Trademark Appeal Case
商標の類否と商品類似
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2014−900018(T2014−900018/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第5622851号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1に示すとおりの構成よりなり、平成25年4月22日に登録出願され、第10類「医療用機械器具,治療用機械器具,病院用機械器具,獣医科用機械器具,超音波治療機械器具,あんま器,治療用マッサージ器,補聴器,診断用機械器具,手術用機械器具,歯科用機械器具,医療の補助器具又は矯正器具,医療用気泡発生装置,イオン水を利用した医療用機械器具」及び第11類「家庭用電解イオン水生成器,家庭用アルカリイオン水生水器,家庭用カルシウムイオン水生成器,家庭用電解水生成器,連続式電解水生成器,業務用電解水生成器,家庭用浄水器,家庭用風呂湯の循環濾過電気保温装置,家庭用浴槽水循環濾過加熱装置,浴槽水の加温機能を備えた水循環濾過装置,家庭用美顔器,家庭用風呂用の泡発生装置,気泡発生装置付き浴槽,風呂用の泡発生装置,浴槽類,加熱器,乾燥装置,熱交換器,ボイラー(動力機械部品・機関用のものを除く。),暖冷房装置,冷凍機械器具,汚水浄化槽,業務用ゴミ焼却炉,家庭用電熱用品類,電気ストーブ,家庭用空気清浄装置」を指定商品として、同年9月5日に登録査定、同年10月18日に設定登録されたものである。
なお、指定商品については、平成26年7月31日に指定商品中、第11類「家庭用アルカリイオン水生水器,家庭用カルシウムイオン水生成器,家庭用電解水生成器,家庭用風呂湯の循環濾過電気保温装置,家庭用浴槽水循環濾過加熱装置,家庭用美顔器,家庭用風呂用の泡発生装置,気泡発生装置付き浴槽,風呂用の泡発生装置,浴槽類,加熱器,ボイラー(動力機械部品・機関用のものを除く。),暖冷房装置,冷凍機械器具,家庭用電熱用品類,電気ストーブ,家庭用空気清浄装置」について一部放棄の申請がなされ、商標権の登録の一部抹消の登録がされているものである。
2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録商標は、以下の(1)から(13)であり、現に有効に存続しているものである。
(1)登録第1639567号商標(以下「引用商標1」という。)は、「CORONA」の欧文字を横書きしてなり、昭和54年12月6日に登録出願され、第19類に属する商標登録原簿に記載されたとおりの商品を指定商品として、同58年12月26日に設定登録され、その後、2回にわたり商標権の存続期間の更新登録がされ、また、平成16年11月24日に指定商品を第11類「金属製風呂釜,焜炉,厨炉」とする指定商品の書換登録がなされ、さらに、同25年7月23日に商標権の存続期間の更新登録がされているものである。
(2)登録第1722610号商標(以下「引用商標2」という。)は、「コロナ」の片仮名を横書きしてなり、昭和57年11月12日に登録出願され、第20類に属する商標登録原簿に記載されたとおりの商品を指定商品として、同59年10月31日に設定登録され、その後、2回にわたり商標権の存続期間の更新登録がされ、また、平成16年7月7日に指定商品を第11類「火鉢類」とする指定商品の書換登録がなされているものである。
(3)登録第1773361号商標(以下「引用商標3」という。)は、別掲2に示すとおりの構成よりなり、昭和57年11月12日に登録出願され、第20類に属する商標登録原簿に記載されたとおりの商品を指定商品として、同60年5月30日に設定登録され、その後、2回にわたり商標権の存続期間の更新登録がされ、また、平成17年2月2日に指定商品を第11類「火鉢類」とする指定商品の書換登録がなされているものである。
(4)登録第1816594号商標(以下「引用商標4」という。)は、「CORONA」の欧文字を横書きしてなり、昭和57年10月7日に登録出願され、第19類に属する商標登録原簿に記載されたとおりの商品を指定商品として、同60年10月31日に設定登録され、その後、2回にわたり商標権の存続期間の更新登録がされ、また、平成18年3月22日に指定商品を第11類「家庭用石油瞬間湯沸器,家庭用石油貯湯湯沸器」とする指定商品の書換登録がなされているものである。
(5)登録第1820448号商標(以下「引用商標5」という。)は、別掲2に示すとおりの構成よりなり、昭和57年11月12日に登録出願され、第19類に属する商標登録原簿に記載されたとおりの商品を指定商品として、同60年11月29日に設定登録され、その後、2回にわたり商標権の存続期間の更新登録がされ、また、平成18年1月25日に指定商品を第11類「ガス湯沸かし器,家庭用ガス瞬間給湯器,加熱器,硬質プラスチック製浴槽,風呂釜」とする指定商品の書換登録がなされているものである。
(6)登録第1963611号商標(以下「引用商標6」という。)は、「CORONA」の欧文字を横書きしてなり、昭和54年11月28日に登録出願され、第11類に属する商標登録原簿に記載されたとおりの商品を指定商品として、同62年6月16日に設定登録され、その後、2回にわたり商標権の存続期間の更新登録がされ、また、平成19年2月14日に指定商品を第7類「家庭用食器洗浄機,家庭用電気式ワックス磨き機,家庭用電気洗濯機,家庭用電気掃除機,電気ミキサー」、第8類「電気かみそり及び電気バリカン」、第9類「電気アイロン,電気式ヘアカーラー,電気ブザー」、第10類「家庭用電気マッサージ器」、第11類「家庭用電熱用品類」及び第21類「電気式歯ブラシ」とする指定商品の書換登録がなされているものである。
(7)登録第2313586号商標(以下「引用商標7」という。)は、「CORONA」の欧文字を横書きしてなり、昭和63年12月9日に登録出願され、第20類に属する商標登録原簿に記載されたとおりの商品を指定商品として、平成3年6月28日に設定登録され、その後、同13年1月23日に商標権の存続期間の更新登録がされ、また、同13年12月12日に指定商品を第11類「ガスストーブ,石油ストーブ,石炭ストーブ,こたつ」とする指定商品の書換登録がなされ、さらに、同23年1月25日に商標権の存続期間の更新登録がされているものである。
(8)登録第4130605号商標(以下「引用商標8」という。)は、「CORONA」の欧文字を横書きしてなり、平成5年5月14日に登録出願され、第11類「暖冷房装置,洗い場付き浴槽,シャワー器具,洗面台及び洗い場付き浴槽」を指定商品として、同10年4月3日に設定登録され、その後、同19年10月30日に商標権の存続期間の更新登録がされているものである。
(9)登録第4546726号商標(以下「引用商標9」という。)は、「CORONA」の欧文字を横書きしてなり、平成12年11月21日に登録出願され、第7類「起動器,交流電動機及び直流電動機(陸上の乗物用の交流電動機及び直流電動機(その部分を除く。)を除く。),交流発電機,直流発電機」、第9類「燃料電池」、第11類「熱電併給装置により行う給湯暖房装置,コージェネレーションシステムにより行う給湯暖冷房装置,家庭用自然冷媒(CO2)ヒートポンプ式給湯装置,家庭用貯湯装置,風呂保温装置」及び第37類「コージェネレーションシステムの改修工事,コージェネレーションシステムの修理又は保守,コージェネレーションシステムの一式工事,自然冷媒(CO2)ヒートポンプ式給湯装置の修理又は保守及び一式工事,貯湯装置の修理又は保守及び一式工事,風呂保温装置の修理又は保守及び一式工事」を指定商品及び指定役務として、同14年2月22日に設定登録され、その後、同23年9月27日に商標権の存続期間の更新登録がされているものである。
(10)登録第4666820号商標(以下「引用商標10」という。)は、「CORONA」の欧文字を横書きしてなり、平成14年1月17日に登録出願され、第11類「家庭用ヒートポンプ式電気給湯機,家庭用電気給湯機,家庭用ガス給湯機,家庭用石油給湯機,家庭用電気式放熱器,家庭用温水式放熱器,家庭用電気式床下放熱器,家庭用温水式床下放熱器」を指定商品として、同15年4月25日に設定登録され、その後、同24年11月13日に商標権の存続期間の更新登録がされているものである。
(11)登録第5339765号商標(以下「引用商標11」という。)は、「CORONA」の欧文字を横書きしてなり、平成22年1月7日に登録出願され、第11類「冷凍機械器具,業務用冷蔵庫,食品(果物,野菜等)の鮮度保持用冷蔵庫」を指定商品として、同22年7月23日に設定登録されているものである。
(12)登録第5497521号商標(以下「引用商標12」という。)は、「CORONA」の欧文字を標準文字で表してなり、平成24年1月6日に登録出願され、第11類「便所ユニット,浴室ユニット,浴槽類」を指定商品として、同24年6月1日に設定登録されているものである。
(13)登録第5580140号商標(以下「引用商標13」という。)は、「CORONA」の欧文字を横書きしてなり、平成24年2月2日に登録出願され、第11類「業務用石油給湯機,業務用電気給湯機,業務用ヒートポンプ式電気給湯機,その他の業務用給湯機,ボイラー(動力機械部品・機関用のものを除く。)」を指定商品として、同25年5月2日に設定登録されているものである。
以下、上記の引用商標1ないし引用商標13をまとめて「引用商標」という。
3 登録異議の申立ての理由
本件商標の登録は、その指定商品中の第11類「家庭用電解イオン水生成器,家庭用アルカリイオン水生水器,家庭用カルシウムイオン水生成器,家庭用電解水生成器,家庭用風呂湯の循環濾過電気保温装置,家庭用浴槽水循環濾過加熱装置,浴槽水の加温機能を備えた水循環濾過装置,家庭用美顔器,家庭用風呂用の泡発生装置,気泡発生装置付き浴槽,風呂用の泡発生装置,浴槽類,加熱器,ボイラー(動力機械部品・機関用のものを除く。),暖冷房装置,冷凍機械器具,家庭用電熱用品類,電気ストーブ,家庭用空気清浄装置」について、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであるから、同法第43条の2第1号によって取り消されるべきものである。
本件商標は、大きなローマ字「CORONA」と、その下段右寄りに小さなローマ字「INDUSTRIES」を書してなると共に、「C」の文字の上下と左を囲むように、複数の円弧を集合した略C字状の図形が配されているものであるところ、「CORONA」の文字と「INDUSTRIES」の文字を常に一体のものとしてのみ把握しなければならないとする特段の理由は見当たらない。
何となれば、本件商標は、「CORONA」と「INDUSTRIES」の両文字の大きさが顕著に異なっているからである。即ち、「CORONA」の文字は「INDUSTRIES」の文字の約2倍の大きさ、かつ太さで表わしてなり、その大きな「CORONA」の文字が最も目立っている。
しかも、本件商標の「INDUSTRIES」の文字は、「CORONA」の文字に比べて小さいだけでなく、字数が多くて、左右方向に圧縮され詰まった態様となっていることから、読みづらいものとなっている。
そもそも、「INDUSTRIES」の文字は、「CORONA」の文字の下段右寄りに、目立たないように小さく付加されたものであるから、需要者・取引者の注意を惹きつけることなく、また、格別の印象を与えることのないように意図したものと推認されるものである。
したがって、「CORONA」の文字部分と「INDUSTRIES」の文字部分とは一体感が全く見られず、視覚上分離して認識され得るものであるため、「CORONA」の文字部分の目立った本件商標を一見すれば、まずは、「コロナ」の称呼を生ずるといわざるを得ない。
なお、上記の略C字状図形は、「CORONA」の頭文字「C」の上下と左を囲んでいるため、その頭文字「C」を強調することはあっても、「INDUSTRIES」の文字部分までをも囲んでいないため、両文字部分の一体感をもたらすものではない。
さらに、「INDUSTRIES」の文字は、「工業」の意味を有し、商号を構成する文字の中、業種を示すものとして一般に使用されているものであるため、「INDUSTRIES」の文字部分は、自他商品を識別するための機能を有するものでなく、簡易迅速を尊ぶ取引の場においては、そのような文字部分を省略し、本件商標からは、「CORONA」の文字部分に注目して、「コロナ」の称呼を生ずるといい得るものである。
そうであれば、本件商標から、その構成の上下2段に表された「CORONA」と「INDUSTRIES」の文字部分に相応して、たとえ「コロナインダストリーズ」の称呼を生ずるとしても、その構成中、最も目立つ「CORONA」の文字部分に相応して、「コロナ」の称呼を生ずるものといわなければならない。
また、本件商標は、「CORONA」と「INDUSTRIES」の文字部分から、「コロナ工業」の観念を生ずるかもしれないが、最も目立つ「CORONA」の文字部分から、いわゆる「太陽のコロナ(皆既日食の際、太陽の周囲に見える光冠)」の観念を生ずるものである。
他方、引用商標は、ローマ字「CORONA」、片仮名「コロナ」及び図形と片仮名「コロナ」の結合した商標からなるところ、それぞれの文字部分から、「コロナ」の称呼を生ずるものであり、「太陽のコロナ」の観念を生ずるものである。
してみれば、本件商標と引用商標は、外観上の差異が見られるものの、共に「コロナ」の称呼を生じ、また「太陽のコロナ」の観念を共通にするものであるから、その称呼及び観念において類似の商標であり、商標全体として、本件商標は引用商標に類似するものといわざるを得ない。
そして、本件商標と引用商標の指定商品は、同一又は類似のものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
4 当審の判断
(1)本件商標について
本件商標は、別掲1のとおりの構成からなるところ、その構成中の「CORONA」の欧文字とその右下にやや小さく書された「INDUSTRIES」の欧文字とは、近接して表示され、また、該「CORONA」の語頭部分の「CO」を左側から囲う様に湾曲した複数の円弧による略「C」字状の図形が配されており、その図形部分と文字部分とは、全体としてまとまりよく一体的に表されているものである。
そして、該「CORONA」の文字は、「太陽大気の外層。皆既かいき日食の際、太陽の縁から四方にぼやけて見える真珠色の淡光。」(広辞苑第六版:株式会社岩波書店)」の意味を有するものであり、また、該「INDUSTRIES」の文字は、「産業、工業」を意味する英語「INDUSTRY」の複数形で、商号中に「産業」や「工業」の語を有する会社名を欧文字により表示をする際に、「○○ INDUSTRIES」のように普通一般的に使用されるものである。
そうすると、該「CORONA」と「INDUSTRIES」の文字部分は、その文字の大きさが相違しているとしても、「INDUSTRIES」の文字が「CORONA」の文字中の「RONA」の下に沿って近接して表示されており、その書体も統一され、まとまりよく表されている態様からすれば、その構成文字の全体をもって一体不可分に看取されるものである。
また、該文字部分は、商標権者の名称とも相まって、その略称といえる「コロナ工業」を「CORONA INDUSTRIES」の欧文字で表記したものと理解されるというのが相当であるから、該「CORONA INDUSTRIES」文字部分をもって取引に資されるものというのが相当である。
そうであれば、本件商標は、その構成文字に相応して、「コロナインダストリーズ」の称呼、及び会社名の略称としての「コロナ工業」程の観念を生じるものである。
(2)引用商標について
引用商標は、前記2に記載したとおりの構成からなるところ、いずれも「CORONA」又は「コロナ」の文字よりなり、もしくは「コロナ」の文字を要部とするものであるから、それぞれの文字に相応して、「コロナ」の称呼、及び「コロナ(太陽大気の外層)」の観念を生じるものである。
(3)本件商標と引用商標の類否について
本件商標と引用商標との類否について検討するに、外観においては、両商標は、その構成において、明らかに相違するものであるから、看者に与える印象を異にし、外観上明確に区別できるものである。
そして、称呼においては、本件商標より生じる「コロナインダストリーズ」の称呼と引用商標より生じる「コロナ」の称呼とは、「インダストリーズ」の音の有無に差異を有するものであるから、両称呼は、構成する音数を異にするものであって、称呼上明瞭に聴別し得るものである。
さらに、観念においては、本件商標から会社名の略称としての「コロナ工業」程の観念を生じるのに対し、引用商標は、「コロナ(太陽大気の外層)」の観念を生じるものであるから、両商標は、観念上類似するものということはできない。
してみれば、本件商標と引用商標は、外観、称呼及び観念のいずれの点についても互いに紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
(4)まとめ
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
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