sokuhyo弁理士法人WATT 監修

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結論

勝訴(請求認容)

地名と普通名称の結合商標の識別力

審判番号
不服2013−16947(T2013−16947/J1)
審判種別
不服

本文で言及されている区分

結論テキスト

原査定を取り消す。
本願商標は、登録すべきものとする。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「富士傘」の漢字を標準文字で表してなり、第18類「傘」を指定商品として、平成24年10月22日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由(要点)

原査定は、「本願商標は、『富士傘』の漢字を標準文字で表してなるところ、該文字は、静岡県富士市または富士山麓周辺を指す地名として広く知られている『富士』の文字と、本願指定商品の普通名称である『傘』の文字を結合してなるから、全体として『静岡県富士市または富士山麓周辺地域で製造もしくは販売される傘』の意味合いを認識させるものであり、これを本願指定商品中前記意味合いの『傘』に使用するときは、単に商品の品質、産地、販売地を普通に用いられる方法で表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるので、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

本願商標は、前記1のとおり「富士傘」の漢字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「富士」の文字が、「富士山。静岡県東部の市。」の意味を有する語であり、「傘」の文字が、「雨・雪を防ぎ、また日光などをさえぎるため頭上にかざすもの。」等(いずれも広辞苑第六版)の意味を有する語である。

しかしながら、原審説示の如く、「富士」の文字部分が、地名として認識される場合があるとしても、これらの語を結合してなる「富士傘」の文字に接する需要者、取引者が、これを直ちに、「静岡県富士市または富士山麓周辺地域で製造もしくは販売される傘」と認識するとはいい難いものである。

そして、当審において職権により調査すると、請求人が、その取り扱いに関する商品について、「富士傘」の語を実際に使用している事実は見受けられるものの、「富士傘」の語が、本願の指定商品を取り扱う業界において、商品の品質、産地、販売地を表すものとして、取引上、一般に使用されている事実を発見することができなかった。

してみれば、本願商標は、これをその指定商品に使用するときは、商品の品質、産地、販売地を、直接的かつ具体的に表示したものと認識されるものではなく、自他商品の識別標識としての機能を果たし、かつ、商品の品質の誤認を生ずるおそれはないものというべきである。

したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、取消しを免れない。

その他、本願について拒絶の理由を発見しない。

よって、結論のとおり審決する。

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