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Trademark Appeal Case

周知商標と付加文字の類否

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2013−900360(T2013−900360/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第5601088号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第5601088号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおり、「Quartz+α」の欧文字等を上段に、「クォーツプラスアルファ」の片仮名を下段に、それぞれ横書きしてなり、平成25年2月19日に登録出願され、第1類「自動車用コーティング剤」及び第3類「せっけん類,自動車用洗剤」を指定商品として、同年6月6日に登録査定、同年7月26日に設定登録されたものである。

第2 引用商標

登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録第1947114号商標(以下「引用商標」という。)は、「QUARTZ」の欧文字を横書きしてなり、昭和59年12月19日に登録出願され、第5類(昭和35年3月8日に昭和35年政令第19号をもって公布、同年4月1日から施行された商標法施行令第1条に基づく商品の区分)「グリ−ス、潤滑油、その他の工業用油、その他本類に属する商品」を指定商品として、同62年4月30日に設定登録されたものであり、その後、平成9年6月3日及び同19年5月1日に商標権の存続期間の更新登録がされ、さらに、同20年8月6日に、指定商品を第4類「工業用ガソリン,モーターオイル,ギヤオイル,衝撃吸収用オイル,車両用グリース,その他の工業用油,工業用油脂,燃料」とする、指定商品の書換登録がされ、現に有効に存続しているものである。

第3 登録異議の申立ての理由

申立人は、本件商標は商標法第4条第1項第11号及び同項第15号に該当するから、同法第43条の2第1号により、その登録は取り消されるべきであると申し立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第12号証(枝番号を含む。)を提出した。

1 申立人トタル エス アー(TOTAL SA)及び引用商標の周知性

(1)トタル エス アー(TOTAL SA)(申立人)は、フランスのパリに本部を置く民間の総合石油エネルギー企業であり、全世界における全業種のブランドランキングで72位に位置する(甲9)。申立人は、国際石油資本であって、スーパーメジャーと呼ばれる6社のうちの一つであり、また、申立人を中心とするトタルグループのリーディングカンパニーである(甲3及び甲4)。

(2)トタルグループは、世界第5位の石油及び天然ガスの総合的国際的な企業グループであり、世界130か国以上で業務を行なっており、その従業員は、9万7,000人を超える。

トタルグループは、多くの石油関連製品を製造、販売しているところ、その中でも、申立人が製造し、申立人のハウスマークである「TOTAL」及びプロダクトマーク「QUARTZ」(引用商標)の下に販売する潤滑油(モーターオイル、エンジンオイル)(以下「使用商品」という場合がある。)は、フランスの世界的な自動車メーカーであるプジョー社及びシトロエン社の指定するエンジンオイルであって、国際的な広がりを有するものである。

そして、トタルグループは、世界中で、使用商品の販売促進のため、極めて大きな努力をしてきており、我が国においては、東京都港区赤坂4丁目2番19号に本店を有するトタル・ルブリカンツ・ジャパン株式会社が販売し(甲3及び甲4)、広く積極的に告知広告をしている。

したがって、引用商標は、我が国において、申立人が製造し、トタル・ルブリカンツ・ジャパン株式会社が販売する潤滑油(モーターオイル、エンジンオイル)を表すものとして周知である。

(3)引用商標が、申立人の製造する潤滑油(モーターオイル、エンジンオイル)に使用する商標として、我が国において周知であることは、以下の事実からも明白である。

ア 甲第5号証は、「Yahoo!JAPAN」(対象言語を日本語に絞り込み)を用いて「QUARTZ TOTAL」の語を検索した結果である約369,000件のうち、上位50件のリストを打ち出したものである。

また、甲第6号証の1ないし9は、上記検索結果のうちの上位9件を打ち出したものであって、「TOTAL」の社標(商標)と「QUARTZ」の商標(プロダクトマーク)を付した使用商品が表示され、紹介されている(甲6の4)。

イ 甲第7号証の1ないし48は、トタル・ルブリカンツ・ジャパン株式会社が2005年から2013年にかけて行った使用商品についての自動車愛好家向けの雑誌等への広告である。

上記広告のうち、甲第7号証の1、3ないし5、7、11、14、15、17、22、34及び35は,使用商品がプジョー社及びシトロエン社が推奨(認証)するエンジンオイルであることを示しており、いずれにも、「TOTAL」と「QUARTZ」の表示があるエンジンオイルが明瞭に表示されている。

ウ 使用商品は、1985年以来、我が国に輸入販売されており、その最近4年間の売上高は、以下のとおり、大きなものである。

2009年 1億4,415万円

2010年 1億7,680万円

2011年 2億1,294万円

2012年 2億1,952万円

また、使用商品は、我が国において、850もの店で取り扱われている(甲8)。

エ 申立人は、我が国を始めとする全世界において、「TOTAL」からなる商標及び「TOTAL」を含む商標を国際分類の第1類ないし第21類、第25類及び第27類ないし第43類に属する商品及び役務について、1,221件登録している。「TOTAL」は、我が国において、申立人の潤滑油を含む様々な石油製品及び関連する役務の商標として、本件商標の出願前より周知である(甲10)。

オ 申立人は、我が国を始めとする全世界において、「QUARTZ」からなる商標を第4類に属する商品について、138件登録している。引用商標及び使用商品は、我が国において、本件商標の出願前より周知である(甲11)。

(4)以上に述べたとおり、引用商標は、使用商品に使用する商標として、我が国における需要者の間に周知である。

2 本件商標と引用商標との類似性

本件商標は、別掲のとおりの構成態様からなり、その構成態様からして、「Quartz」の欧文字部分が本件商標の要部であることは明白なものである一方、引用商標は「QUARTZ」の欧文字からなるものであるから、本件商標と引用商標とは類似する。

また、本件商標は、申立人の潤滑油に使用される「QUARTZ」の商標とも類似する。

3 本件商標の指定商品と引用商標の指定商品との類似性

(1)本件商標の指定商品は第1類「自動車用コーティング剤」及び第3類「せっけん類,自動車用洗剤」であるのに対し、引用商標の指定商品は第4類「工業用ガソリン,モーターオイル,ギヤオイル,衝撃吸収用オイル,車両用グリース,その他の工業用油,工業用油脂,燃料」であるところ、「自動車用コーティング剤」及び「自動車用洗剤」は、自動車の補修(メンテナンス)用の商品であり、メーカーから自動車用品店を経由して修理店(サービスステーション)に販売され、自動車の補修(メンテナンス)に使用されるものである。また、「モーターオイル」及び「車両用グリース」も、メーカーから自動車用品店を経由して修理店(サービスステーション)に販売され、自動車の補修(メンテナンス)に使用されるものである。

そうすると、上記の本件商標の指定商品と引用商標の指定商品とは、用途を共通にし、流通経路を共通にするものであるから、相互に類似する商品である(商品分類は、商品の類否判断の基準であるが、それは、相対的であり、推定規定であって、絶対的なものではない。)。

(2)仮に、上記の本件商標の指定商品と引用商標の指定商品とが類似する商品でないとしても、本件商標の指定商品中の「自動車用コーティング剤」及び「自動車用洗剤」と申立人が製造し、トタル・ルブリカンツ・ジャパン株式会社が販売する使用商品とは、上記のとおり、用途を共通にし、流通経路を共通にするから、近似した商品である。

4 商標法第4条第1項第11号及び同項第15号該当性

(1)商標法第4条第1項第11号該当性

本件商標は、上記2及び3(1)のとおり、引用商標と類似し、その指定商品も引用商標の指定商品と類似する。

よって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。

(2)商標法第4条第1項第15号該当性

引用商標は、上記1のとおり、我が国において周知なものであるところ、本件商標は、上記2のとおり、該引用商標と類似するものである。

また、仮に、上記3(2)のとおり、本件商標の指定商品が引用商標の指定商品と類似するものではないとしても、両者は、近似するものである。

そうすると、本件商標がその指定商品中の「自動車用コーティング剤」及び「自動車用洗剤」について使用された場合、該商品は、申立人又は同人と経済的に関連する者が製造又は販売する商品であるとの誤認、混同を生じさせるおそれがある。

よって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。

5 結論

以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同項第15号に該当するから、その登録を取り消すべきものである。

第4 当審の判断

申立人は、本件商標が商標法第4条第1項第11号及び同項第15号に違反して登録されたものであると主張しているので、以下、順次検討する。

1 商標法第4条第1項第11号について

(1)本件商標

本件商標は、別掲のとおり、「Quartz+α」の欧文字等と「クォーツプラスアルファ」の片仮名とを2段に横書きした構成からなるところ、その構成中の「+α」及び「プラスアルファ」の文字等は、「ある状態に、さらにいくらかをつけ加えること。また、そのつけ加えたもの。」(広辞苑第六版)の意味を有する語として知られ、日常的に使用されているといえるものであるため、それらの前に位置する「Quartz」又は「クォーツ」の付記的な語として認識されるとみるのが相当である。

そうとすれば、本件商標において自他商品の識別標識として機能する部分は、その構成中の「Quartz」又は「クォーツ」の文字部分にあるというべきであるから、これより生じる「クォーツ」の称呼をもって取引に資する場合も少なくないというのが相当である。

してみれば、本件商標は、その構成全体から生じる「クォーツプラスアルファ」の称呼のほかに、その構成中の「Quartz」又は「クォーツ」の文字部分に相応して、「クォーツ」の称呼をも生じ、「石英、水晶」の観念を生じるものである。

(2)引用商標

引用商標は、前記第2のとおり、「QUARTZ」の欧文字を横書きしてなるものであるから、これより「クォーツ」の称呼を生じ、「石英、水晶」の観念を生じるものである。

(3)本件商標と引用商標との類否

本件商標と引用商標とを比較すると、両商標は、その全体の外観は相違するものの、本件商標の要部と認められる「Quartz」の欧文字部分と引用商標とは、小文字と大文字の差異を有するとしても、その綴りを同一にするものである。

そして、称呼及び観念においては、上記(1)及び(2)のとおり、本件商標と引用商標とは、「クォーツ」の称呼及び「石英、水晶」の観念を共通にするものである。

以上によれば、本件商標と引用商標とは、その称呼及び観念を同一にするものであり、また、全体の外観において相違するとしても、本件商標の構成中の要部たる「Quartz」の欧文字部分と引用商標とはその綴りを同じくするものであるから、これらの異同を総合勘案すれば、相紛れるおそれのある類似する商標と判断するのが相当である。

(4)本件商標の指定商品と引用商標の指定商品との類否

申立人は、本件商標の指定商品中の第1類「自動車用コーティング剤」及び第3類「自動車用洗剤」と引用商標の指定商品中の第4類「モーターオイル,車両用グリース」とは、商品の用途及び流通経路を共通にするものであるから、相互に類似する商品である旨主張しているので、以下検討する。

ア 本件商標の指定商品について

(ア)自動車用コーティング剤について

本件商標の指定商品中の「自動車用コーティング剤」とは、例えば、「一般社団法人日本自動車連盟」のウェブサイト(http://www.jaf.or.jp/qa/mechanism/maintenance/14.htm)には「フッ素系やシリコン系、チタン系などのポリマー成分が配合されたものであって、塗装面を保護する被膜を作るもの」である旨の記載があることに照らせば、防水又は防さび等、自動車の車体等の保護を目的とした処理加工を施すための化学的製品というのが相当である。

そして、「自動車用コーティング剤」は、上記化学的製品の製造業者により製造されるものであって、自動車の保守・修理店やディーラー等において取り扱われ、又は、自動車用品店や生活雑貨用品を取り扱うホームセンター等において販売されるといえるものである。

(イ)自動車用洗剤について

本件商標の指定商品中の「自動車用洗剤」は、自動車の車体等を洗浄するための化学的製品であるところ、そのような洗浄剤の製造業者により製造され、自動車用品店や生活雑貨用品を取り扱うホームセンター等において販売されるといえるものである。

イ 引用商標の指定商品について

(ア)モーターオイルについて

引用商標の指定商品中の「モーターオイル」とは、エンジン内部の摩擦熱の発生や摩耗を抑止するための潤滑油であって、工業用油(潤滑油)の製造業者により製造され、例えば、自動車用のモーターオイルであれば、自動車用品店並びに自動車の保守・修理店やディーラー等において取り扱われ、販売されるとみるのが相当である。

(イ)車両用グリースについて

引用商標の指定商品中の「車両用グリース」とは、車両各部や部品同士の摩擦による発熱や摩耗を防ぐために用いる粘度の高い潤滑油であって、工業用油(潤滑油)の製造業者により製造され、例えば、自動車用グリースであれば、自動車用品店並びに自動車の保守・修理店やディーラー等において取り扱われ、販売されるとみるのが相当である。

(ウ)上記(ア)及び(イ)の商品は、自動車の保守・管理にも使用されるものであるが、その交換や補充は、通常、自動車の保守・修理店やディーラー等が依頼を受けて行うというのが一般的であって、一般の需要者が、自家用車の保守・管理のために自ら該商品を購入して使用することは多くないというのが相当である。

ウ 本件商標の指定商品と引用商標の指定商品との類否について

(ア)自動車用コーティング剤とモーターオイル及び車両用グリースとの類否

本件商標の指定商品中の「自動車用コーティング剤」は上記ア(ア)のとおりの商品である一方、引用商標の指定商品中の「モーターオイル」及び「車両用グリース」は上記イのとおりの商品であるところ、後者を自動車用のものに限定してみたとしても、両商品は、いずれも自動車の保守・修理店やディーラー等において取り扱われる点で共通するものの、その具体的な目的・用途を異にするものであって、製造部門も異なるものといえるから、上記各商品に同一又は類似の商標が使用されても、商品の出所について混同を生じさせるおそれがない非類似の商品ということができるものである。

(イ)自動車用洗剤とモーターオイル及び車両用グリースとの類否

本件商標の指定商品中の「自動車用洗剤」は上記ア(イ)のとおりの商品である一方、引用商標の指定商品中の「モーターオイル」及び「車両用グリース」は上記イのとおりの商品であるところ、後者を自動車用のものに限定してみたとしても、両商品は、自動車用品店において販売される点で共通するものの、その具体的な目的・用途を異にするものであって、製造部門も異なるものといえるから、上記各商品に同一又は類似の商標が使用されても、商品の出所について混同を生じさせるおそれがない非類似の商品ということができるものである。

(ウ)本件商標の指定商品と引用商標の上記以外の指定商品との類否

引用商標の指定商品中の「モーターオイル」及び「車両用グリース」以外の商品は、いずれも工業用油の範ちゅうに含まれる商品、工業用油脂及び燃料であるところ、これらと本件商標の指定商品とは、その具体的な目的・用途を異にするものであって、製造部門も異なるものといえるから、本件商標の指定商品と引用商標の指定商品中の「モーターオイル」及び「車両用グリース」以外の商品に同一又は類似の商標が使用されても、商品の出所について混同を生じさせるおそれがない非類似の商品ということができるものである。

(5)商標法第4条第1項第11号該当性について

本件商標と引用商標とは、上記(3)のとおり、互いに類似するものであるとしても、上記(4)のとおり、その指定商品が非類似の商品というべきものである。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。

2 商標法第4条第1項第15号について

(1)引用商標の周知著名性について

ア 申立人の主張及び同人が提出した証拠方法によれば、以下のことが認められる。

(ア)申立人は、フランスのパリに本部を置く民間の総合石油エネルギー企業であり、国際石油資本であって、スーパーメジャーと呼ばれる6社のうちの一つであり、全世界における全業種のブランドランキングで72位に位置すること(甲3及び甲9)。

(イ)申立人は、世界第5位の石油及び天然ガスの総合的な多国籍企業であり、世界150か国以上に販売拠点があり、我が国においては、東京都港区赤坂4丁目2番19号に本店を置くトタル・ルブリカンツ・ジャパン株式会社が申立人の商品を販売していること(甲3及び甲4)。

(ウ)引用商標は、自動車用の「モーターオイル」について、本件商標の登録出願前に使用されていること(甲5、甲6の6及び7並びに甲7)。

(エ)引用商標は、トタル・ルブリカンツ・ジャパン株式会社により、2005年から2013年にかけて、申立人の商品である潤滑油(自動車用のモーターオイル、エンジンオイル)について使用され、自動車愛好家やモータースポーツファン向けの雑誌等において広告宣伝されていること(甲7)。

(オ)使用商品は、プジョー社及びシトロエン社が推奨(認証)する自動車用のエンジンオイルであること(甲7の1、3ないし5、7、11、14、15、17、22、34ないし36及び40)。

(カ)引用商標が使用された使用商品は、2009年ないし2012年の間において、約1億4,000万円ないし約2億2,000万円の売上高があり、また、我が国において、850の店舗で取り扱われているとの主張がされていること(甲8及び申立の趣旨)。

イ 上記アにおいて認定したことによれば、引用商標の周知著名性は、以下のとおりである。

(ア)引用商標は、我が国において、遅くとも本件商標の登録出願日前である2005年(平成17年)以降、申立人の商品である自動車用のモーターオイル(エンジンオイル)について使用されており、引用商標の使用に係る商品(使用商品)は、主に自動車愛好家やモータースポーツファン向けの雑誌において、プジョー社及びシトロエン社が推奨(認証)する自動車用のエンジンオイルとして紹介されたり、広告宣伝されたりしているものの、これをもって、使用商品が自動車用品の一般の需要者の間においてまで広く広告宣伝されているとは認めることはできない。

なお、自動車用のモーターオイル(エンジンオイル)は、通常、依頼を受けた自動車の保守・修理店やディーラー等が交換や補充等するものであるから、自動車用品の一般の需要者が自ら商品を購入して使用することは多くないとみるのが相当である。

(イ)申立人は、2009年ないし2012年の各年における使用商品の売上高を挙げるものの、その売上高が、ほかの同種商品との比較やランキングにおいて、上位に位置するものであることを確認できる証拠の提出はなく、職権をもって調査しても、使用商品の売上高が上位を占めていると推認し得る事実を把握することはできなかった。

(ウ)引用商標を構成する「QUARTZ」の欧文字は、「石英、水晶」を意味する一般的な英語であり、その創造性の程度が高いということはできないものである。

(エ)上記(ア)ないし(ウ)を踏まえれば、引用商標は、本件商標の登録出願時、自動車愛好家やモータースポーツファンの間においては一定の周知性を獲得していたといえるとしても、本件商標の指定商品や自動車用品の一般の需要者の間においてまでその周知性が及んでいたということはできない。

(2)商標法第4条第1項第15号該当性について

本件商標と引用商標とは、上記1(3)のとおり、類似の商標といえるものであるとしても、本件商標の指定商品と引用商標の指定商品とは、上記1(4)のとおり、非類似の商品であり、関連性が強いとまでいえるものではない。

しかも、引用商標の周知著名性は、上記(1)のとおり、自動車愛好家やモータースポーツファンという限定的な範囲にとどまるものである。

そうとすると、本件商標をその指定商品について使用しても、これに接する取引者、需要者が、該商品が申立人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように連想、想起することはなく、その商品の出所について混同を生ずるおそれはないというべきである。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。

3 まとめ

以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号及び同項第15号に違反してされたものではないから、商標法第43条の3第4項により、その登録を維持すべきである。

よって、結論のとおり決定する。

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