1 本願商標
本願商標は、「蕎麦打ち職人」の文字を標準文字により表してなり、第30類「そばのめん,即席そばのめん,冷凍そばのめん,そばの乾麺,その他のそばの麺,即席そば,調理済みのそば,調理済みの冷凍そば」を指定商品として、平成24年5月7日に登録出願されたものである。
2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、『蕎麦打ち職人』の文字を標準文字で表してなるところ、指定商品との関係において、『蕎麦打ちを職業とする人が打ったような出来映えのめん・麺・そば』『蕎麦打ちの職人が打ったそば』程の意味合いを無理なく看取させることから、単に商品の品質を表したものであり、自他商品識別機能を果たさないものとみるのが相当あるから、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標は、上記1のとおり、「蕎麦打ち職人」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「蕎麦打ち」の文字が、「蕎麦を打つこと」を、また、「職人」の文字が「手先の技術によって物を製作することを職業とする人。大工・左官・指物師など。」(広辞苑第六版)の意味を有する語であり、その全体としては、「蕎麦を打つことを職業とする人」程度の意味合いのものとして、職業名の一種のごとく理解されるといえるものである。
そして、本願商標は、その指定商品が「そばのめん,即席そばのめん,冷凍そばのめん」など、そばに関するものであるとしても、かかる職業名のごとく認識されるものが、その商品の品質等を直接表すものとまではいうことはできない。
また、職権をもって調査するも、本願指定商品を取り扱う業界において、「蕎麦打ち職人」の文字が、商品の品質等を表示するものとして普通に使用されている事実は発見することができず、他に、本願商標を何人かの業務に係る商品であるかを認識することができないものとしなければならない事情も発見することができなかった。
してみれば、本願商標は、その指定商品について使用しても、これに接する取引者、需要者が商品の品質等を表示したものと認識するとは考え難いものであり、自他商品の識別標識としての機能を果たし得るものといわなければならない。
したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するものであるとして本願を拒絶した原査定は、妥当なものでなく、取消を免れない。
その他、政令で定める期間内に、本願について発見した拒絶の理由は存しない。
よって、結論のとおり審決する。