Trademark Appeal Case
称呼の類似性と要部抽出
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2014−900113(T2014−900113/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第5642648号商標(以下「本件商標」という。)は、「VERDANA」の文字を標準文字で表してなり、平成25年8月20日に登録出願、第32類「アルコール分を含まない飲料」及び第33類「アルコール飲料(ビール及びぶどう酒を除く。)」を指定商品として、同26年1月10日に設定登録されたものである。
2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する国際登録第1108176号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲のとおりの構成からなり、2011年(平成23年)11月28日に国際商標登録出願、第33類「Wine.」を指定商品として、平成24年10月26日に設定登録されたものである。
3 登録異議申立ての理由
申立人は、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同項第15号に該当するから、同法第43条の2第1号により、その登録は取り消されるべきであるとして、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第8号証を提出した。
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標と引用商標の要部である「VERDIANE」の文字部分は、語頭部の「VERD」と後半部の「AN」の文字が一致するから、外観上類似するものであり、また、その称呼も類似する。
さらに、本件商標の指定商品中、第33類の「ぶどう酒以外の洋酒」は、引用商標の指定商品と類似する商品である。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(2)商標法第4条第1項第15号について
申立人は、1938年にイタリアで設立されたぶどう酒製造企業であり、世界的な評判と名声を獲得し、ぶどう酒の国際見本市等に継続的に参加している(甲3)。また、申立人は、日本の賞も含め、数多くの国際的な賞を受賞し(甲4〜甲8)、多くの広告活動を行った結果、引用商標は、申立人の業務に係るぶどう酒を表示するものとして、世界的に周知なものとなっている。
してみると、本件商標をその指定商品について使用するときは、申立人又はこれと何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように、商品の出所について誤認混同を生ずるおそれがある。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。
(3)むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号及び同項第15号に違反してされたものであるから、取り消されるべきものである。
4 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号該当性について
ア 本件商標
本件商標は、「VERDANA」の欧文字を標準文字で表してなるところ、該文字は、辞書等に記載のある既成の語ではなく、特定の意味合いを認識させない一種の造語と認められる。
そうすると、本件商標は、英語風の読みにならい「バーダナ」の称呼又はローマ字風の読みにならい「ベルダナ」の称呼を生ずるとみるのが相当であって、特定の観念を生じないものである。
イ 引用商標
引用商標は、別掲のとおり、人物の図形とその下に「TERRE VERDIANE」の文字を横書きしてなるものであるところ、その構成中の図形部分は、特定の称呼、観念を生ずるものではなく、文字部分と常に一体のものとして把握、認識しなければならない特段の事情は見いだせない。
そうすると、引用商標は、その構成中の「TERRE VERDIANE」の文字部分が、独立して自他商品の識別機能を有するものということができる。
そして、該文字部分は、これを構成する「TERRE」の文字及び「VERDIANE」の文字がともに特定の意味を想起させない一種の造語と認識されるものであるから、全体として、英語風の読みにならい、「テレバーディアン」の称呼又はローマ字風の読みにならい「テッレベルディアーネ」の称呼を生ずるものといえる。
また、該文字部分は、「TERRE」の文字と「VERDIANE」の文字との間に1文字程度の間隔があるとしても、いずれも同一の書体をもって外観上の軽重の差なく一体的に表されているものであって、該文字部分から生ずる全体の称呼も冗長といえるものではなく、他に「VERDIANE」の文字部分のみを分離抽出して商品の取引に当たらなければならないとする特段の理由は見いだせない。
そうとすれば、引用商標の文字部分は、全体として一体不可分の一種の造語として認識されるとみるのが相当であるから、「VERDIANE」の文字のみをとらえて取引に当たるとはいい難い。
してみれば、引用商標は、その文字部分に相応して、「テレバーディアン」又は「テッレベルディアーネ」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
ウ 本件商標と引用商標との類否
本件商標と引用商標は、それぞれの構成が上記ア及びイのとおりであるから、全体の外観は相違するものであり、また、本件商標と引用商標の文字部分とを比較した場合においても、前者は7文字からなるのに対して、後者は13文字からなるものであるから、外観上、判然と区別できるものである。
次に、本件商標から生ずる「バーダナ」又は「ベルダナ」の称呼と引用商標から生ずる「テレバーディアン」又は「テッレベルディアーネ」の称呼とを比較すると、両称呼は、構成音数が明らかに相違し、互いに聴き誤るおそれはなく、また、本件商標と引用商標とは、それぞれ特定の観念が生じないものであるから、観念上も相紛れるおそれはない。
そうすると、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標といわざるを得ない。
したがって、本件商標に係る指定商品は、引用商標に係る指定商品と類似の商品を含むものであるとしても、本件商標と引用商標とは、非類似の商標であるから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
(2)商標法第4条第1項第15号該当性について
申立人は、引用商標の著名性を明らかにする証拠として、申立人のホームページからのプリントアウト(甲3〜甲8)を提出しているが、これらの証拠は、いずれも外国語によるものであるにもかかわらず、商標法施行規則第22条第7項で準用する特許法施行規則第61条で規定する訳文の添付がなく、内容が不明である。
してみると、申立人の提出した証拠をもってしては、引用商標が、申立人の業務に係るぶどう酒を表示するものとして、本件商標の登録出願日(平成25年8月20日)及び登録査定日(同年12月3日)の時点において、我が国の取引者、需要者の間に広く認識されていた商標と認めることはできない。
また、前記(1)のとおり、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても、相紛れるおそれのない非類似の商標である。
そうすると、本件商標に接する取引者、需要者が、引用商標を想起又は連想することはないというべきであるから、本件商標をその指定商品について使用しても、該商品が申立人又は申立人と業務上何らかの関係を有する者の取扱いに係る商品であるかのように、商品の出所について混同を生ずるおそれがあると認めることはできない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。
(3)むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号及び同項第15号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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