Trademark Appeal Case
結合商標の要部認定
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2014−900103(T2014−900103/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第5642227号商標(以下「本件商標」という。)は、「OPERA PRIMA」の欧文字を標準文字で横書きしてなり、平成25年1月29日に登録出願、第33類「ぶどう酒」を指定商品として、同年11月27日に登録査定、同26年1月10日に設定登録されたものである。
2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する国際登録第R286228号商標(以下「引用商標」という。)は、「OPERA」の欧文字を横書きしてなり、1964年7月11日に国際登録され、2001年(平成13年)2月5日に日本国を事後指定し、第33類「Wines, sparkling wines, ciders, aperitifs, alcohols and eau-de-vie, various liqueurs and spirits.」(参考訳:ぶどう酒,スパークリングワイン,りんご酒,アペリティフ(ビールを除く。),アルコール飲料及びブランデー,リキュール及びスピリッツ)を指定商品として、平成13年10月5日に日本国において設定登録され、その後、同16年8月6日及び同26年8月13日に商標権存続期間の更新登録がされたものである。
3 登録異議申立ての理由
申立人は、本件商標が商標法第4条第1項第11号及び同項第15号に該当するから、その登録は、取り消されるべきであると申し立て、その理由を要旨以下のとおり述べ、その証拠方法として甲第1号証ないし甲第23号証(枝番号を含む。)を提出した。
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標中の「PRIMA」の文字部分は、イタリア語で「第一の、最初の」等を意味し、商品の品質を賞賛的に用いる語であるのに対し、「OPERA」の文字部分は、「歌劇、オペラ」を意味する英語、フランス語又はイタリア語であって、強い識別力を有する。また、両文字は、語義上の関連性を有しないから、本件商標に接する取引者、需要者は、その構成中、親しまれた「OPERA」の文字部分に着目し、これより生ずる称呼をもって取引に当たる場合も少なくない。したがって、本件商標は、「OPERA」の文字部分より、「オペラ」の称呼をも生ずるものであって、「歌劇、オペラ」の観念を生ずるものである。
これに対し、引用商標は、その構成文字より、「オペラ」の称呼及び「歌劇、オペラ」の観念を生ずるものである。
してみると、引用商標が下記(2)で述べるとおり、申立人の業務に係るスパークリングワイン(以下「申立人商品」という。)を表示するものとして取引者、需要者に広く認識されていることも併せ考えるならば、本件商標と引用商標は、称呼及び観念において類似する商標である。
さらに、本件商標の指定商品は、引用商標の指定商品と同一又は類似の商品である。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(2)商標法第4条第1項第15号について
引用商標は、申立人商品について使用され、申立人商品は、世界60か国以上に輸出されている(甲6)。申立人商品は、日本においても、サッポロビール株式会社(以下「サッポロビール」という。)を通じて販売されており(甲6及び甲7)、盛んに広告されている(甲8ないし甲21)。その結果、引用商標は、申立人商品を表示するものとして、本件商標の登録出願日前より、その取引者、需要者に広く認識されているものである。
してみると、引用商標と称呼及び観念において類似する本件商標をその指定商品について使用するときは、該商品が申立人又はこれと何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように、商品の出所について誤認混同を生ずるおそれがある。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。
(3)むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号及び同項第15号に違反してされたものであるから、取り消されるべきものである。
4 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、前記1のとおり、「OPERA PRIMA」の欧文字を標準文字で書してなるものであるところ、該文字は、「OPERA」の文字部分と「PRIMA」の文字部分との間に1文字程度の間隔があるとしても、同一の書体をもって外観上まとまりよく表されているばかりでなく、これより生ずると認められる「オペラプリマ」の称呼も、よどみなく称呼し得るものである。さらに、「PRIMA」の文字部分が「第一の、最初の」等を意味するイタリア語であるとしても、該語は、「プリマドンナ(オペラの主役となる女性歌手)、プリマバレリーナ(主役をつとめるバレリーナ)の略」を意味するもの(甲3の1)として、我が国において知られているところから、「OPERA」の語と結びついて、全体として、「オペラのプリマドンナ(オペラの主役となる女性歌手)」なる意味合いを想起させるものといえる。
そして、「PRIMA」の語がワイン等の品質を表示するものとして、我が国において、取引上普通に使用されているという事実を明らかにする証拠も見いだすことができない。また、そのほかに、本件商標中の「OPERA」の文字部分が、取引者、需要者に対し、商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるとみるべき特段の事情も見いだすことはできない。
そうすると、上記構成態様からなる本件商標にあっては、これに接する取引者、需要者が、「OPERA」の文字部分と「PRIMA」の文字部分とに分離して、「OPERA」の文字部分のみを捉えて、これより生ずる称呼、観念をもって商品の取引に当たるとは考え難いといわざるを得ないのであって、本件商標は、その構成中の「OPERA」の文字部分のみが独立して取引者、需要者に強い印象を与えるものではなく、構成全体をもって、一体不可分の商標を表したと認識されるというべきものである。
してみれば、本件商標は、その構成文字に相応して、「オペラプリマ」の一連の称呼のみを生ずるものであって、「オペラのプリマドンナ(オペラの主役となる女性歌手)」の観念を生ずるものということができる。
以上のとおりであるから、本件商標より「OPERA」の文字部分を分離、抽出し、これより「オペラ」の称呼及び「歌劇、オペラ」の観念をも生ずるとし、それを前提として、本件商標と引用商標とが称呼及び観念において類似する商標であるとする申立人の主張は、採用することができない。
その他、本件商標と引用商標とが類似するとみるべき理由を見いだすこともできない。
したがって、本件商標と引用商標は、外観、称呼及び観念のいずれの点についても、相紛れるおそれのない非類似の商標というべきであるから、本件商標を商標法第4条第1項第11号に該当する商標と認めることはできない。
(2)商標法第4条第1項第15号について
ア 引用商標の著名性について
(ア)甲第6号証ないし甲第8号証の10及び甲第15号証によれば、以下の事実を認めることができる。
申立人は、1909年創業のフランスのスパークリングワインメーカーであり、申立人商品は、米国、英国、ドイツなど世界60か国以上に輸出されている(甲6)。引用商標を付した申立人商品は、我が国において、サッポロビールを介して輸入され、サッポロビールは、2005年(平成17年)の「Xmas Campaign」、2006年(平成18年)の「Xmas Campaign」、2009年(平成21年)の「サマー・スパークリングワインフェア」において、申立人商品を同社の取り扱うスパークリングワインの一つとして広告し、その他、「WINE & SPIRITS CATALOGUE 2010ー2011」に掲載した(甲6及び甲7)。また、申立人商品は、「世界の名酒事典」1997年版、2002年版ないし2006年版、2008−09年版、2010−11年版、2012年版、2013年版(いずれも株式会社講談社発行)に掲載された(甲8の1ないし10)。さらに、引用商標を付した申立人商品は、2011年(平成23年)3月1日付け京都木屋町に所在の佛沙羅館のウェブサイトにおいて、そのメニューに掲載された(甲15)。
なお、申立人は、インターネット情報として、各種ウェブサイトを提出するが(甲9ないし甲14、甲16ないし甲21)、これらは、いずれもその掲載日が明らかではなく、本件商標の登録出願日及び登録査定日の前のものであることを認めることができない。
(イ)前記(ア)で認定した事実によれば、引用商標を付した申立人商品が、我が国において、2005年(平成17年)頃から、サッポロビールにより広告された事実は認め得るとしても、年に1回程度チラシやカタログに掲載されたにすぎないものであって、本件商標の登録出願日までに盛大に広告がされたというものではない。また、申立人商品は、1997年(平成9年)、2002年(平成14年)からおおむね2013年(平成25年)まで「世界の名酒事典」に掲載されたことが認められるとしても、該雑誌は、いわば酒に関する専門雑誌であって、これらにおける掲載は、一部の愛飲家(酒通)の間で一定の評価を受けていることを示すことはあっても、ワインの一般的な取引者、需要者の間で、引用商標が広く知られていることまでを示すものとはいえない。さらに、本件商標の登録出願日及び登録査定日の前における申立人商品の日本国内での販売数量、売上高等も明らかではない。
してみれば、申立人の提出した証拠をもってしては、引用商標が、申立人商品を表示するものとして、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、我が国の取引者、需要者の間に広く認識されていたものと認めることはできない。
また、職権をもって調査するも、引用商標が、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、格別に著名性を獲得したことをうかがわせる事情も見出すことができない。
イ 出所の混同について
前記アの認定のとおり、引用商標は、申立人商品を表示するものとして、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、我が国の取引者、需要者の間に広く認識されていた商標と認めることはできない。
また、前記(1)認定のとおり、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点についても、相紛れるおそれのない非類似の商標というべきものである。
そうすると、本件商標に接する取引者、需要者が、引用商標を想起又は連想することはないというべきであるから、本件商標をその指定商品について使用しても、該商品が申立人又はこれと業務上何らかの関係を有する者の取扱いに係る商品であるかのように、その商品の出所について混同を生ずるおそれがあると認めることはできない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する商標ということはできない。
(3)むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号及び同項第15号のいずれにも違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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