Trademark Appeal Case
石積みの識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2013−20452(T2013−20452/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「石積み」の文字を標準文字で表してなり、第6類及び第19類に属する願書に記載のとおりの商品を指定商品として、平成24年12月17日に登録出願されたものである。
そして、その指定商品については、原審における平成25年6月3日付け及び当審における同年10月21日付けの手続補正書により、第6類「建築用又は構築用の金属製専用材料,金属製建造物組立てセット,金属製金具,金属製建具,金庫,金属製管継ぎ手,金属製フランジ,金属製郵便受け,金属製の可搬式家庭用温室」及び第19類「セメントを主材料とする建築用又は構築用の専用材料,陶磁製建築専用材料・れんが及び耐火物,リノリューム製建築専用材料,プラスチック製建築専用材料,合成建築専用材料,アスファルト及びアスファルト製の建築用又は構築用の専用材料,ゴム製の建築用又は構築用の専用材料,しっくい,石灰製の建築用又は構築用の専用材料,石こう製の建築用又は構築用の専用材料,繊維製の落石防止網,建造物組立てセット(金属製のものを除く。),木材,建具(金属製のものを除く。)」に補正されたものである。
2 当審において通知した拒絶理由
本願商標は、「石積み」の文字を標準文字で表してなるところ、該文字は、建築(構築)に係る分野との関係にあっては、各種辞典において、「石を積み重ねて造る建築(構築)物」の意味を有するものとして載録されており、また、コンクリートやモルタルを使用して石を積み重ねる「練積み」の語が、石積みの施工法の一つとして載録されている(別掲(1)参照)。
さらに、「石積み(練積み)」の語は、建築(構築)に係る分野において、石やその代用品としてブロック等を積み重ねて造る建築(構築)物やその工法等を表すものとして一般に使用されているほか、金属やセメント等を材料とし、石を積み重ねたようなデザインにした外壁等の商品について、「石積み調」、「石積み柄」、「石積み風」、「石積み模様」のように使用されている事実が多数認められる(別掲(2)参照)。
そうとすると、本願商標は、その指定商品中、第6類「建築用又は構築用の金属製専用材料,金属製建造物組立てセット」及び第19類「セメントを主材料とする建築用又は構築用の専用材料,陶磁製建築専用材料・れんが及び耐火物,リノリューム製建築専用材料,プラスチック製建築専用材料,合成建築専用材料,アスファルト及びアスファルト製の建築用又は構築用の専用材料,ゴム製の建築用又は構築用の専用材料,石灰製の建築用又は構築用の専用材料,石こう製の建築用又は構築用の専用材料,建造物組立てセット(金属製のものを除く。),木材」に使用した場合、これに接した取引者、需要者が、「石やその代用品を積み重ねて造る建築(構築)物のための商品」又は「石積み調にデザインされた商品」であると認識するにとどまり、単に商品の品質、原材料、用途、形状を普通に用いられる方法で表したものというべきあるから、自他商品の識別標識としての機能を有さないといわなければならない。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。
3 当審における拒絶理由通知に対する請求人の意見(要旨)
(1)「石積み」の語は、子供の遊戯や行事の名称の意味合いも有するものであり、また、該語が単独で用いられた場合、石積みを模したようなデザインの商品を表しているのか、石を積み重ねて造る石積みという建築物そのものを表しているのかなど判然とせず漠然としたものとなることから、本願商標に接した取引者、需要者が、「石やその代用品を積み重ねて造る建築(構築)物のための商品」又は「石積み調にデザインされた商品」であると認識することはない。
(2)石材を取り扱う業者以外(外壁を扱う業者等)において、「石積み」の語が、辞書や専門書において載録されているような意味合いで直ちに認識されることはなく、石積みの施工法の一つにすぎない「練積み」の語がセメントやモルタルを使用して石を積み上げるということを意味することなど到底認識することができないものである。拒絶理由通知で提示された「石積み」の語等の使用例は、石材を取り扱う業界における使用の事実を示すものであり、本願の指定商品における使用の事実を示すものではない。
(3)外壁等の商品のデザインは、多種多様であるという取引の実情がある中で、該商品について、「石積み調」、「石積み柄」、「石積み風」及び「石積み模様」が使用されているとしても、これらは、その商品がどのようなデザインの商品であるかを具体的、直接的に想起することができないものである。
(4)過去の登録例に照らしても、本願商標は、特定の意味合いを想起させない造語であると認識され、自他商品の識別標識として機能するものである。
4 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号該当性について
本願商標についてした前記2の拒絶理由は、妥当なものと認められる。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。
(2)請求人の意見について
請求人は、前記2の拒絶理由通知に対し、前記3のとおり意見を述べている。
しかしながら、前記2及び別掲のとおり、建築(構築)に係る分野においては、「石積み」の語からは、「石を積み重ねて造る建築(構築)物」の意味合いを想起するというのが自然であり、また、該分野において、石やその代用品を積み重ねて造る建築(構築)物のための商品や石積みをデザインした商品が取引されている実情があり、セメント等を使用する石積みの施工法がある中で、セメントや外壁等を取り扱う建築(構築)業者が「石積み」の語から上記意味合いを認識しないとは考え難く、さらに、別掲に示す「石積み調」、「石積み柄」、「石積み風」及び「石積み模様」等の語の使用例は、それぞれ石積みをデザインした商品に係るものであり、これに接する取引者、需要者は、該商品が石積みのデザインを有しているものであると想起するというのが相当であるところ、これらについて、請求人は、取引者、需要者が上記意味合いを認識することはないと主張するにとどまり、請求人からその主張を客観的に証明する資料等が提出されているとはいえない。
そして、商標が識別力を有するか否かの判断は、査定時又は審決時において、取引の実情を勘案し、その指定商品の取引者、需要者の認識を基準として、商標ごとに個別具体的に判断すべきであるところ、請求人が挙げた登録例は、いずれも本願商標とは構成等を異にし、かつ、本件の審決時に職権により調査した取引の実情は上記のとおりであって、該登録例をもって本件の上記判断が左右されるものとはいえない。
したがって、上記意見書における請求人の主張は、いずれも採用することができない。
(3)以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
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