紛らわしく、両商標は類似である。また、本件商標と引用商標1は、その指定商品も同一又は類似のものである。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。

(2)商標法第4条第1項第15号について

引用各商標の図形部分は、申立人の国際的な著名商標であるため、これに類似する本件商標は、申立人の業務に係る商品又は役務と混同を生じさせるおそれがある。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。

(3)商標法第4条第1項第19号について

引用各商標は、申立人の国際的な著名商標であり、これに類似する本件商標は、引用各商標の出所表示機能を希釈化させ、その名声を毀損させる目的をもって出願されたものである。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当する。

4 当審の判断

(1)引用各商標について

申立人の提出した証拠及び主張によれば、以下のとおりである。

ア 申立人は、イタリアのデザイナーである「GIORGIO ARMANI」(以下「ジョルジオ・アルマーニ」という。)の設立した会社の支店であり、そのデザインに係る商品の取り扱い及び商標権等の知的財産権の管理をしており、申立人は、引用各商標の権利者である。

イ ジョルジオ・アルマーニは、ジョルジオ・アルマーニ社を設立後、ファッションデザイナーとしての地位を確立し、ジョルジオ・アルマーニのデザインに係るメインブランドの「GIORGIO ARMANI」の製品は、高く評価され、ファッション関係の賞を多数獲得するなど(甲9ないし甲12)、ジョルジオ・アルマーニは、イタリアを代表する著名なデザイナーの一人であるといえる。

ウ「GIORGIO ARMANI」ブランドの1つ「EMPORIO ARMANI」は、ジョルジオ・アルマーニの手がけるセカンドラインとして、1981年に発表され、メインブランドの「GIORGIO ARMANI」の製品より価格帯を少し低めに設定したブランドで、人気を得ている(甲11)。また、「EMPORIO ARMANI」は、我が国において、丸の内店、青山店、神戸店など繁華街に展開している(甲10)。

そして、「EMPORIO ARMANI」の製品には、引用商標1ないし引用商標6中の「欧文字『GA』を内部に配してなる右向きの猛禽類をデザイン化した図形」、「『EMPORIO ARMANI』の欧文字」、引用商標7の「右向きの猛禽類をデザイン化した図形」が使用されている(甲13ないし甲14、甲19ないし甲29)。

エ 以上からすれば、引用各商標は、ジョルジオ・アルマーニに係るファッション関連商品について使用する商標として、我が国の取引者、需要者の間に広く認識されているものと認められる。

(2)本件商標

本件商標は、別掲(1)のとおり、頭部を右向きにしてその上部に王冠を描き、両翼は、下方から上方に向けて広げたように表され、左翼は頭部と一体的に表したかのように配置され、左翼の下方3本は、右の翼の長さより短く表され、顔部には、目と鈎型のくちばしを有することから猛禽類をデザイン化した図形と看取されるが、種類は特定できないから、特定の称呼は生じないものである。

また、観念においては、「王冠を頭上に頂いた猛禽類」程の観念を生じるものである。

(3)引用各商標

ア 引用商標1及び2は、別掲(2)及び(3)のとおり、その構成全体が横縞模様で表され、両翼は、左右ほぼ対称の長さで等間隔に下方から上方に向けて広げたようにV字状に表され、中央上部に頭部を右向きにした鈎型のくちばしを有する猛禽類をデザイン化した図形であり、この図形の中央下部に重ねるように「GA」の文字を白抜きで配した構成からなるものであり、「GA」の文字に相応し「ジーエー」の称呼を生じるものである。

また、観念においては、前記(1)のとおり引用商標の周知性にかんがみ、猛禽類をデザイン化した図形から、「ジョルジオ・アルマーニブランドのマーク」程の観念を生じるものである。

イ 引用商標3ないし6は、別掲(4)のとおり、引用商標1及び2と同様に、「GA」の文字を白抜きで配した猛禽類をデザイン化した図形と「EMPORIO ARMANI」の欧文字の組合せからなるものであり、「GA」の文字に相応し「ジーエー」の称呼を生じ、「EMPORIO ARMANI」の文字に相応し「エンポリオアルマーニ」の称呼を生じるものである。

また、観念においては、前記(1)のとおり引用商標の周知性にかんがみ、猛禽類をデザイン化した図形から、「ジョルジオ・アルマーニブランドのマーク」程の観念及び「EMPORIO ARMANI」からは「ジョルジオ・アルマーニブランドのエンポリオアルマーニ」の観念を生じるものである。

ウ 引用商標7は、別掲(5)のとおり、立体商標であり、直方体形状の蓋付き瓶の中央に引用商標1及び2の猛禽類をデザイン化した図形部分からなるものであり、これよりは、特定の称呼を生じないものである。

観念においては、前記(1)のとおり引用商標の周知性にかんがみ、猛禽類をデザイン化した図形から、「ジョルジオ・アルマーニブランドのマーク」程の観念を生じるものである。

(4)商標法第4条第1項第11号について

本件商標は、前記1のとおりであり、引用商標1は、前記2(1)のとおりである。

そこで、まず、本件商標と引用商標1との外観について比較すると、両商標は、共に猛禽類をデザイン化した図形である点、両翼を下方から上方に向けて広げたように表された点において共通するものの、本件商標が、頭部上部に王冠を描き、頭部と左翼が一体的に表したかのごとく配置されているのに対し、引用商標1は、構成全体が横縞模様で表され、「GA」の文字がある点などに相違している。

そうとすれば、本件商標と引用商標1とは、その構成態様において十分区別し得る差異を有し、図形全体から受ける視覚的印象も全く異にするものであるから、これらを時と処を異にして離隔的に観察した場合においても、外観において相紛れるおそれはない。

次に、称呼については、本件商標は、特定の称呼を生じず、引用商標1は、「ジーエー」の称呼を生じるものであるから、相紛れるおそれはない。

さらに、観念については、本件商標は、「王冠を頭上に頂いた猛禽類」程の観念を生じるのに対し、引用商標1は、「ジョルジオ・アルマーニブランドのマーク」程の観念を生じるものであるから、相紛れるおそれはない。

そうすると、本件商標と引用商標1は、外観、称呼及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれのない、非類似の商標である。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するとはいえない。

(5)商標法第4条第1項第15号について

別掲(1)のとおりの本件商標と別掲(2)ないし(5)の引用各商標とを比較すると、外観について、本件商標と引用各商標とは、その構成態様において十分区別し得る差異を有し、これらを時と処を異にして離隔的に観察した場合においても、相紛れるおそれはない。

次に、称呼については、本件商標は、特定の称呼を生じないものであるのに対し、引用商標1ないし6は、「GA」の文字部分から、「ジーエー」の称呼を生じ、引用商標3ないし6は、「EMPORIO ARMANI」の文字から、「エンポリオアルマーニ」の称呼を生じ、また、引用商標7は、特定の称呼を生じないから、本件商標と引用各商標は、称呼において相紛れるおそれはない。

さらに、観念については、本件商標は、「王冠を頭上に頂いた猛禽類」程の観念を生じるのに対し、引用各商標は、猛禽類をデザイン化した図形から「ジョルジオ・アルマーニブランドのマーク」程の観念を生じ、また、引用商標3ないし6から「ジョルジオ・アルマーニブランドのエンポリオアルマーニ」の観念を生じるものであるから、本件商標と引用各商標は、観念において相紛れるおそれはない。

そうすると、本件商標と引用各商標は、外観、称呼及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれのない、非類似の商標である。

してみれば、本件商標と引用各商標は、外観、称呼及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれのない、非類似の商標であって、別異の商標というべきものであるから、たとえ、前記(1)のとおり、引用各商標がジョルジオ・アルマーニに係るファッション関連商品に使用する商標として、我が国の取引者、需要者の間に広く認識されているとしても、商標権者が本件商標をその指定商品に使用したときは、これに接する取引者、需要者が引用各商標、若しくはジョルジオ・アルマーニを連想、想起するようなことはなく、さらに、本件商標を使用した商品が申立人又は申立人と経済的、組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのごとく、その出所について混同を生ずるおそれはないものといわなければならない。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するとはいえない。

(6)商標法第4条第1項第19号について

本件商標と引用各商標は、前記(5)のとおり、別異の商標というべきものであって、本件商標の使用により引用各商標の出所表示機能を希釈化したり、その名声を毀損するものとはいい難く、不正の目的をもって使用をするために出願したものということはできない。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当するとはいえない。

(6)むすび

以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号、同第15号及び同第19号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきである。

よって、結論のとおり決定する。

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